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だれかいる?
「あれ~?」
ユキミは間の抜けた声を出しながら村を散策する。
「誰も居ないじゃんか~」
先程からユキミは村の中を、あちこち行ったり来たりしたが誰一人居ないのだ。
「腹減ったなあ…」
ふと、目の前の平屋建ての家から食欲を注る匂いがした。
中々に立派な家だが、村の村長でも住んでいるのだろうか?
「すいませーん?どなたか居ませんか~?」
扉を叩きながら訪ねるも返事はない。
「すいませ~ん…」
何となく取っ手に触れると
「開いてるし…」
扉が開き、室内が見通せた。
「どなたか居ませんか~?…」
返事はない。
「…入ってみるか?」
待っていても何も進展が無さそうなので、ユキミは人の気配の無い平屋建てに侵入するのだった…