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F級冒険者と、役立たずの『図書館』  作者: 綾瀬蒼


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第17話:傲慢の裏側と、孤独な支配者

1. 限界の120秒


海底都市の廃墟が、二人のS級魔力の激突によって塵へと還っていく。

悠真の肉体は、ガブリエルとバルクァンの魔力によって内側から焼き切れそうなほどの熱を帯びていた。

【残り持続時間:112秒】

【警告:心拍数上昇。天使の図書館による痛覚遮断を継続】

「ふん……。偽りの力でどこまで保つかしら。その体が崩壊するのが先か、私の忍耐が尽きるのが先か、試してあげるわ」

サタンは軍服の襟を正しながら、無数の魔力の槍を空中に展開した。彼女の『絶対服従オーダー』は、もはや言葉を介さずとも、その「視線」だけで周囲の空間を支配し始めていた。

「試すまでもない。お前の弱点は、既に見えている」

悠真は、強制的にブーストされた思考速度でサタンの全挙動をプロットした。彼女の攻撃は完璧だ。だが、完璧すぎるがゆえに、そこには「他者」を介在させない絶望的な孤独が横たわっていた。


2. 図書館が暴く『ルシフェル』の記憶


悠真は、サタンの魔力の奔流を紙一重で回避しながら、図書館の深度をさらに一段階上げた。

【観測対象:悪魔卿サタン】

【解析深度:深層意識オリジン

【真のステータス:元大天使長ルシフェル級】

脳内に流れ込んできたのは、あまりにも眩い光の記憶だった。

かつて彼女は、天界の誰よりも美しく、誰よりも完璧な指揮官だった。それゆえに、誰も彼女の隣に立つことができず、誰も彼女の苦悩を理解できなかった。

「……お前は、自分が完璧であることに絶望したんだな。ルシフェル」

悠真の声が、海水の唸りを突き抜けてサタンの耳に届く。

サタンの動きが一瞬、停止した。彼女の冷徹な瞳が、激しい怒りと動揺に塗り替えられる。

「その名を……汚らわしい人間の口から、出すなと言ったはずよ!」

「お前は堕天したんじゃない。『自分以外の誰にも頼れない世界』に、自分から閉じこもっただけだ。レヴィアやマモンがお前に従うのは、力に屈したからじゃない。お前が一人で全てを背負う姿に、かつての主の面影を見ているからだ!」


3. 救済への王手


「黙れ!オーダー……『消えなさい』!!」

サタンの咆哮と共に、全方位から黒い魔力が悠真を押し潰そうと迫る。

だが、その魔力波形は、怒りによって大きく乱れていた。

構造解析アナライズ完了:サタンの精神結界に亀裂を確認】

【救済条件:彼女の『完璧主義』を力でねじ伏せ、主導権イニシアチブを奪うこと】

「ガブリエル、バルクァン!出力を最大に!俺の肉体がどうなっても構わない!」

『了解しました、主よ!』

『全ての魔力資産を、この一撃に投下します!』

悠真の右手に、二人の使徒の力が集束していく。

情報の光と、富の輝き。それが混ざり合い、サタンの黒い魔力を真っ向から切り裂いていく。

「サタン!お前の『傲慢』ごと、俺が引き受けてやる!」

悠真の拳が、サタンの絶対防御を突き破り、彼女の胸元へと肉薄した。

それは、偽りのS級が、真の悪魔卿の心臓を捉えた瞬間だった。

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