表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

人力発電所の真実【1】

 今は昔、人類が時間旅行を実現させたばかりのころ――。一部の国では、時間移動調査と称して特別チームを組み、年1~2回、さまざまな時代に隊を送り込んでいた。

 調査隊を派遣するたびに大きなニュースになり、世界中の人が注目した。特に歴史上の調査では、成果が見えはじめ、時間移動に関する法律も整いつつあった。

 ある国が2000年後の未来に調査隊を送り込んだときのこと。当時、未来の調査に関する実績数があまり多くなかったため、政府は大きな成果につながると期待した。

 調査隊を乗せた球状の飛行物体が、ある一定の高度まで上昇した後、ふっと消える。そして、現地で過ごした調査時間に合わせて戻ってくる。今回の時間移動調査の期間は5日間であった。つまり、隊が出発して5日後に戻ってくることになっている。

 5日後――、調査隊が返ってきた。調査機関は隊に報告を求めた。




■隊長の報告

――結論から報告します。未来の人類は機械に支配されています。人口は今よりかなり少ないようです。

――いえ、自然は豊かです。我々の時代よりも豊かな印象を受けました。荒廃しているような地域は一切ありません。ただ、2000年後の人類は、いくつもの建物に通い、人型ロボットの監視のもと、牛馬が(うす)を引くように、同じ場所をぐるぐる回っているのです。

――すみません。説明が足りませんでした。建物の中に平たく巨大な円筒形の構造物が設置されていまして、そこに70センチ~100センチくらいの高さで何十本もの棒が付き出ています。そうです。人の腰からへそあたりの高さです。それを人間がつかんで軸を回転させています。人数はひとつの構造物に数百人。24時間休むことなく、ぐるぐる回転させています。

――現地の人を数名確保して質問しましたが、通じないんです……。いいえ、言葉が通じないのではなくて、話がかみ合わないというか、物を知らないというか……。いろいろ質問しましたが、有効な回答はほとんど返ってきませんでした。はい、後で詳細を報告書に記入しておきます。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ