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不安と心配

職員室に着きそのまま中へ誘われる

飛鳥は生徒会書記なので大概の教師は飛鳥の顔と名前を知っている…そして昨日の事件も

所々から視線を感じる

少し肩身を細めながら安藤先生と本題に入る


「昨日…園田さんを守ってくれたんだってね」


「守ったなんて…………私は…………何も……」


「いや、病院まで一緒にいてあげたんでしょ……園田さんにとっては嬉しかったと思うよ」


「……………………」


下を向く、この話になるとどうしても下を向きたくなる


「まぁここでは深く言わないよ、詳しくは放課後でいい?」


「はい……わかりました」


「あまり考え過ぎないようにね」


そう言われ職員室を出る

考えるな、と言われると余計考えてしまう

とりあえず教室へ向かう

歩きながらため息が出る

自分のクラス…2年3組の教室に着いたところでさっきの恥ずかしいことを思い出させる声をかけられる


「お、《しならい》書記さんじゃん」


仁美が大声で言う

中にいたクラスメイトは全員こっちを向き、皆笑う


「ちょ……仁美!」


やっぱり仁美は言いふらしてた

これは…めんどくさくなりそう


「今朝噛んだんでしょー」


「仁美から聞いたよー、《しならい》」


友達が続々と集まりそれぞれに言い合い、笑い合う

…恥ずかしい、さっきまで考えていたことなど忘れてしまうくらいに

そのままそこで苦し紛れの言い訳を言い続ける

だが皆飛鳥の言葉は右から左に聞き流し《しならい》と連呼する、相当気に入ってる様子

そのまま恥ずかしい時間はあっという間に過ぎ、気が付けばホームルームの時間…8時30分になりチャイムが鳴る

そのチャイムを聞き、各々は自分の席に着く

飛鳥も座ろうとすると奈々に言われる


「いい話題そらしになったんじゃない?」


「……だいぶ恥ずかしいけどね」


「お、他にふられたくない話題があるって認めたねー」


しまった、やられた

奈々はそのまま笑って自分の席へ向かう

こういうところはやっぱり頭が良い


でも確かに話題そらしにはなったと思う

変に昨日の事件のことを聞かれて気まずくなるよりかはよかった…まぁ恥ずかしいが…………


2年3組の担任の先生…吉村先生が来てホームルームを始める、先生は昨日のことは話さなかった

飛鳥としては少し助かった



恥ずかしさと昨日の後悔の感情が混じりながらホームルーム、そしてその日の授業と時間が過ぎていった

授業は半分聞き流していた、時折朝のことを思い出して赤くなり、そしてまた昨日のことを思い出し暗くなる

今日はそれの繰り返し

そして昼休みが過ぎ、午後の授業、帰りのホームルームもあっという間に終わった

昼休みの時間は杏里を探そうかと思ったがクラスを知らず、4階をウロウロするのはよくないと思い探さなかった


帰りのホームルームが終わると荷物をまとめてすぐ職員室へと向かう

途中で朝のことでいじられたがてきとうに言い流して移動する

職員室にたどり着きノックをして中に入る

中に入ると安藤先生と杏里が一緒にいた

(杏里……よかった)

杏里の姿を確認して一安心した


「飛鳥、早かったね」


「杏里…………あ、急いできました」


「飛鳥さん…………」


「じゃあ来てもらってなんだけどちょっと場所を移そうか」


そう言われて2人は安藤先生の後をついていく

案内されて着いたのは多目的室

特に何かあるという訳でもない普通の教室

中には吉村先生と副校長先生が椅子に座っていた…いつの間に吉村先生はきたんだろう、さっき上でホームルームをしてたのに

この人の行動の速さはたまに目を見張るものがある、いつの間にとよく思う

そんなことを考えながらそのまま全員椅子に座る


「杏里、大丈夫?」


「はい飛鳥さん……私は大丈夫です」


下を向きながら答える

顔には出さないがやっぱり辛いのだろう

飛鳥は片手を杏里の手に上から重ねるようにして握った

少しでも不安が取り除かれるようにと優しく、強く……

少しだけ表情が明るくなった……と思う


「まず昨日の事は先生達とあなた達とご両親しか知らない事になってます…………」


副校長先生がそう言い始めしばらく話が続いた

昨日何が起きたかとか詳しいことを…ほとんどは飛鳥が説明した

そういえば泥棒は捕まったらしい、近くで巡回していた警察官が捕まえたらしい、すっかり忘れていた

そうして時間が過ぎ、一通りのことを話し終える

すると副校長先生はどこかへ行ってしまった

一瞬冷たい人だな、なんて思ったが副校長というポジションは色々とあるのだろう、そう考える


「園田さん、大丈夫だった?」


「はい、大丈夫です…」


杏里は下を向いている

この教室にきてから終始下を向いている

そう感じ手を強く握る


「何かあったら先生達に言ってね」


「はい、ありがとうございます」


「じゃあ2人ともさようなら、帰り道に気を付けてね」


先生達と別れ2人は一緒に帰る

時刻は5時20分、この半端な時間では校門付近に生徒はいない


「杏里……会えてよかった」


「飛鳥さん?」


「昨日あんなことがあったから…学校に来ないんじゃないかと思って…」


「飛鳥さん……昨日約束したじゃないですか、また明日会いましょうって」


「杏里…………!」


その言葉を聞いた瞬間、全ての欲求が満たされるような…そんな感覚になった…………気がする

杏里が昨日の約束を覚えていてくれたのが嬉しかった

飛鳥は自分より小さな体に寄りかかるようにして体をくっつける


「杏里…………」


「飛鳥さん…………」


杏里も拒絶しない、むしろ受け入れるように体を寄せる


手を握り、肩をくっつけ、互いの耳が触れるくらい体をくっつけて歩く

また不安が取り除かれるようにと思いながら…もう泣かせたくないと思いながら…………

今回で計3人の先生が登場しましたが下の名前は考えていません、副校長なんか上すら考えていません

まぁ副校長は完全モブ(の予定)です

下の名前は考えてもいいんですけど多分使わないと思うのでいいですよね?

え、そんなこと知らない?


あ、《知ならい》でしたね……………………


なんかごめんなさい…

ここまでご愛読ありがとうございます

次回もよろしければよろしくおねがいします

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