十一話
一、戦います激しくて
弾に当たって死んだ父と母
今はいずこにいらすのか
まぶたに浮かぶ父母の姿
涙と涙が重なって
ほほを冷たく凍らせる
二、幼き人の生きる道
いばらの中にうずもれて
助ける人もいばらの中
助けられない戦火の中
幼き二人は身をよせて
助け合って生きてゆく
三、片足落ちた腕落ちた
傷つくだけの戦火ゆえ
争う心もまた増し
平和の灯いつともる
平和よ早くやってこい
素敵な春よやってこい
太陽は西に傾いて、今日の終わりをつげていました。
もう直ぐ暗い夜になります。
叔父さんは、しばらく考えていました。
「ここにいたって、食べるものもないだろうから、ひとまず叔父さんの家へこないか?』
叔父さんの言葉は、この苦境の中での一点の光でした。
悟は救われる思いでした。
「叔父さん、有難うございます。お世話になります」
叔父さんは、雪子の手を引いて、我が家へと急ぎました。
雪子は、久しぶりに暖かいものを感じました。
かつて、お父さんの大きな手に、自分の小さな手を委ね、楽しく散歩した時、蛍取りに行った時、街へ買い物に行った時のことを思い出していました。
ひょいと、上を見ると、父ではなく叔父さんの顔が見えます。
お父さんは死んだのだ、と、いや、おうなく現実の厳しさを、思い知らされる雪子でした。




