15 家族
サイリさんのお宅に到着。
ご家族の前で静かに語るチュースさん、凄く誇らしげでした。
僕は……静かに退散。
あの家族の絆に、おじゃま虫してはいけない。
ってか、僕も早くシュレディーケさんに会いたいですっ。
---
我が家、サイコー!
いろいろと大成功だった今回の遠征狩猟、
僕の報告を、シュレディーケさんもとても喜んでくれました。
「明日、ロイさんのご家族にススケ鳥とアグラタケを味わって貰えば、依頼完遂大成功、だな」
はい、もちろんシュレディーケさんも、いっしょに喜びを分かち合いましょう。
「済まない、フォリスさん」
「明日はどうしても外せない用事があってだな」
……悲しいです。
「ルルナさんから、『エルサニア城下町勤労女子婦人会』の集まりに誘われていて、な」
「『忙しい勤労女子が良き母親となるための、初めての子どもを迎える心構えを実践的に学ぶ会』だそうだ……」
…………えっ!
シュレディーケさんっ、もしかしてっ!
「いや、違うのだっ」
「こういう事は出来るだけ早いうちからきっちり学んでおいた方が良いとルルナさんから強引に……」
うへぇ、心臓止まるかと思っちゃったよ。
びっくりさせないでくださいな、シュレディーケさんっ。
「そんなに嫌だったのか……」
逆ですって!
正直、僕はそっちの方は全然詳しくないので、こんなに早く分かっちゃうんだって驚いただけですってば。
「うむ、そういう事についての正しい知識を学ぶための勉強会でもあるのだ」
「理解してもらえると嬉しい」
はい、理解しました。
勉強会、がんばってきてくださいね。
僕はロイさんのお宅で、素敵な家族の在り方を、たっぷりごちそうさましてきますから。
「ススケ鳥、か……」
あの絶品のお味に想いを馳せるシュレディーケさんのとろけ顔、
まさに絶品!
そんなこんなで、我が家の夜は更けていくのです……




