女神様の神殿は華やかでした
◇
「——ようこそ、あたしの領域へ!」
気づけば私はさっきの女神様と二人きり、まばゆい光に包まれた神殿に場所にいた。
白と黒の大理石の床(いや、大理石なんてテレビでしかみたことないけど)の上に真っ赤な絨毯が敷かれていて、壁には時計と思しきものから地球儀に似た何か、望遠鏡といったよくわからないものが等間隔で並んでいるが、ごちゃごちゃとした雰囲気ではない。
神殿といえばパルテノン神殿くらいしか知らない私だけど、ここの柱はなんだかパルテノン神殿よりも華美で彫刻が施されている。
「地球でいうコリント式と似たようなものよ。気に入った?」と女神様がにっこにこで説明してくれる。
私をここに連れて来れたことが本当に嬉しいようだ。
そして強引に私を連れてきた女神様は、宝石でも見るかのように私をうっとりと眺め、かと思えばぷりぷりと怒りはじめた。
「もう信じらんない! 『洗浄不可能』じゃないっつーの! 『研鑽されすぎた極上の輝き』って言うのよ、これは!」
「あ、あの・・・?」
「あ、ごめんごめん! でもちょーっとまってね!」
そういうと女神様は私の頭に手を置き(そこで魂だけの存在だった先ほどとは違い、今は体があることに気づいた)、何かを唱える。するとどうだろう。胸あたりから虹色に輝く宝石が私の中から飛び出してきた。
「ああーん!素晴らしいわ!スキルがない地球でこれだけの輝きをもつ宝石を育て上げられるなんて!貴女すっごい才能があるのね!」
女神様は両手で虹色の宝石を受け取ると、ニヤけながらさらに続ける。
「さてさて、そろそ説明が必要よね?まずは軽く自己紹介から。あたしは貴女がいた地球がある世界とは、別の世界の神様。不憫にも廃棄されそうとしていた魂を救った、とってもとーっても慈悲深い神様よ!——ところで茜ちゃん。貴女、自分の『力』がどれだけヤバかったか、わかってないでしょ?」
女神様が指をパチンと鳴らすと目の前に鏡が現れ、全身を映し出した。
そこに映るのは体表を覆うかのように出るオーラ、とでも言えばいいのか。それは、虹色とも金色ともつかない、眩いばかりの光を放っていた。
「見える?これが貴女の魂の輝き。今はちょっとくすんでいるけれど、こんな輝き、このの世界に一人だっていないわ」
女神様は語る。
「地球の神様ってさー、魂から『スキル』を回収するとか、そういうの全然興味ないのよね。まぁスキルって概念がないから仕方ないのかもしれないけどさ、ただグルグル輪廻させてるだけ。魂の輝きに価値があるって分かってないのよ、あいつら。だから茜ちゃんみたいな『強すぎる能力』を持った魂が生まれると、すぐ『規格外だ、廃棄だ』って騒ぐんだから! あー、もったいない!」




