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二十九話
悟は、暇を作っては、加代の家を訪れ、加代の両親とも親しくしました。
加代はいつものように雪子を訪ねました。
二人の恋の芽生えを、それとなく感じ取った雪子は
「加代さんが、お兄ちゃんのお嫁さんになって、私の本当のお姉さんになってくれたら、どんなにいいだろうって思うのよ」
雪子が加代に言いますと、加代は赤い顔をして、下をじいっと見ていました。
そして、
「あのね、悟さんにプロポーズされたのよ。私の両親も親戚の人々も、みんな大喜びなの、恵まれた結婚が出来そう」
「そうなの、雪子、本当に嬉しいわ。しかし兄貴もなかなかやるじゃない。加代さんが私の本当のお姉さんだなんて、何と素晴らしい事でしょう」




