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ファンタジー小説をずっと書きたかったのでこのタイミングで投稿させていただきます。色々とつたない部分があると思いますがよろしくお願いします。
軍神、その言葉を聞けばほとんどの人はこの大陸において肩を並べる者はいないほどの最強の男と想像するだろう。
そしてこの軍神と呼ばれる男の名はヒュウガ・マサムネ。
「総長、やはり、退路はたたれているようです!、他にも探しましたがやはりこの道を行くしかないようです」
気配察知に定評がある者の報告を聞いてヒュウガは思い悩んでいた。
「わかりました、ご苦労!、少し休んでいなさい、どうするか決まったら連絡します。、皆も一時、体を休めて下さい」
ヒュウガがこんなにも悩んでいるのにはワケがあった、人類の災厄と呼ばれる異形の魔物、月魔。
その魔物は200年前に突如、現れ、人類にキバを向いた。
満月になるとどこからともなくいきなり現れ、人間、動物、魔物、生があるもの、すべてに襲いかかる、そして未だにその生態はほぼわかっていない。
そして、今回の満月に現れた月魔は今までの者と違った、各地に現れた月魔はほとんど制圧出来たのだが、ヒュウガが伴って行った部隊の場所に現れた月魔は今まで類を見ない者だった。
「カーン、現在、残っている人数は」
カーンと呼ばれたこの男はヒュウガの部隊のサブリーダーの役割をする者だ。
「は、現在、10名、その内、5名がケガをしております、満足に戦える者となると3名です」
ヒュウガはその報告を聞いてますます険しい顔になっていた、ヒュウガが見つめる先には100体ほどの月魔がこちらに向かって迫っていた。
ヒュウガが危惧しているのはこちらに向かって来ている月魔達では無く、一番後ろにいる月魔を危惧していた、今までの月魔であれば目の前の敵に向かって攻撃してくるだけだったが今回は違った。
あの後ろにいる月魔が他の月魔達に指示を出しているような感じだった、月魔達にそんな意志の疎通は今までなかった、ヒュウガが軍神と言われてもそれはヒュウガ自身が強いだけであって、部隊は違う、月魔達の巧みな連携によりヒュウガの部隊は7割近くの命が散って行った。
そして、今、ヒュウガ達は周りを月魔達に囲まれて、窮地にたたされていた、迫り来る月魔達を見て、生き残っていた者達も死を覚悟していた。
「カーン、私が活路を開きます、その隙に皆と撤退して下さい!」
「ですが、それでは総長が、、、」
「このままではジリ貧になるだけで、状況は悪くなるだけ、ならば私一人が囮になれば、皆が助かる可能性がある、これは総長命令です、反論は許しません」
ヒュウガの鬼気迫る言葉に誰も言い返す事が出来なかった。
そう言うとヒュウガは刀を構えて横方向に刀の剣先を一回転させた。
「奥義、連閃」
ヒュウガがその技を発動させると周りにいた月魔達が吹っ飛んで行った。
「さあ、私について来て下さい!、この技は足止めぐらいにしか使えませんから」
ヒュウガにそう言われ部隊の者達は急いでヒュウガの後ろに付いて行った。
周りの月魔達が飛ばされて行った中、後ろの方にいた指示を出していた月魔だけはヒュウガ達が向かう道をふさいでいた。
だがヒュウガはそれも想定済みであった。
「奥義、飛閃」
刀を道をふさいでいる月魔に向かって放った、そうするとその月魔は上空に向かって飛んで行った。
「さあ、今です、早く行って下さい」
部隊の者達はヒュウガが作った隙を無駄にしまいと必死に走った、そしてカーンが言葉を発した。
「総長、御武運を!」
部隊の者達が視界から消えたのを確認して、ヒュウガは月魔の方に視線を向けた。
「やれやれ、やっといなくなりましたか、全く、こういうのは本当に疲れますね!」
今までの、危険な状況は何だったのか?と思うほどの態度で笑みをこぼしていた。
「さてと、周りに誰もいなくなったんで、急いで片付けますか!」
そう言うとヒュウガは、常人では見えないほどの速さで移動しこちらに向かってきた月魔達を素早い剣筋で斬っていった、そして気がつけば一体の月魔しか残っていなかった。
「さて、あとは、あなただけですね!、覚悟して下さい!」
そう言うとヒュウガは一瞬で月魔を切り裂いた。
「全く持って、総長なんて割に合わないですね!」
カーンは憤りを感じていた、自分自身に、あの状況で何も出来なかった事、そして総長を一人、置いて来てしまった事に、何度も戻ろうとしたが、それは総長の思いを無駄にしてしまうと思い留まったからだ。
総長のおかげで俺達はなんとか近くに待機していた部隊と合流出来た、だがその部隊も半数以上がケガを負っていた、そして動ける者だけでも総長を助けに行こうとしたがある人物に止められた。
「部隊の責任はすべてリーダーに権限がある、君はリーダーではない、リーダーがそういう行動をしたのであれば頬って置けばいいのさ!」
貴族出身で総長を目の敵にしてる男ヨーダ
「ですが、ヨーダ隊長、危険な状況で一刻を争う事態何です!、なんとかお願い出来ないでしょうか?」
「くどいわ!、ヒュウガ総長自らそうしたのなら、お前らもそれを受け入れろ、奴も武人だ死ぬ覚悟は出来ておろう」
カーンは苦虫をつぶしたような顔をした、このヨーダという男は保身しか考えていない男だ、これ以上問答をしても無駄だな。
ヒュウガの部隊が苦戦したのは月魔達の連携だけではなかった、実を言うと、このヨーダの部隊の行動にもあった。
ヨーダの部隊はそのほとんどがヨーダの息がかかった者達で構成されており、ヨーダの一声ですべてイエスになってしまう部隊だった。
そしてヨーダは常に総長という立場を欲しており、あの手この手でヒュウガを失脚させようと息巻いていた。
今回、ヨーダ達の部隊は月魔達を引きつけ倒さずにヒュウガ達の方に誘導していたのだ、そしてヒュウガが窮地であると聞き心の中で喜んでいた。
ヨーダがこれでヒュウガも終わりだな、と思っていたら、聞き覚えのある声が響いた。
「いやー、皆さん無事でしたか?、良かった、良かった。」
「総長、無事でしたか、助けにいけず申し訳ありませんでした。」
カーンはひたすら頭を下げて謝った、自責の念に押しつぶされそうになっていたが一気に気持ちが晴れやかになって行くのを感じた。
「何故、総長がここに?、窮地になったと聞きましたが?」
驚いた顔でヨーダが聞いていた。
「まるで、私が死んだような、物言いですね!」
「いえ、決してそのような事は、いやー、何にしても無事で良かったです」
そう言うとヨーダはその場を後にした。
クソ、何故だ、探りに行かせていた者の報告でも月魔達に囲まれて窮地にたたされていると聞いていたのに、また失敗か、まあいい、いくらでも奴を殺す方法はある。
ヨーダは気付いていなかった、ヒュウガという男が規格外の強さを持っているという事に、そして少しでも気付いていれば、長く生きれただろう。
自分自身の文章力、表現力、ストーリー構成、まだまだですが自身のつたない作品でもアクセスして下さる方がいるとわかって嬉しい限りです、その為、今回、ファンタジー小説ものを投稿させていただきました、よろしくお願いします。