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きっとあの人のことが嫌いな人なんて、いないんだろうなぁ。
そう思いながら、あたしは自分の席に座った。
そして美歌は、あたしの後ろの席に座る。
だからいつもあたしは、体を横にして美歌と喋っている。
「今日も人気ですねー」
あたしは緒川くん達の方を見ながら呟いた。
「あれ?麗紀が男子に興味を持った!」
美歌が、驚いたように言う。
「いや、興味なんて無いけど……」
「またまたー。まぁ、カッコいいよねー。和也くん。」
あたしは、美歌の「カッコいい」という言葉を聞いて、緒川くんの顔を見た
……うん。かっこいいな。
髪は茶髪で癖っ毛。笑うと、大きな目が三日月の形になる。
無邪気な笑うその笑顔が、人を惹きつけるんだ。
「やっぱ、オーラが違うよね!なんかさ~オレンジ色って感じじゃない?太陽の色!」
……え?
オーラの色が太陽の色?
美歌って意外にロマンチストなんだよね。
あたしは、オーラがオレンジ色の意味が、よく分かんなくて、緒川くんをガン見した。
……オーラ。
「ギャハハハ!!やっぱ、それはキノコだろ!!」
「いやいや!待て和也。それは、ほうれん草だろ!!」
なんか変な話してるなぁ。