蒼空と喜美斗
僕は4兄弟の末っ子。
一番上が蒼空。
僕のすぐ上が喜美斗。
そして、蒼空と喜美斗の間には、強運を持つ冷たい姉がいる。
二人の兄は衝突事故で大ケガをした。
でも、同乗していた姉は、奇跡的に無傷だった。
その車に、僕は乗っていなかった。
姉は、二人に何の慰めの言葉もかけずに、クールに暴言を吐いた。
運転していた喜美斗は、何の過失も無いのに、加害者側になってしまった。
姉は僕にこう言った。
゛一緒に、相手をボコボコにしてくんぞ゛
゛私、一回も悪事がバレたことないくらい、運がいいから゛
僕は、その言葉を飲み込んだ。
喜美斗が笑うなら、僕は悪にもなる。