13 謁見
えーと、こっちの部屋だって分かってた。
いつもの小部屋で、私服に早着替えしちゃったイーシャさんと歓談中。
余談ですが、ついたて越しの女性の着替えって、見えなくてもめっちゃドキドキしちゃうのですね。
いや、見えないからこそ、かも。
この件については、後でアランさんとじっくり話し合わねば……
そう、こうなるって分かってた。
チュースさん、イーシャさんから全力でモフられまくり。
もしもし、イーシャさん、
チュースさんって、見た目は可愛らしいですけど、ものすごくインテリな大人の男性なんですよ。
お胸の谷間に挟んだりしちゃいけませんってば。
「だって、ゼシカさんも……」
だってもあさってもありませんっ。
そういうのはライクァさんとだけにしてくださいっ。
「はーい」
可愛らしいわがままいっぱいなイーシャさんですが、
もちろん、まごうことなき女王様。
リグラルトとびねずみさんたちの集落は、正式に村として国から認可されました。
「おふれを出す前に、村のお名前、決めてくださいね」
おっと、どうしましょう。
やはり村の代表として、チュースさんが。
『自分の名前も皆さんに決めていただいた私が、村の正式名称なんて……』
ふむ、じゃあ、僕が決めちゃっても良いですか。
『是非!』
命名:チューリス村
こんな感じでどうでしょう……
「なるほど、とってもらぶらぶな村になりそう」
『?』
「おふたりのお名前ですよ、チュースさん」
『!』
さすがはイーシャさん、バレバレでしたね。
チュースさんとエリスさん、らぶらぶなおふたりのお名前からいただいたのですよ。
『ありがとうございます、フォリスさん、ツァイシャ女王様』
『末永く平和な村となるよう、微力ながら尽力させていただきます』
むふっ、我ながらめでたしめでたし。
って、イーシャさんっ、
チュースさんにチュウしちゃダメですって!




