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十話
二人は、また、うとうとと眠りました。
眠っていても、胸の痛みは消えません。
胸の苦しみ、虚しさは、胸をかきむしられるように襲います。
目には涙さえ溜まっています。
外は良いお天気でした。
青空には太陽が輝いていました。
七月の初旬というのに、春のような優しさで柔らかく慰めるように微笑んでいました。
そのような空の下で、悟と雪子は手をつなぎうとうととしていました。
誰か小屋の戸を叩く人がいます。
その音で二人とも目を覚まし、悟が戸を開けると、そこに男の人が立っていました。
「あっ、叔父さん(父の弟)」
「悟か、大変だったな、お父さんお母さんは?」
悟は歯を食いしばりながら
「死にました」
「えーっ、二人共にか?」
「はい」
叔父は突然の兄夫婦の死に驚愕して、目を大きく見開き、顔を引きつらせながら
「こちらが大変だと聞いたので、どうしているかな、と思ってきたんだが、二人共に亡くなったとはな、たった、二人の兄弟だったのにな」




