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三十七話
悲しみの中にも、結婚式の幕は開きました。
嬉しいはずの結婚式ですが、遺体に巻かれた包帯が、あまりにも痛々しく人々の涙をそそります。
加代は
(遺体であっても、今は、こうして横に悟さんはいるけど、明日は、煙となって昇天する)
と、思うと、涙が溢れます。
雪子は、今まで親代わりとして育ててくれた、ただ一人の肉親を失くし、失意のどん底でうめき苦しんでいます。
そういう雪子を高杉先生は、いたわるように優しい目で見守っています。
賑やかであるはずの結婚式ですが、お通夜そのものです。
「結婚式の後はお葬式なんて、あまりにも悲しすぎる」
と、言って、誰もが悲しみに包まれています。
涙の結婚式です。




