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高校2年の10月。
友達もたくさん居て、心友も居て。
部活も楽しくやっていて。
毎日が楽しかった。
笑わない日なんて、なかった。
なのに……
なんで、あたしの命はあと、半年なの?
学校の門をくぐった時、後ろから走ってくる足音が聞こえた。
「麗ー紀!!」
ポンっと、軽く背中を叩かれる。
「おはよう美歌。今日も元気ですね~」
「あったりまえじゃん!!」
そう言いながら、あたしにピースを向けてきた美歌。
美歌こと、中谷美歌。この子とは幼なじみ。
「あ、麗紀!音楽室行こうよ!」
「いいねー!朝練だーー。」
「おー!!」と声を揃えて、あたし達は、走って音楽室へ向かった。