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「黄泉がえりの闇よ、今来たれ。」

「我が肉身の糧となりて、さすれば再び闇夜の月に。」


昔、この言葉を発した魔術師がいた。


瞬く間に、空は闇に覆われ、光を呑み込み、


人は光を失った。


ただ悲鳴だけが響きわたり、気づけば何人、何百人と闇に呑まれていった。


時間の感覚すら失われた世界は、明けることのない暗闇に怯えていた。


正確にはわからないが、2年過ぎた時に一人の魔術師がこの闇を消し去った。


光が差し、悲鳴は消えた。


そして人が消えることもなくなった。


しかし世界は半分ほどが消えかかっていた。


闇を消し去った魔術師はこう言った。


「人よ、希望の光は来た。人よ、進むのだ。」と、


魔術師は英雄と呼ばれた。


だが、ある噂が流れた。


あんな闇を消し去ることができるなら起こすことだってできるのではないかと。


噂は噂を呼び魔術師は英雄から悪魔と呼ばれ牢に閉じ込められた。


魔術師を助けようとするものはいなく、処刑の時に


こう言い放った。


「再び闇夜が来るであろう。我はその時、人を滅ぼす。」


-------------------------


パタン。


と18歳ぐらいの男が本を閉じる。


何故、噂を信じたのだろうかと独言。


「僕も魔術師の端くれであるから英雄から悪魔と呼ばれたことを考えると辛いよなあ。」


「おい、ハルト次の仕事の打ち合わせにいくぞ」


「おっ、もうこんなに時間が経ったのか、すまんすぐに準備をするよ。」


声を掛けてくれたのはナルク·ジル


周りからはナルクと呼ばれている。


背も高く190cmぐらいはあるだろうか。


ガタイも良く、頼りがいもある。


でっ、僕は、ハルト·アルテム


背は平均的だし、ガタイも平均的かな。


ナルクと同じ、シュリット聖騎兵団に所属している。


聖気兵団は各国の戦闘部隊であり、人々を守る部隊でもあ()る。


この世界では聖気と呼ばれる力が大半を占めていて表舞台に出るのは聖気を使える者達ばかりだ。


そのエリートの集まりが聖騎士オルタナティル兵団だ。


聖気の中でも耀キラムガクラピスと大まかに言えば三属性に分けられる。


特に、耀キラム属性を使える者は数える程しかいないため30年に1人いるかいないかの詠唱の文字を読める者が出ない。


僕がいる国、ラントカティミ王国は優れた魔術師を数多く輩出している。


しかしこの世に魔力というのが存在する。


これがまた世界では魔力は悪魔の力と言われていて


昔の処刑された魔術師と同じ力だと忌み嫌われている。


魔力を持つ者は悪魔と呼ばれていて表にでることなくは秘密裏に


魔力を持ってしまった者達が悪魔の国を建国した。


聖騎士団はそんな悪魔と戦うための組織である。


力を持たない者のため、国を守る戦いが


変わらず100年も続いている。


僕自身はまだ聖気士兵団に入団して3ヶ月程だがいかに


魔力が人に恐れられているか痛感する日々だ。


聖騎士団は国のために働いている自負もある。


そして今僕は何故、聖気と魔力が存在し人が力として使えるのか、力を持ってしまうのかを調べている。


先程読んでいた黄泉がえりの闇について記された


本にはこう書かれていた。


魔力は本来人に宿ることはないエネルギーであり、

聖気は自然の力を使う天使達から授けられた神聖な力と。


悪魔は本来人であったが力が強大になり姿形をかえより


恐ろしい悪魔変わっていった。


「ハルト!いつまでそうしているのだ。」


ナルクの少し怒った声色に焦りすぐに本をしまう。


「すまんナルク。とても興味深い本だったからな。」


ナルクはため息をついた。


「お前の集中力はすごいが、もう少し周りを気にしろ。」


ナルクは面倒見が良いからなあ。


「確かにね、戦闘中に集中力を発揮したいね。」


「そうしてくれ、そういえば明日からは戦闘訓練が始まるな。」


そうだった。


「忘れていたよ、明日は1つラピス詠唱をみせるんだったね。」


まだ決めていなかった。というよりは決められない理由があるのだけどね。



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