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第8話【魔道具創り】

「ごめんね、じゃあないわよ! 信じられる? 鞄の中に入れっぱなしでずーっと忘れるだなんて!! 私じゃなきゃ干物になってるところだわ!!」

「まぁまぁ。というか、そもそもラシャがいたずらするから悪いんでしょう? 悪い子にはお仕置きよ。それに、この鞄には生き物は入らないから大丈夫」


 ラシャの抗議を理路整然と打ち返してやる。

 うん。確かに今まで忘れてたけど。

 千年の間ほったらかしにされて、無事だったラシャにも驚きだ。


「ところで、ここは何処? 見たことないところだけれど。それ魔道具の部品や素材でしょう? 研究室には見えないけれど」

「そうだ! 聞いてよ! ラシャ!! 大変なんだから!!」


 私はラシャにこれまでに起こったことを説明する。

 ちなみに、ラシャは私が創りあげた際に、普通のゴーレムは持たない自我というものを持たせている。


 自分で思考し、知識を蓄え成長するという、私が初めに提唱した人工生命体創りの記念すべき第一号だ。

 少し自由過ぎる気もするけれど、過去を共有できる話し相手としてはこれ以上のものを求めるのは罰が当たるだろう。


「ちょっと……千年後って……ほんと、エマって魔道具創り以外のことは本当にダメなんだから……」

「うう……そんなこと言われても……でも、なんでラシャは千年経っても動けるの? 流石にそんなに長くは持たないはずよね? そもそも鞄の中で魔素を供給できるわけないんだし」


 ラシャを創る際に、私は他にもいくつか自分の発明品とも呼べる技術を使っている。

 その一つが人工魔石。


 この人工魔石は、一度使い切ると入れ替えなければいけない天然の魔石と違い、繰り返しの利用が可能だ。

 動力源として利用し魔石の中の魔素が減った場合は、外部から供給してあげれば何度も利用が可能だ。


 結局魔素を供給するためには天然の魔石を使うか、ダンジョンのような辺りに魔素が漂っている場所に赴かないといけないので、用途は限られてくるけれど。

 使えるかどうか、よりも面白そうかどうかや創れるかどうかが重要なのよ!

 魔道具創りって!!


 思わず心の中で叫んでしまった。

 でも、意外と後からすごく使えることが分かる場合もあるから、なんでも創ってみるべきよね。


「それはね。自分で活動を止めたのよ。いつまで待っても外に出してもらえなかったからね。一度魔素を使い切っちゃうと面倒だし。でも……正直千年もほったらかしにされるなんて思ってもいなかったわ」

「だからごめんってば。あ、そうだ! いくら途中活動止めてたって言っても、魔素はそんなに残ってないはずよね? ちょうど魔石がいくつかあるから、充魔しておこうか?」


「それが……変なのよ。話に聞く限り、ここって普通の町の中なのよね? 鞄から出てから、ずっと魔素の充魔が続いているのよね。凄くゆっくりだけど」

「え!? どいうこと? もしかして、この時代って、ダンジョン以外にも魔素が満ちてるのかしら」


 そういえば、クレイに以前聞いた話では、町の外は危険だから一人で出歩くことはするなと言っていた。

 魔素が普通の場所でもあるなら、ダンジョン以外にも魔獣がいるということだろうか。


 それについては今度それとなく聞いておこう。

 それよりも今は。


 ラシャの出現で、忘れそうになっていた本題を思い出す。

 私は魔道具を創ろうとしていたんだった。


「ラシャ。外に出られたところ悪いんだけど、私はこれから魔道具創りをするからね! ほんと、もう限界なんだから!!」

「はいはい……本当に、もう病気ね。でも、今はアーティファクトって言われてるんでしょう? そんなものバンバン創ったら、さすがにまずいんじゃないの?」


「そんなことは後で考えればいいのよ。それよりも、今創らなきゃ頭がどうにかなっちゃいそう」

「ふーん。まぁ、いいんだけど」


 私の邪魔にならないように、少し離れたところで床にまるまったラシャは、本当の猫みたいだ。

 猫はラシャみたいに喋らないけどね。


「さーて、何を創ろうかしら」


 そう言いながら私は目の前に並べられた素材や研究室の残骸から持ち出した部品を眺める。

 うん! これなら、アレが創れるね。


 料理なんかしないから、創っても使い道なんてないけれど。

 でも、創ることに意味があるんだよね。


 私は必要な素材を選び出し、それ以外を再び鞄に戻した。

 きちんと魔石の魔素が循環するように、素材同士を組み立てていく。


 次に、魔道具専用の墨と筆を使って、必要な魔法陣を描きあげていく。

 この作業が一番の肝だから、慎重に。


「よし! できた!! ちょっと試運転してみようかな」


 私は魔石を取り付け、創ったばかりの魔道具を作動させる。

 出力調整の機能も付けておいたから、念の為最小出力で。


「ひゃあ!?」


 作動させた途端、目の前に思ったよりもずっと大きめの炎の柱が出現した。

 思わぬ火力に、私は間抜けな声を出してしまった。

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