橘楓の憂鬱そして渚の帰還
あいつが佐々木か・・・。
グランドでランニングをしてる佐々木を見ているだけなんだが、他の人が見たら目標を捕らえた狙撃手のような目で見ているだろうと思う。実際合法的にできるなら殺ってるかもしれない。
他の生徒にあいつの事を聞いたら「ただのバカ」と教えられた。
この学園の野球部は3学年合わせて8人。当然対外試合すらできない。そんな高校に有望な新入生など期待できるわけがない。今いる部員だってのんびりしたい人しかいない。その野球部を甲子園に連れて行く。
太陽が西から昇ってもありえない事だ。それを公の場で言っているのだから。まあバカだな。
それはいい。そんな事は問題じゃないんだ。彼女は、葵渚はあいつの方が僕より魅力的だと言ってた。それが問題なんだ。「バカな事に情熱を燃やせる人が好き」彼女がそう言うのなら僕もそうならなくてはいけない。そうでなければ僕を好きにはなってくれない。
できるのか? 僕に?・・・無理だ、出来ない事は出来ない。それくらいの事は容易に判断し、切り捨てる。それが僕だ。イカロスを愚かと思う僕には到底無理だ。
「はあ。」
ため息しか出ない。あれから彼女と話をする機会はあった、でも怖くて話しかける勇気を持てなかった。
そうしてる間に彼女は実家に帰ってしまった。お母さんの病気で帰ったそうだが、戻ってくるのかは不明だという。荻先に問いただせば住所くらい聞きだせるかもしれない。でも、行ってどうする?
勇気がなくて話が出来なかったのに、行って話をすることが出来るのか? 僕の事は嫌いだ。なんて言われたら・・・想像しただけで死にそうになる。
結局その勇気が持てなければ、結果は同じだ。
「なんで彼女が好きなのかな?」
空を見上げて考えてみる。
彼女は道に迷っていた。壊滅的方向音痴。ちょっとした用事にも僕が付いていってあげないと。
彼女は家事が凄くできる。仕事を効率で考え、組み立てることが出来る。
彼女は料理が上手い。世の美食家と呼ばれる人も、彼女の料理には舌を巻くだろう。
彼女は言葉遣いが丁寧だ。他人との接し方がキチンと出来て尚且つ敬う気持ちを忘れない。
彼女はかわいい。見た目だけでなく、その仕草や立ち居振る舞いが凄くかわいい。
彼女は気遣いができる。僕が落ち込んだとき励ましてくれた。
そうだ、彼女はそんな子だ。でも違う。何かが違う気がする。
そんな理由や表面的な事じゃない。そう、理屈じゃないんだ。
彼女といると・・・いや、ここにいなくても彼女の事を考えてる今でも僕は安らかな気持ちになれる。
彼女がいないと僕は不安になる。何かが。自分の中の何かが欠けてるような焦燥感。
彼女に伝えたい、この気持ちを、この感じを。
「そうか、僕には彼女が必要なんだ。」
本当にそうなのか?
自分は男だと思っている。でも実際の体は女なのだ。
同じ傷を持ち、同じような境遇の彼女と「傷の舐め合い」を求めているだけじゃないのか?
「違う! 僕は彼女という人間を認めて必要としているんだ。」
彼女が男でありながら女の姿をしてるのに惹かれているんじゃないのか?
「違う! 僕は彼女を女性と認識している。男だなんて思ったことない!」
それは本当か? 嘘じゃないのか? 本当だと思いたいだけじゃないのか? 本当だと言い切れるのか?
「本当だ、本当だとも、僕にはもう彼女しかいない。お前になんかわかるものか!」
僕は両膝を抱えてうずくまっていた・・・。
今朝も朝食の用意はなかった。
もう彼女が実家に帰って3日になる。川本に聞いても何の連絡もないそうだ。
会社では新しいプロジェクトを立ち上げていない。これまで休む間もなく新規プロジェクトばかりやっていたが、今は既に軌道にのってる物の管理だけなので社員に任せて完全な学生をしてる。一向に意欲が湧かないのだ。
僕の成績は下から数えたほうが早い。仕事ばかりしてて勉強してないから当たり前だ。僕はそれでいいと思っていたし、問題にもしてなかった。だから完全な学生になった今は授業に追いつけない。自然と葵渚のことしか考えていない。悶々と答えの出ない事だけ考えている。
土曜など最悪だ、まるで白昼夢のように、いつ起きてたのか? いつ寝たのか? まったく判然としない
日曜は起きたら服を着替えて外にも出たが、やっぱり同じだった。
6日目の月曜も学校に出るとまず川本に話しかける。でも連絡はなかった。
会いたい、会って顔が見たい。話をする勇気はまだないけれど、それでも会うだけ・・・。
いや、会ったら話もしたい。声が聞きたい。彼女の声で僕の名を呼んで欲しい・・・。
違う。そんな事しても僕はずっと白昼夢の中だ。何も進まない・・・。
そうだ、僕の気持ちを、僕のこの気持ちを伝えたい。断られる? 嫌われる? 構わない、全然気にならない。ただ気持ちを伝えたい。それだけでいい。結果なんて知らない。
そんな物伝えなくては永遠に出ないのだから・・・。
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ここから川本視点です
私は中学の2年に凄く嫌な奴と隣になった。
学校に行くのも憂鬱、顔を見るともっと憂鬱。そんな私を救ってくれたのは斜め前にいた橘くんだった。
授業はほとんど聞かず、いつもパソコンを弄り、遅刻・早退は当たり前。凄く興味的な人。
なぜ彼はこんなに他人を気にしてないのだろう? 自分の評価が気にならないのだろうか?
いつの間にか私は彼ばかり見ていた。彼ばかり追っていた。
3年になって嫌な奴とは別のクラスになれたけど、橘くんは同じだった。
既に憂鬱を解消するために彼を追う必要はなかったはずなのに、やっぱり見てしまう。
あぁ、私この人のこと好きなんだ・・・それを自覚したのは夏休み明け。
楽しいはずの夏休みがつまらなかった。新学期に凄くわくわくした。
そう、学校に行けば橘くんに会える。それだけで楽しみだった。
でも、私は彼に告白はできなかった。プライド? それもあったと思う。でも本当は怖かった。
私は橘くんを見てたが、話はあまりしてなかった。接点がなかったのだ。
そんな私が告白しても、彼は私がクラスメイトということすら気付いてないような気がして。
そうして高校に進学。この学園はエスカレータ式なので、何かなければそのまま同じ高校に行ける。
渚と同じ教室になった。隣の席になったあの日。中学2年のときのような思いをしたくなかった。それだけの事で渚に話しかけた。この子は自己紹介で私を含めて5~6人くらいにしか聞こえないような、そんな声で呟いていた。自己主張の弱い子。そんな認識だった。
握手をしようと伸ばした手にも恐るおそるとしか行動できない。ふん、あまり人付き合いのできない子なのね、ならあまり深く係わらず、それなりに付き合うように心がけましょう。
そう思って他の教室になってしまった友達のところへ行こうとした、その時。
「あがり症?」
橘くんが彼女に話しかけてる? 別の中学からの入学生。なのに親しげに話してる。小学校の同級とか旧知の仲なのかしら?
私は入り口の・・・中から見えないところで話に聞き耳を立てる。
「変じゃないよ、君の笑顔すごく綺麗だしかわいかった。」
! なんですって?! 橘くんが女の子を褒めてる? いえ、むしろ口説いているとしか思えない。
驚愕。耳を疑う。どう言っても当てはまるけど、これは紛れもない事実。
うかうかしてられない。この子は敵。監視して警戒しないと。
「はあ、ばかばかしい、あんなに強敵だと思ってた渚が、男だったなんて。」
すっかり騙された気分、無理もない、渚はどう見ても女の子だった。胸こそなかったが私から見てもかわいいし、橘くんも彼女を狙ってるように見えた。
そう、なにより橘くんが渚に好意を持ってるのが見え見えだったのだ。
でも渚は女の姿をした男。生駒寮に居るということは、それは揺るぎのない事実。私はそんな彼女?に明らかにそれとわかる対抗心を燃やしていたのだ。
「滑稽ね。」
誰に言ったわけでもない、自分で自分を笑っていた。
これ以上渚を敵視しても意味はない。いかにかわいくとも男では相手にならないからだ。
橘くんとて、渚が男とわかれば興味をなくす。そう思っていたから。
渚とは今まで通り付き合う事に抵抗はない。でも敵にならない以上警戒や監視する必要はないのだ。
あとはどのタイミングでそれを橘くんにばらすか? 場合によっては私が彼から嫌われかねない。それだけは回避したい。
彼女が実家に帰った次の日には橘くんが聞いてきた。それはそうだよね、夕食がなかったんだから。
あれから一週間、私にも橘くんにも連絡はない。
「川本。」
橘くんが朝一で私のところに来る。もちろん渚からの連絡の有無を確認するためだ。
私は無言で両手を上に向け首を振る。
「そうか。」
「おかあさんが危篤って話だったから、もう帰ってこない可能性もあるんじゃない?」
「実家がどことか・・・・は聞いてないよな?」
「富山としかわからないね。」
「富山か・・・あそこの料理もおいしかったな。」
おいしかったって・・・富山にどんなイメージなのか、思わず微笑んでしまう。
「・・・行ったことあるんだ。」
「あぁ、何度かじいちゃんに連れて行ってもらった。」
「ふうん、私も一度連れてってほしいわ。」
「無理だな、物凄く有名な店で予約すら難しいらしい。」
「橘くんにとって富山はその店なんだ。」
「そうだな、おかしいかな?」
「いいと思うよ、私なんか行ったこともないんだし。」
渚が来なければ、私はこうして橘くんと他愛ない話ができる。でも、それはこのクラスで私だけが渚と話してたからだ。渚がこの学校に初めからいなければ彼は私に話しかけてなどこなかったろう。なんとも複雑な気持ち。
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どうしましょう、私はとんでもない過ちを犯してしまいました。寮に戻るとみんなに連絡しなかった事を責められたのです。
心の余裕をなくし、母のことばかり思ってたのも父の状態も私にはとてつもない事だったからです。
でも、実家に戻って2日目に、私はずっと電話をしてました。その中のほんの一瞬でもマサミさんや他の人の事を思い出せば電話できたはずです。橘くんの事を思い出した時もありました。でも電話することは失念してたのです。
きっと怒られます、怖いです。きっと寮の仲間の3倍くらい責められます。根拠はありませんが・・・。
そしてそんな恐怖心から今朝橘くんの朝食を作りに行ってません。旅の疲れで寝坊なんてしてませんよ。ホントですよ。そして今、教室の前にいます。橘くんがまだ来てないならいいな・・・。
先生には先ほど報告を済ませました。不幸でなくてよかったと言われましたが、私は今不幸です。まるで斬首台に向かう心境ですよぉ・・・。
そうっと教室のドアを開けます、気付かれないように席に付いてしまえば・・・。ダメですね、よりによって川本さんと橘くんが私の席のところにいます。いえ、正確には隣の川本さんのところですが、これで気付かれないようになんて、魔法でも無理です。うぅ、どうしましょう・・・。
思案してると頭にポンと軽い衝撃が、振り向くと先生でした。
「ほら、始めるぞ、席につけ。」
ここで名案が、先生の後ろから入ってこそっと席に着けばよいのですよ。というか、もうそれしかありません。先生に道を譲って先に入ってもらいます。教室内でごとごとと音がしました。今しかありません。
こそこそっと入ってちょこんと席につけました。横で川本さんが百面相をしてます、責めてるのでしょうが、無言なので怖くありませんでした。目論見通り。橘くんの様子は伺えません。こっちは顔を見るだけでも怖いのです。
授業中、私はノートを取る振りでその実手紙を書いてました。川本さんと橘くんにお詫びの手紙。正直に謝れば許してくれますよね?川本さんには手渡せますが、橘くんには回してもらうしかありません。両方を川本さんに手渡しします。ところが川本さんは両方見てるじゃありませんか。えぇ! それ反則というかマナー違反じゃありません? しかも橘くんの分に加筆までしてます。ちょっ、何書いてるんですか?
川本さんから後ろの人に渡った時点で私はそれを追うことができませんでしたが、私は非難の口パクを川本さんにしています。それを知ってるはずなのにまるで気にしないでノートを取ってます。
いえ、ノートじゃありませんでした。私への返信でした。「手伝いまでさせて連絡しなかったバツよ、バカ」うぅ、何も返せません。しばらくすると橘くんのほうからも返信? なんでしょう? 寄せ書きみたいなのが手渡されます。「おかえり~」「なぎちゃん、僕には手紙なし?」「理由がわかれば問題ない」「ほんとに寂しかったんだからね!」「責めたりしないからお仕事再開よろしく!」「僕もなぎちゃんの手料理食べたいな」「「結婚してください!」←橘の本音」どんなクラス? みんなして加筆してるんじゃ?
振り返ると橘くんが手を振ってます、というか、みんな振ってます
前に向き直って思わず笑顔になってしまいました。そこにまたポンと頭に軽い衝撃。
「授業に集中しろ!」
もっともです。
休み時間、私の周りに人だかりが出来ました。私が実家に帰った翌日、先生から私が休んだ理由を聞いたそうです。みんなも心配で今の状況を聞きたがっていました。
「母は退院して、今は自宅療養中です、ご心配かけて申し訳ありません。」
「もう大丈夫なの?」「料理とか家事はどうしてるの?」
「はい、もう大丈夫ですよ、家事は父の得意分野なので問題ないです。」
クラスの半分くらいの人がいるので川本さんも橘くんも寄り付けません。他人の盾みたいです。
もう責められることはないと思いますが、やはり面と向かって話すのはまだ躊躇われます。
というか、なんでこんなに人が集まるのでしょう? 私は川本さんと橘くん以外にはあまり接点がなかったはずでしたが・・・聞いてみました。女子の意見は。
「え? だって渚ちゃんかわいいもん、友達になりたかったけど、きっかけがなくて。」「いつも丁寧な話し方だから、なんか距離置かれてるみたいで。」
男子からは。
「みんなのアイドルに抜け駆けしたら殺されそうだったし。」「遠くから眺めてるのがよかったんだけど、実家に帰ってもう戻らないかもしれないって聞いたらめっちゃ後悔しちゃってさ。」
「では、私から話しかければみなさんお友達になってくれてたのでしょうか?」
「「「「「当然!」」」」」
知りませんでした。私はみなさんにそんな風に思われていたなんて。なんだか涙が出そうです、実際潤んでいます。
「申し訳ありません、これからはみなさんに話しかけられることが出来るように努力いたします。」
「努力なしに話しかけられるようにならないとダメじゃないか?」
「そうですね。」
涙を手で受け取りながら笑った私に、みんなが感嘆の声を上げていました。
「これで生駒寮のみんなにも友達が出来たと報告できます。」
「「「「「「「え?」」」」」」」
教室が固まりました。人だかりの外の人も停まってます。
「あれ?」
私はテヘペロの顔で微笑んでいました。
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ここから川本視点
あはははは、最高!私から橘くんに告げ口しないでよかった。まさか自爆してくれるなんて。
唯一、私の杞憂だった渚の正体の暴露方法。それを渚は自ら行ったのだ。
これで男子全員渚を彼女にしたいと思わなくなっただろう。友達くらいなら問題ないだろうけど。
いえ、女子には友達になりたい人が増えるかもしれない。見た目で女子なのに男心がわかるなら相談事も気楽にできる。
何はともあれ、渚は橘くん争奪戦から脱落した。敗者復活戦にも参戦できないだろう。
他の生駒寮生同様、性転換が終わったら他の高校に移るしか青春を謳歌する手立てがない。この高校に居る限り渚は女の子としての立場を廃棄しているのだから。
いえ、私は油断してはいけない。確かに最強のライバルは自ら落ちていった。でも他にその頂を目指す者がいないわけではないのだ。さしあたって次に蹴落とすのはD組の宮木。あれも手強そうだ。
天然とか言ってるけど、あれは違う。全て計算づく。どうしたら男受けがいいのかを熟知している魔性の女。
橘くんはあぁいった耐性はないように思う。いかにしてあの女の魔の手から彼を守るか。私の戦いはまだまだ終わらない。
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あれから変な空気になってます。みなさん戸惑っておられるようですが、まあしかたないでしょう。私がうっかり生駒寮生だと言ってしまったのですから。
でも、雰囲気はおおむね良好。苛められるとか騙されてたのか? とか、そんな感じは見受けられません。ならば問題なしです。今だけの可能性は否定できないかもしれませんけど・・・。
覆水盆に帰らずともいいますし、今更否定もできませんし、何よりその通りなのだからどうしようもありません。騙してたなんて本当に思ってもいません。
お昼には踏ん切りがついたのでしょうか?女の子が3人ほど昼食のお誘いに来てくれました。もっとも、私はお弁当だったので食堂にはご一緒できませんでしたが。
みなさんが食堂に行かれたのを確認した私は橘くんのところに行きます。
「何の連絡もせず、突然お休みしてしまい申し訳ありませんでした。」
「気にしてないって言ったろ? 謝る必要ないよ。」
「いえ、今朝のお仕事もしてないのでほんとうに・・・。」
「あぁ、今朝帰ったわけじゃないんだ。」
「はい、夕べです。帰ったら何も出来ずに寝てしまって。」
「あ、今朝は寝坊だったんだな。」
笑われてしまいました、返事はできませんでしたが、顔が語っていたようです。
「あの、それでこれだけはなんとかできましたので。」
私は持っていたお弁当を差し出します。今日は寮で作ったので、私とお揃いになってしまっておりますが。彼は無言で受け取り・・・受け取り・・・いえ、受け取って欲しいのですが、なぜか私の手を包むようにして放してくれません。
「あ・あの・・・。」
「君が好きだ。」
「・・・・はい?・・・・」
「僕には君が必要だ。結婚を前提に付き合って欲しい。」
「?????????」
えと、なんでしょう? 私が好き? 必要? 結婚?・・・・結婚?!!!!
「答えははいかイエスだ。」
「あ・あの・・・その・・・私達・・高校生ですよ?」
「だから結婚できるまでは婚約者でいいよ。」
「いえ・・・えと・・・その・・・。」
「答えはイエスかはいで頼む。」
混乱してます。何を考えているのでしょう?彼も私も。そんな急に、どうするのがよいのでしょう?目が泳いでしまいます。顔も赤くなってると思います。
「答えははいだ!」
えぇ? 決定なのですか? 職権乱用じゃありませんか? 私に選択権はないのですか?
「はい以外の答えは要らない。」
「い・痛いです。」
だんだん強くなる彼の手につい、本当に思わず言ってしまいました。
「あ、ご・ごめん。」
彼の手が私から離れました、狙ったわけでもありませんがその途端叫んでしまったのです。
「無理です!」
そしてお弁当をその場に置き、走り出してしまいました。




