確かに私は100歳超えだけども
私と猫一匹は意を決して市場へと入っていく。
まず目に入るのは食料だ。
麻袋に入った小麦粉、香辛料がずらずらと並び、エールや果実酒、その向こうには生鮮食品が並ぶ。
少量ながらお米も売っている。
驚くべきは出店数とその品数だろう。
こうした食料を扱っている露天が二十、三十とあるのだ。もちろん王都にはお店として青果店もたくさんあるので、ここで出品しているのは行商がメインのようだ。
そして品数は多岐にわたる。
翻訳スキルのおかげで露天の吊り札が難なく読めるのだが、塩コショウから始まりバジルにセージ、ザルに載って量り売りされているクミンにコリアンダーやナツメグ、店先に吊るされているローレルにガーリック。
ちょっと見ただけでこれだけ香辛料があるのだからカレーくらい作れそうだとも思う。
「ぐるる!」
「・・・まぁでも、レストランは無いかな」
そもそもあのお店はレストランには向かない作りだ。香辛料を売る、ということであればいいかもしれないが、足元の同居猫は先ほどからずっと唸っている。どうやら香辛料の香りが苦手らしい。
露天商にいくつか聞いてみたが、王都の香辛料店にも卸しているというので価格的にも難しい。
それなら酒店はどうだとみて回るが、正直お酒の良し悪しがさっぱりわからない。転生前もお酒はほとんど飲まなかったし、飲んだとしても酎ハイくらいだった。
「おうエルフの嬢ちゃん!何か飲んでいくかい?それとも年齢的に婆さんかい、がっはっは!」
何より、酔っ払いに絡まれるのが非常に煩わしい。
「食べ物とお酒は、微妙かな」
「にゃー」




