表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
F級冒険者と、役立たずの『図書館』  作者: 綾瀬蒼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/61

第25話:暴走する楽園と、極限の維持

1. 管理コアの破壊と反動


悠真の拳がスロウスの幻影を貫き、その胸元にある「管理コア」を粉砕した瞬間、仮想世界『エリュシオン』は断末魔のような叫びを上げた。

【警告:メインシステム・クリティカルエラー。全領域で定義崩壊デリートが開始されます】

「……あ、ああ……っ!」

ベリアルの意識の拠り所だったコアが壊れたことで、閉じ込められていた1億人の精神データが、行き場を失い濁流となってサーバー内を逆流し始めた。それは、ベリアル自身の魂を内側から焼き切るほどの高負荷だった。

「ベリアル! お前を消すつもりはない! その膨大なデータを、俺の『図書館』に一時退避させろ!」

悠真は自身の脳をサーバーの外部ストレージとして開放し、1億人分の「怠惰」の魔力を引き受け始めた。全身の血管が浮き上がり、目からは血が滲む。


2. 現実世界:オーバーヒートする心臓部


一方、現実世界のデータセンターは、物理的な限界を迎えていた。

数万台のサーバーユニットが真っ赤に熱を持ち、冷却水は一瞬で蒸発して白い霧が立ち込める。

「な、何だこの熱は……! サーバーが溶け始めているぞ!」

アイアン・デュークが驚愕して後退する。もはや爆撃などせずとも、このままではセンター全体が大爆発を起こし、周囲数キロを吹き飛ばす魔力災害マナ・カタストロフが発生する。

「……計算外ですね。あるじがこれほどまでに無茶な肩代わりをされるとは」

バルクァンが、汗を流しながらも冷静に魔力を注ぎ込み、サーバーの物理構造を金の魔力で補強し続ける。

「バルクァン、余計な私語は不要よ。……私たちは、主が戻る場所を守るだけ」

ルシフェルは漆黒の羽根を広げ、立ち昇る熱気を自身の氷の魔力で強引に冷却していた。S級ランカーであるデュークですら近づけない極寒と酷熱の境界線で、二人の使徒は文字通り「世界の崩壊」を食い止めていた。


3. 投影される「怠惰」の真姿


仮想世界の崩壊が進む中、悠真の目の前に、ノイズにまみれた少女の姿が実体化し始めた。それは、VRアバターではない、現実世界へ無理やり「投影」されようとしているベリアルの真の魂だ。

「……ねえ、主殿……。どうして、私を助けるの……? 私は、みんなの時間を奪った……最低の悪魔なのに……」

「最低かどうかは、起きてから自分で決めろ。……俺が、お前の新しい『居場所』になってやる」

悠真の言葉に反応するように、ベリアルの投影体が淡い光を放ち、悠真の影へと吸い込まれていく。

【悪魔卿ベリアル:一時封印完了】

【天使の図書館:データ退避率 98%】

だが、その瞬間。サーバーセンターの地下にある「最下層プロセッサ」が、耐えきれずに大爆破を起こした。

「主!!」

ルシフェルの叫びが響く中、データセンターを巨大な光柱が貫いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ