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私の魂は再利用不可でした

「死んだと思ったら宇宙にいた」


西嶋茜にしじま あかね、享年二十七。

死ぬ直前の記憶はなんだっけ。

トラックに轢かれた?崖から落ちた?

ううん、どれも違う気がする。

でも「死んだ」ということだけは理解していたし、私の中ですんなり受け入れられた。

それは多分、私は生きていたけど、死んだように過ごしていたからだとおもう。

そして今、意識だけとなって星々の間を漂っているような、不思議な浮遊感に包まれていた。


(・・・ほんとに魂ってあるんだ。なんか、あったかい光に包まれてるみたい)


どれくらい、そうしていただろう。五分、十分。いや、一時間か。時間の感覚があいまいだ。

そんなことを考えていたらふと、目の前に「それ」は現れた。

性別も年齢も分からない、ただただ圧倒的な存在。

白いローブを身につけていると思えば、次の瞬間には姿が羽に包まれていたりと、なんだろう、うまく認識できない。姿が不定なのだ。

だからこそ、あぁこれがきっと神様ってやつだと納得した。


『西嶋茜さんですね』


直接脳に響くようなエコーが掛かった音色だが、平坦で事務的な声だった。


『結論から申し上げます。貴女の魂は再利用できません』

「・・・はい?」


思わず魂だけの状態なのに間抜けな声が出た。

再利用? リサイクル? 私の困惑をよそに、神様は淡々と続ける。


『本来であれば魂はここで生前の記憶、能力を洗浄・リセットした上で再利用します。魂が増えすぎると管理が面倒ですからね。しかし貴女の魂は・・・そうですね、規格外品とでも言いましょうか。付着した『力』が強すぎて、洗浄が不可能なのです』

「ち、ちから?」

『生前に占いや予知夢といったことに経験は?』

「あ、あります」

『力とは()()です。通常であれば発現しても基準値いないに収まるはずなのですが——ああ、先日のあれと・・・そういうことですか、なるほど。これはシステムの改修が必要なようですね』


神様は変幻自在の腕を伸ばし、何かを操作する素振りをみせる。

しばしの後、神様は再び口を開いた。


『バグの発見にご協力いただき感謝します。——ですが貴女を地球の輪廻に戻すことはできません』


そう言って神様は、少しだけ(本当に少しだけ)悩む素振りを見せた。


『非常に稀有なサンプルではありますが、かといってバグから生み出されたものを使用するというのも後々のことを考えると気が進みませんね。少々もったいない気もしますが、廃棄しますか』


廃棄。

その言葉が持つ冷たい響きに、私の魂が(あるならば、だが)凍りついた。

いやいや、ちょっと待って! まるで人を不良品みたいに言わないで!?

確かに自分でも「死んだように生きていた」と自覚はあるけれど、不良品と言われていい気はしない。

何か言わねば、と超越した存在になんとか抗議の声をあげようとした時だ。


「その子! 廃棄するならくださいな!」


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