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笑う門には福来る  作者: 海苔
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ふと読み返すととても短いということが分かりますね……(汗)

まさに唖然。

開いた口がふさがらないとは正にこのことだろうと思うほど、呆れていた。


「天下の天狗様が、空腹で飛べない、ねぇ....?」


僕は呆れた口調で言った


「なんだ?小僧わしを馬鹿にするか?」


「いやいや、まさか空腹で倒れるような天下の天狗様のことをバカにするなど命がいくつあっても足りませんよ」


「お主....やはり馬鹿にしておるだろ....。」


「してませんってば!それで?僕にどうしろと?」


これ以上グダグダ言われるのも大変めんどくさいので話題を変える。


「ふんっ。まあ良い。お主、飯をよこせ。弁当とやらがあるのだろ?」


「よこせ、ねぇ....。」


「なんなんじゃ、お主はさっきからはっきりしない!はっきりものを言わんか!」


「はっきり言っていいんですね?」


「良いとも!はっきり言わんと分かるもんも分からんからなぁ!」


いや、ドヤ顔やめろよな、腹立つから。


「まずですね。人でも妖怪でもモノを頼むときは自分は下手にでないと聞いてもらえるような頼みでも耳すら貸しませんよ?」


「お主は耳を貸してるではないか」


「僕には貴方が見えるから仕方なーく貸してるだけで、ホントだったらその鼻へし折って学校に行くとこなんですよ!」


「……おこなの?」


「急にナウいなおい。キャラ崩壊してんぞ」


「そんなことはどーでも良い!早く飯をよこせ!」


「断ります!」


「なぜじゃっ!」


「自分の物しかないからです!

てことで他をあたってくださいな!」


一気に駆け出す。

これ以上遅くなったらほんとに遅刻してしまう!

※既に遅刻。


「こぞぉぉぉう!飯よこせぇ!!!」


「うわぁああああぁ」


天狗が追ってきた。それも飛びながらだ。


「あんた飛べんじゃん!」


「最後のフルパワーじゃぁぁぁぁ!!」


「ならここでくたばれくそじじぃぃぃ!!!」


僕は追いつかれないように猛ダッシュしながら叫んでいた。

もちろん他の人には天狗など見えないため。そのため1人叫びながら猛ダッシュしている男子高校生なんてのは一般の人からしたら変態以外のなにものでもないのだ。


「おのれ!もっと年寄りをいたわらんか!」


「天狗の年寄りのことなんか知るかよ!頼むから他をあたってくれ!」


「なっ!?天狗だって生きておるのだァァァァァ!!!」


どうやら天狗の逆鱗に触れたらしく今までより大きな声で叫んできた。


「弁当をよこせぇぇぇぇ!!!」


「うおっ!?」


瞬間、大きな風が吹いて体が浮いた。


っていうか、これ飛ばされてる!?


「べぇんとぉぉぉぉぉ!!!!」


風はさらに激化。周りの家に被害がでかかってる。


「わかった!わかったから!弁当やるから落ち着け!」


「ぬぅ!ようやくその気になったか!」


すると一気に風は止み当然僕は、、、


真っ逆さまなわけで、、、


***********************


目が覚めれば日はすっかり暮れていて空はすでに暗くなり始めててた。


いや、どんだけ気失ってんだよ


自分で自分にツッコミを入れたあと現在の状況を確認する。

ここはどこか、見知らぬ神社のようだ。

神社の賽銭箱の上で寝かせれていたようだ。


背中が痛いのはこのせいか


そばに鞄があったので見てみる。

案の定弁当がない。天狗に食べられたのだろう。


「あーもう、新学期早々ほんとついてないな。」


あの腐れ天狗め、本当に花をへし折ってやろうか

などとブツブツ呟いていると何処からとも無く声がした。


「聞こえておるぞ。小僧、わしの鼻を折ろうと考えてるならばやめておけ。命がいくつあっても足らんぞ。」


自分で言っちゃうとこがさすが天狗ってとこだよな。


「弁当箱は返してくださいよ。あれが無いと明日から僕は弁当なしになってしまう。」


「おっと、忘れておったわい。」


着物のようなものの袖をゴソゴソ探り

ほれ、と、人様の弁当箱を投げてよこした。


「なんて失礼な天狗だ。礼儀くらいわきまえたほういいですよ。」


「人間風情が天狗ともあろうこのわしに説教か、千年早いわ。」


「その人間風情に空腹のとこ助けてもらった天狗様なんて畏れ多くて説教なんてできませんよ。」


「くっ...絶対馬鹿にしておるだろ」


「はい、してますが何か?」


「開き直りおった!性根の悪い小僧め」


今回の件について僕は何も悪いことをしてないため天狗の文句は当然のようにスルーした。


「ところでここはどこですか?」


「無視か!人間ごときがこの大天狗の話を無視するか!いーい度胸じゃのォ!ええ!?」


「あーもう、正直言ってめんどくさいんですよ!年寄りの相手をしていたおかげでこっちは新学期早々学校サボった感じになっちゃったんですよ!」


「なんじゃ!わしのせいか!ん!?」


「そうですよ!全てはあなたがわるい!」


指を突き立てて僕は言いはなった。

実際、天狗も少しは自分が悪かったと思っているようで何も言い返してはこなかった。


「ふんっ、知ったことか!わしゃ帰る!」


そんな風に言うと天狗は大きな黒い翼を羽ばたかせ空高く登っていった。


お礼の1つも無しとは最後の最後までダメダメな天狗だったな。


「さて、僕も早いとこ帰ろう。これ以上の面倒はごめんだ。」


今日はきっと厄日だったのだ。

人生で1番の厄日だろう。家に帰れば親の説教が待っている。そう考えるだけで憂鬱になる。


「はぁ、学校休んだ理由何にしよう……。」


鳥居をくぐり階段を下り、道路に出た時にとある問題を思い出す。


はて、ここはどこだ?


僕の厄日はまだまだ終わりそうにないようだ。

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