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第四十九章 啓子、亮太の秘密を知る

ある日、亮太が、病院に定期健診に訪れると、東城医師から、「神経や内臓の検査は、今まで通り、異常はありませんでした。ただ、男性の場合、精子は脳で製造され、前立腺に送られますが、女性には前立腺がない為に、尿と一緒に、体外に排出されるようにしていました。その管が詰まっていて、このまま放置すれば、破裂する可能性がある為に、近日中に、手術が必要になります。」と告げられました。

亮太は、「いま、私は、最愛の女性と同居しています。その精子を取り出して、彼女を妊娠させる事は可能ですか?」と泉との間に、子どもを作る事は諦めていましたが、期待できそうだと喜んでいました。

東城医師は、「まだ時間はあります。来週にでも、一度彼女と来て下さい。」と本人に直接確認しないと、動けない様子でした。

    **********

亮太は帰宅後、泉に相談しました。

泉は、「それは、私も亮太の子どもがほしいけれども、生まれてきた子どもに、父親の事をなんて説明するの?」と理想と現実は、異なる事を説明しました。

亮太は、「男だったころの、俺の写真を見せて、父親は旅行中だと説明して、大人になった時に、真実を説明して、俺達の愛の結晶として、生まれた事を説明すれば、問題ないと考えるが、どうだろうか。」と提案しました。

泉は、「そうね。それと、生まれて来た子どもは、秋山総理大臣の血を引いてないのよ。遺産問題など、厄介な問題にならないかしら?」と心配していました。

亮太は、「そんなの、遺産放棄すれば、問題ないだろう。俺も貰うつもりはないよ。」と問題ないと、考えている様子でした。

泉は、「今の秋山総理大臣の人気は、亮太あってのものなのよ。秋山総理大臣も、亮太を後継者に考えているようよ。」と簡単な問題ではないと、考えていました。

亮太は、「そんな事、わからないよ。自分の子どもを、後継者にしようと考えているかもしれないじゃないか。所詮俺は他人だからな。それに、お兄さんは、俺と違って、第一秘書として、政治家になる為の、英才教育を受けている。機会があれば、その話を、お父様にしてみるよ。」と直接確認しようと考えていました。

泉は、「英才教育は別にして、亮太のほうが、票が集まる可能性が高いわ。もし、秋山総理大臣が、そう考えていたら、亮太はどうするのよ。」と具体的な事を確認しました。

亮太は、「お兄様を後継者にして、必要であれば、俺がその秘書になれば、問題ないと考えるが、実際、お父様と話し合ってみないと、どうなるかわからない。」とお兄様も含めて、家族会議が必要だと考えている様子でした。

    **********

泉は、「わかったわ。それでいきましょう。特殊な事情なので、事情を知っている人に説明して、協力を依頼しましょう。」と泉も乗り気でした。

亮太は、「俺達の子どもだから、可能な限り、俺達で育てよう。」と他人の力を借りるのは、最小限度にしようと考えていました。

泉は、「俺達だけって、亮太、私が妊娠して、亮太の世話ができなくなれば、誰が亮太の生理の処理をするのよ。そういうのだったら、人に頼らずに、自分で生理の処理ができるようになりなさい。女性は誰でも、一人で処理しているわよ。亮太だけよ。何年女をやっているのよ。」と亮太に、もっとしっかりするように告げました。

亮太は、「妊娠すれば、生理の処理ができなくなるのか?自分の生理の処理は、どうするのだ?」と不思議そうでした。

泉は、「妊娠中は、生理はないわ。そんな事も知らないの?」と亮太の無知に、驚いている様子でした。

亮太は、「そうなのか。わかったよ。生理の処理は、自分でできるように、努力するよ。」と泉に頼れないので、自分でなんとかしようと考えていました。

泉は、「努力するだけではだめよ。絶対よ。」と生まれてきた子どもに、変な所を見せたくない様子でした。

    **********

亮太は、翌週、泉と東城医師の話を聞きに行きました。

東城医師は、「あなたは、たしか、亮太君が退院する時に、迎えにきていた女性ですね。家族だと思っていましたが、そうですか。あなたがね。」と亮太に、決まった女性がいて、安心している様子でした。

亮太は、「退院当時、主治医でもなかった先生が、よく覚えていますね。」と不思議そうでした。

東城医師は、「亮太さんの事は、世界初の症例で、全世界が注目していました。この病院のスタッフも、全員注目していて、私も、あなたの事を見ていました。」と亮太の、退院当時の事を、知っていた理由を説明しました。

泉は、「そんな事より、先生、本当に私は、亮太の子どもを産む事ができるのですか?」と早く、肝心な事を知りたそうでした。

東城医師は、「失礼しました。人工授精になりますが、可能です。」と期待に答えました。

泉は、「具体的にどうするのですか?入院する必要があるのですか?」と具体的な方法を知りたそうでした。

東城医師は、「亮太君から、精子を取り出す時には、麻酔しますので、入院が必要になりますが、泉さんは、入院する必要はありません。精子を、膣の中に入れるだけです。つまり、セックスと同じです。排卵日に行いますが、通常のセックスと同じで、一回で妊娠するとは限りません。数回必要かもしれません。回数については、不明です。まだ時間はありますので、二人でよく考えた上で、返事して下さい。」と説明しました。

    **********

亮太と泉は帰宅後、秋山総理大臣が帰宅するのを待って、秋山夫妻に、二人の子どもを作る事を説明すると、喜んで、賛成しました。

その後亮太は、仲良しグループにラインで説明して、子どもを作る事を伝えて、詳しい説明をすると日程調整して、秋山家に招待しました。

ラインを確認した啓子は、勤務終了後、亮太と泉の部屋に来て、「泉さんと陽子さんの子どもを作るって、どういう事なの?誰の子どもなの?」と不思議そうでした。

泉が、「私が妊娠すれば、この家で、お手伝いをしている啓子には、隠せないわね。この際、啓子にも伝えておくわ。」と亮太が男性だった頃の、写真と動画を見せて、「彼が、私の恋人の白石亮太よ。」と説明を始めて、全てを説明しました。

啓子は、「嘘でしょう?」と衝撃の真実に、驚いていました。

泉は、「これで、陽子さんが、女子大に入る前の、経歴が不明な事がわかったでしょう?それまでは、陽子さんは、存在していなかったからよ。」と補足説明しました。

    **********

やがて、泉の妊娠・出産について、説明する当日になり、仲良しグループが、秋山邸に集まってきました。

啓子は、最初にきたあかりに、「陽子さんが、昔、男性だったとは知りませんでしたが、あかりさんは、いつから気付いていたの?」とどこで気付いたのか、確認しました。

あかりは、「私は、女子大時代に気付いたわよ。新入生だったころ、泉さんが不良に絡まれて、陽子さんが助けた時に、泉さんは、陽子さんの事を、思わず、亮太と呼んだでしょう?あの時は、啓子もいたじゃないの。それで、ひょっとして、と思って、陽子さんと泉さんを問い詰めて、衝撃の事実を知ったのよ。」と啓子は鈍感だと伝えました。

やがて、全員集まってきました。その中に、木島文子の姿もありました。全員集まった事を確認して、亮太と泉が説明しました。

説明後、泉は、「私は出産時、入院しますが、それまでに、亮太は生理の処理を、一人でできるようになると、約束してくれたので、生理の処理は見ているだけで、本当に一人でできるのかのチェックを、皆に頼みたいのよ。それと、何か困った事があったら、手を貸してあげてね。」と協力依頼しました。

亮太は、「いざとなったら、お手伝いさんが助けてくれるよ。」と啓子を見ていました。

泉は、「亮太、人を頼らないの。」と先が思いやられていました。


第四十九章 啓子、亮太の秘密を知る

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