表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
F級冒険者と、役立たずの『図書館』  作者: 綾瀬蒼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/61

第37話:価値の再定義と、黄金の檻

1. 崩壊する「嫉妬」の鏡


マンモンが縋り付いていた「黄金の鏡」には、彼女が欲して止まなかった「他者の輝き」が映し出されていた。しかし、悠真がその鏡に触れた瞬間、鏡面は音を立てて粉砕される。

「嫌ぁぁぁ! ボクの……ボクの宝物が……!」

「マンモン、よく見ろ。鏡が割れて、お前を照らす偽物の光は消えた。……今、そこに残っているのは何だ?」

粉々になった鏡の破片。そこに映っていたのは、煌びやかな宝飾品を剥ぎ取られ、ただ一人の少女として震えるマンモンの姿だった。彼女は、誰かに自分自身を見て欲しかった。だが、自分には「価値」がないと信じ込んでいたため、他者の価値を奪い、着飾ることでしか存在を証明できなかったのだ。


2. 簒奪から「管理」へ


悠真は、マンモンの首筋に手を添えた。アスモデウスの残した『執着の刻印』が共鳴し、悠真の魔力が「所有」の概念を書き換えていく。

「お前に、新しい役割を与える。……お前のその『嫉妬』は、これから『価値の適正管理』として機能させる。世界中の富と魔力。誰が何を持つべきか、お前のその執拗なまでの執着心で監視し続けろ」

(【悪魔卿マンモン:制圧完了】:属性:『深淵の嫉妬』。権能:『黄金のジャッジ・オブ・アヴァリス』。……世界規模の資産・魔力分配の最適化権限を掌握)

「……ボクが、管理するの? ボクだけの、仕事……?」

マンモンの瞳に、初めて「他者の模倣」ではない、自分自身の存在意義が灯る。彼女は悠真の足元に力なく崩れ落ち、その服の裾を強く握りしめた。

「……わかったわ、悠真。ボクはもう、他人のものは欲しがらない。……でも、あなただけは、誰にも渡さないから。ボクが一番近くで、あなたを『監視』してあげる」


3. 予兆:世界の鳴動


七人の悪魔卿のうち、六人が悠真の支配下に入った。残るはアスモデウスの完全な服従のみ……というその時。

突如として、エリュシオンの空が不自然な「白」に染まった。

それは魔力による攻撃ではない。システムそのものが、外部からの干渉を受けて「書き換え」られている兆候だった。

(【天使の図書館:緊急警告】:深刻なエラーを検知。……上位権限者による『世界初期化リセット』のシークエンスが開始されました。……現実世界とエリュシオンの境界線が、0.02%の速度で消失しています)

「……始まったか。運営か、あるいは『創世記』の真の主か」

悠真の背後には、ルシフェル、ガブリエル、そして新たに加わったマンモン。最強の陣容が揃いつつある中で、物語は「ゲームの攻略」を超え、世界そのものの存亡を懸けた最終局面へと突入する。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ