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04 SIZ0と警察出頭

 ……さて、とりあえず管理局に行こうとしたのはいいけれど、


 このゲーム、マップがない。

 そして俺は迷っている。

 ということは、周りの人に聞くしかないのだ。


 普通なら大丈夫なんだが、今の俺はSIZが0なのである。

 座っているだけで不審な目をされるのに、話しかけでもしたら通報されかけない。


 だからと言って、ずっと迷子でいたら困る。

 そうだ、交番に行こう。まだ警察官ならちゃんとした対応をしてくれる。


 と思っていたのだけれど。

 「なんだ、自首でもしにきたのか?」

 これはひどい、SIZ0恐ろし過ぎてきついな。

 この人が悪いのではない。SIZが悪いのだ。

 NPCに嫌われプレイか、ドMしかしない…いや、ドMでもしないな


 《【警察出頭】の称号を獲得しました。それに伴い、スキル【正直】と【不審】を獲得しました。

最初の発見者のため、【発見者】の称号とそれに伴うスキル【発見】を獲得しました。》

 「自首をしに来たわけではないから!」


 「すまん、出頭だな。名前と指名手配された時期を…」


 「ほんとに、出頭じゃないから。」


 これは話にならないな。


 「そうか。いったいなんの用だ?」

 「迷っているんですけど。」と言ったとたんにインベントリに地図・ファンナールの町カルナット地区が入っていた。


「ありがとうございます。」とだけいって足早に出ていった

 

 「NPCに何かを期待したのがダメだったかな?」

 自然に言い方は緩いが、凄く恨みも含んでいるような口調になっていた。

 しばらく静かになり、口があいたと思うと愚痴が止まらない、どうしてかは自分自身でもわからない。

 まるでシステムによって怒らされている感じだった。

 とにかく、ひどい言われようだった。

 入って早々犯罪者扱いだったし愚痴っても許されるよな?


 まあ、称号が手に入っているから、まだ、ましな方だな。

 いや、<警察出頭>ってどう考えても、不名誉称号だからマイナスなんじゃないか。


 とりあえず詳しく確認して見るか。

 <警察出頭>に初期スキルの<解析>を使ってみると、

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 <警察出頭>


 警察官の友好度がマイナスになっている状態で、交番や、警察署に立ち寄った証


【正直】


 本当のことをNPCに伝えると、友好度にブーストがかかる。


【不審】


 NPCの初期友好度、NPCとの会話後の思考速度にマイナス補正がかかる。友好度がプラスのNPCには、マイナス補正が切れ、信用度が上がる。


<発見者>


 何らかのものを一番初めに、見つけた証


【発見】


 システムによって設置されている、ギミックの発見に思考ボーナス。


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 NPCにさらに嫌われるようになった。


 もう嫌われてるし大きな問題はないがな。


 むしろ仲良くなったら友好度が上がりやすくなるのは、いいな。


 思ったよりマイナススキルじゃなくてよかったっていう所だ。


 そうして、ギリギリ始めの場所が写っているぐらいで肝心の管理局は写っていないぐらい小さな地図を見ながら始めの場所に向かって歩いた。


 こうして無事に帰ってこれたのはいいけど、スタート地点に戻ってきただけなんだよな。

ついさっきログインしたばかりであろう人が、次々と出てきている最中だった。


 テンションが上がっている人、あまりの完成度に興奮している人、VRに慣れていなくて、酔ってしまった人。さまざまな人がごった返していた。


 「自分の部屋に帰るのは厳しそうだな。」そう思いその場から離れた。

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