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06 邂逅


 突然の声かけ、


 現れたのは、アランさん!


 と、お供の乙女メイドさんおふたり。



「ご無沙汰しております、フォリス様」

「いつもうちのアラン様がご迷惑をおかけいたしております」

「本当に、何度お仕置きしても懲りなくて……」


 いえ、ゼシカさん。


 僕の方こそ、アランさんにはお世話になりっぱなしで。


 それに、ゼシカさんのような素敵な方からのおしおきがあればこそ、アランさんもやんちゃするのがヤメられないのですよ。



「まあ、フォリス様ったら、お上手ですこと」



 この褐色長身スレンダーの素敵なメイドさんは、ゼシカさん。


『誠実な無自覚プレイボーイモンスター』と呼ばれ、世の乙女たちから恐れ(?)られているアランさんのお目付け役として、4人の奥さまたちが絶大な信頼を寄せる、対『モンスター』スペシャリスト。


 実は、アランさん専用長槍『ゼファーシルエット・改』の化身、つくも神なのです。



 初めて長槍からの変身を見ちゃった時は、何も知らされていなかったので、マジでびっくりしました。


 アランさんの変な掛け声と共に黒いケムリがどこからともなく湧いてきて、


 ケムリが晴れると中からステキなメイドさん、ゼシカさん登場!



 どうやらあの黒いケムリの中で、長槍から変身、もとい、お着替えなさっていた模様。


 あのケムリの中で一生懸命早着替えしていたのかと思うと、


 次回の変身の際は、ひと目ケムリの中を見ようと目を凝らさざるを得ないのです……




「フォリスさまも、ご主人さまとおんなじまなざしをするのですっ」


 いえいえ、フルリさん。


 アランさんのようなイケメンな流し目は、僕みたいな若輩者にはまだまだムリですって。


 聞いてますよ、その、いろいろと。


 奥さまいっぱいの原因の一環は、あの流し目が炸裂しまくったせいでもあるって。



「その辺のことは、奥さまたちが照れ照れの真っ赤っかになっちゃってフルリには教えてくれないから、よく分かんないのですっ」

「でも、ご主人さまがあのまなざしを向けるたびに、周囲の乙女さんたちに動揺が走るのを、フルリはよく知ってるのですっ」



 このちっちゃ可愛い妹系メイドさんは、フルリさん。


 アランさんに、いついかなる時でもぴたりと寄り添う、愛娘ポジションの純真素直な娘さん。


 実は、アランさんが愛用していた片手剣の化身、つくも神なのです。



 未だ変身シーンを見ることは叶いませんが、それもそのはず。


 どうやらアランさんは、フルリさんを片手剣として使うことは二度と無いようです。


 まあ確かに、こんな可愛らしい娘さんを、剣にしてブン回したりできませんって。



 えーと、ゼシカさんを槍にしてブン回すのはどうなの、と言われると……


 うん、それはそれでアリかも。


 なんだかアランさんの性癖に深く共感してしまうのは、


 やっぱり僕も男だからなのでしょうか。



「ちょっと、フォリスさんっ」

「うちのメイドさんたちにそんな眼差し向けないで欲しいな」


 誠に申し訳ございません。


 でも、アランさんなら分かってくれますよね。


 ステキな乙女たちから目が離せなくなっちゃうこの気持ち。



「うん、とっても良く分かるけどさ」

「とりあえず、後でシュレディーケさんに報告するね」


 それだけはご勘弁の程……



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