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【ヒューマンドラマ】

正義と悪

作者: 小雨川蛙

 

 ある日。

 私の家族が惨殺された。

 犯人は誰でも良かったと語っていた。

 私は犯人に罰を与えるために必死に活動したが、結局のところ犯人は私が望む罰より遥かに小さな罰を受けて終わりだった。


 幼い私は多くの事を学んだ。

 何故、私の家族を惨殺した犯人があんなにも軽い罰で済んだのか。

 法とは何のためにあるのか。

 正義とは何であるのか。

 必死に学び、答えを求めた。

 求め続けた。

 自分が納得出来る答えを。


 そして、現在。

 私は自分自身を納得させることがようやく出来た。


 人間の世界に正義など存在しない。

 その代わり悪もまた存在しない。


 今日。

 三年に渡り私が拷問をし続けた犯人が遂に死んだ。

 法は私を悪とするだろう。

 しかし、気にすることはない。

 どうせ、そんなものはまやかしなのだ。

 正義も悪もそもそもが存在しないのだから。


 正義も悪もないことが救いなのだから。

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― 新着の感想 ―
この作品を読んで、ふと気づいた。 「正義も悪も存在しない」と言う人は皆が悪と見なされることをする人ばかりだ、ということに。 「正義も悪も存在しない。だから正義と見なされることをする」という人を、一度も…
 法治国家の放置国家たる権力に歪められた法の抜け道に、目には目をを云うバビロン王朝のハンムラビ法典を今に言うのもアレですが、哀しみを背負い世捨て人の体を成さずに社会の闇を切り裂く姿勢には、何処かダーク…
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