十八話
もうすぐお正月です。
叔父も叔母も餅つきで、ばたばたしていました。
その時に限って、止吉を秋子におぶらせ、悟と雪子に畑に行けといいます。
「雪子、僕たちはいつも、牛か馬みたいに働かされているから、今日は、少しばかりずる休みしようか」
「駄目よ、だって、あんたたち畑て何していたのよ、遊んでいたでしょうってどなられるのがおちよ」
「そうだね」
「お兄ちゃん、お兄ちゃんは馬よ。私は牛よ」
「どうして?」
「お兄ちゃんは馬みたいに走り回って働くでしょう。私は牛みたいにのっそのっそだから」
「あっはっは、、、雪子は面白いことを言うね。しかし、それでいいんだよ。雪子が馬みたいに走り回ったら、背中の止ちゃん、背中から飛び出して死んじゃうよ」
「それも、そう、あっはっは、、、」
「お兄ちゃん、雪子ね、お兄ちゃんがいてくれて良かったわ、一人じゃとても生きられないから」
「僕だってそうだよ、雪子がいるから頑張ろうって思うけど、一人だったらどうなっていたか、雪子、久しぶりに一緒に仕事が出来るね」
「うん」
そこへカラスが二羽飛んできました。
そしてカラスさんは
「それがいいよ、それがいいよ」
と、鳴きます。
「お兄ちゃん、ひょっとして、あのカラスさん、お父さんとお母さんじゃないかしら、人間はもとより、動物が死ねば、魂はなんらかの肉体に宿り、生まれ変わると言うから」
「うん、そういうけど、どうして両親だと思うの?」
「臭いよ」
「臭い?」
「そうよ、私たち家族の臭いよ。学校から、ただいまって帰った時の部屋の臭いよ」
「雪子が言う通りかもしれない。ほら、カラスさんが僕たちを見ているよう。こんにちは、とでも言うように、頭を下げたよ。不思議だね。お父さんお母さんに会っているような気持ちさえするよ」
カラスは二人の頭上を円を描いて、飛び回ります。
「なんだか、家族みんなでピクニックに来たみたい」
「うん、そうだね。天気も最高にいいし、素晴らしい一日だったね」
今日の一日にも終わりがやってきました。
太陽は西の空を真っ赤に燃やしながら、今日の終わりを告げていました。
太陽は二人にお疲れさん、と言っているように、眩しく輝いていました。




