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ヒュウガの外見は黒髪のロング、それを後ろで束ねています。
顔は丸眼鏡を掛けていて、一重まぶた、鼻が高く、顎が細い。
服装は真っ黒なチャイナ服を想像して貰えばいいと思います。
ルーナ グラン大陸の中にある国の一つである。
国としての歴史は古いが、内情は決して良いものではなかった、簡単に言うと独裁者が国を好きなようにしているだけだった。
「何をしに来た!、素性が怪しい者は通せないぞ!」
衛兵らしき人物がこちらを値踏みするように言ってきた。
「身分証ならあります、どうぞ!、見てください」
ヒュウガはそう告げると衛兵に向かって身分証を差し出した。
「ブレイカー協会、審査官?、何だ?、この役職は」
この身分証は、偽物である、しかしブレイカー協会から発行している物である為、身分証としての効力はある。
「まあ、いい、ブレイカー協会の紋章がある、通れ!」
衛兵はそう告げると持ち場に戻って行った。
ブレイカー協会の紋章は特殊な物であり、偽造は不可能、この認識が全世界に浸透していた、それにブレイカー協会の支部は今や各地にあり、何処へ行っても知られているものであった。
ブレイカー協会 ルーナ支部
ブレイカー協会本部は部隊制を敷いているが各支部はそうでは無い、C級、B級、A級そしてS級と各個人がランク分けされている。
各支部の者達は実績や経験により、本部から召集される、つまり本部から召集されれば、優秀という扱いになる。
だからブレイカー協会に所属した者は皆、本部を目指すのだ、本部に所属しているというステータスはあまりにも大きいのだ。
「良く来て下さいました!、ルーナ支部の支部長のノムです」
「ええ、どうも、ヒュウガです」
「まさか、軍神様が来られるとは思ってなかったので驚きましたが、事が事なんで、副会長の配慮に感謝です」
ノムと言われた男は黒い短髪の髪に全体的に丸い顔、体型は小柄で態度も腰が低い。
「まあ、時間も無駄にする訳にいかないので早速ですが、詳細をお聞きしたいのですが?」
「はい、今日来る事は聞いておりましたので資料を作ってまとめておきました、まずはこの資料を読んで頂ければよろしいかと」
そう言うとノムはまとまった紙の束をヒュウガに差し出してきた。
ヒュウガは、一瞬、ちょっと多くないか?と思ったが、態度には表さず資料を読み始めた。
ヒュウガは一通り目を通すとおもむろにノムに言った。
「すいません!、ちょっと量が多いのでこの資料、お借り出来ますか?、それでまた後日という事にしたいのですが?、よろしいですか!」
「ええ、勿論!、構いません、今日は顔合わせみたいなもんですから、因みにその資料は差し上げますので、、その代わり、外部には、、」
「わかってますよ!、では、これから帰ってゆっくり資料を拝見させて頂きますので、また後日」
ルーナ生態研究所
ルーナの中で最先端の研究をしている国家公認の研究会である、メインの研究は人体及び、魔物、動物などの生態の実態を調べるとされている。
だが裏では月魔の死体を極秘裏に回収しそれを人間に移植しているとの噂が絶えない、闇の部分があった、そして、暗殺組織、闇灰とのつながりもあると、ちらほら噂になっていた。
「所長、ブレイカー協会が我々を勘ぐっているようです」
所長と呼ばれた男は苦虫を潰した顔をした。
「まあ、いいだろう、今更、ブレイカー協会の連中が来た所で何も出来まい!、もう計画は最終段階だ、心配する必要はない」
「しかし、報告によれば、あの軍神と呼ばれた男が調査しに来たそう何ですが、大丈夫でしょうか?」
「まあ、いざとなれば、闇灰の連中に任せれば良い、それよりも今は実験を成功させる事だ、持ち場に戻って仕事をしろ」
去って行った部下を見ながらウトクは考えていた。
ウトクはこの研究所の所長になってからある独自の実験を行って来た、それは今のこの世界からすればタブーであり、その上、莫大な金が掛かる、そんな問題を解決したのが闇灰の連中だった。
奴らはいきなり私の実験を崇高な物だと、理解を示した上で、実験に掛かる莫大な資金もすべて提供すると言い放った。
私としては、奴らの目的が何であれ、資金を提供してくれるのであれば何の問題もなかった、奴らが全世界で恐れられている暗殺集団だとしてもだ。
「あと、少し、、誰にも邪魔はさせんぞ、絶対にな」
ウトクは邪魔する者は容赦はしないという態度で呟いた。
ヒュウガはノムが用意をしてくれた宿屋で資料をくまなく見て、違和感を感じていた、どこがどうと言われればはっきりとは言えないがなんとなく、おかしいのだ。
まず此処に書いてある資料はほとんど事後報告だ、ほとんど解決済みだ、これならばわざわざ副会長も私を調査に向かわせないだろう。
ヒュウガはルーナに向かう指示を出した副会長の言葉を思い出していた。
ブレイカー協会 本部 副会長室
「お呼びですか?、副会長、私もこう見えて忙しいのですが」
「ふん、昼寝をしていた奴が言う言葉ではないな」
「何故!、それを、まあ、いいでしょう、で、今回の調査任務は何ですか?」
ヒュウガは何で自分の行動がバレているのか不思議に思いながら問いかけた。
「今回、お前には、ルーナに行って貰う!」
「それはまた、唐突ですね、訳ありですか?」
「ああ、俺の予想が合っていれば最悪な状況になるかもしれない!」
真剣な顔つきに変わったゴルを見てヒュウガも話しを真面目に聞く事にした。
話しを一通り終えるとゴルは今回の任務の難しさを表すように声を発した。
「ヒュウガ、今回の任務は味方は誰もいないと思え、俺の予想が外れてくれる事を祈るが、まあ、そればっかりはわからんからな、それに単体で生き残れる者と言えばお前しかいない!、十分注意しろよ!」
しかし、副会長もあんだけ真剣なのは珍しかったな、それだけ危惧しているという事か、この調査、一筋縄ではいかないようだな。
ヒュウガはこれから起こるであろう大変さを想像してため息をもらしたのであった。
まだ全体の世界観がわかりづらいかも知れない所があると思いますが、タイミングがあれば紹介していきたいと思っています。よろしくお願いします。