表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あゝ、我が家  作者: t.kazuko
3/38

三話



血生臭く、どす黒い夜にも、朝を迎えようとしていました。


敵機は暴れられるだけ暴れ、夜明けと共に去って行きました。


夜が明けると、今まで暗くて、よく見えなかった、母の死に顔がはっきり見えます。


母は本当に死んだのだ、幻覚ではなかったのだ、嫌というほど、見せつけられる朝でした。


雪子が


「お兄ちゃん、お父さんが早く来てくれるといいのにね」


と、言います。


「うん」


雪子が言うまでもなく、悟は


(父さん、早く来て)


心で泣き、胸で叫んで、お父さんを待っていました。


いつまで待っても、何時間経っても、父の姿は見えません。


(父さんまで、母さんと同じようになった?まさか、まさか、そんな、、、)


一抹の不安が、胸の中を痛く突き刺して通り過ぎます。


(いや、父さんは、きっとやって来る。そして、僕たちを捜しているかもしれない。父さんを捜しに行こうか)


と、悟は思うのですが、母の側を離れることはできませんでした。


足は母の遺体の側にくぎずけになっていました。


その時、誰かが


「遺体を集めにきたぞ」


と、大きな声で叫ぶ声がしました。


悟と雪子は、顔を見合わせました。


「雪子は、母さんの遺体は、家の焼け跡に埋めよう。母さんを渡してはいかん。早く山に隠そう。」


二人は、一生懸命だったのでしょう。


母の遺体が重いとは思いませんでした。


遺体を木の陰におき、小枝をたくさん集めてかぶせました。


遺体集めの人たちも、遺体が多いのにはびっくりしていますので、必要以上の詮索はしませんでした。


母の遺体は無事でした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ