表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あゝ、我が家  作者: t.kazuko
27/38

二十七話

同じ職場の松尾加代は雪子の親友です。


三年先輩の加代は、最初に会った時から、雪子が気に入りました。


少し控えめで、優しい雪子は虐められタイプでしたので、支えてあげたい、気持ちにさせられるのです。


支えられれば支えられるほど、雪子にとって、お姉さんみたいに思え、つい甘えるのです。


甘えられれば甘えられるほど、加代は、雪子が愛おしく思えるのです。


雪子は、両親に早く死に別れているので、このような愛に飢えていました。


二人の友情は急速に進み、お互い居なくてはならない、間柄になっていました。


雪子がちょっとでも、他の看護婦に意地悪を言われれば、盾になってかばいました。


そんな加代に


「松尾さんは、雪子ばかりかばうけど、雪子より、雪子の兄さんに気があるのと違う?」


と、冷たく罵るのは、三十五歳に近い里中由美です。


由美から侮辱を受けた加代は、由美の頬をぶちたいと思いましたが、はしたない事だと、手を握りしめて我慢しながら言い返します。


「私は、雪子の兄さんに一度だって会ったことはないわ。どんな顔かさえ知らないわ。だから、そんなの関係ないの」


「でも、休みの日雪子の家へ行くのでしょう。兄さんに会いたいから、行っているのでしょう。そんな魂胆があるから、いつも雪子雪子って可愛がっているのと違う?可愛がり方が普通じゃないわ。何か裏があって、やっているように見えるけど」


由美は言いたいだけ言って、ふうん、と鼻を天井に向けます。


その仕草が、加代にとっては断腸の思いがするのですが、喧嘩するのは馬鹿らしくなり、堪えることにしました。


雪子は、じいっと聞いていましたが


「加代さんは、腹の中に逸物持てるような人ではないわ。私は、私の本当の姉のように思っているのよ。私がしっかりしていないから、加代さんに迷惑かけて、、、」


「お互いかばい合っているけど、あんた達レズじゃないの」


加代は、カアーッと頭にきました。


その気持ちをじいっと、又、おさえました。


そして、静かに言いました。


「お友達が愛し合い、誠の愛で結ばれる。そんな事が、貴女には解らないのよ」


「解らないわ。お友達なんてね、裏切られるのが落ちよ。私は、私の親友に、私の最愛の彼を紹介したのよ。そしたら、その親友は、私の最愛の彼を取ったわ。私から奪って、平気で二人で暮らしているわ。親友なんて、綺麗事言うけど、この地球上にそのような綺麗事はないのよ」


雪子も、加代も、この由美は可哀想な人なんだ、と思いました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ