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コブシの魔術師  作者: お目汚し
9/65

大魔術師 マーリンの学校 魔法抵抗力0についての考察

話しがどんどん膨らみます。小さな街の話で終わらせるはずだったのに・・・

文章力の無さと、設定のずさんさに打ちひしがれる今日このごろです。

することがなくて暇な時に、お読みください。

大魔術師マーリン


ハンスと一時パーティーを組んでいたこともあると説明を受けたが、時折ハンスが話していた凄い魔術師とは、彼女のことらしい。

なんでも、ハーフエルフの彼女は、エルフの血が濃く出ていて、人類史上最大と目されるMPの保有量を持ち、

今現在、使える魔法スキルも最大数の最高の魔法使いらしい。


琴ちゃんに言わせれば、スキルを起動させれば、圧倒的にオレのほうが上位の魔法を使えるらしいが、制御ができないため、使う気にならない。どこかで魔法の理論とかをきちんと理解しないと、一生使えない気がする。


マーリンは、何でも200年前の大魔導師討伐の勇者パーティの一員らしい。図書館の本で読んだ英雄譚の勇者の一人と実際に会えるとなると、ちょっと興奮する。

問題は、「覇王」の称号のことである。今朝ほど、いきなり彼女の称号リストから消えたはずで、気がついてなければいいのだが、気がついていればどうなるのか・・・


朝方に山小屋を出て、昼前には街に入ったので、小腹が空いているが、ハンスはそのままマーリンの家で食事するつもりらしい。

ちょっと多いんじゃないかと思うくらいの土産のお菓子を買っている。お菓子好きなのかな??


大農夫のところでもらった食料と相まって、小山のように成った食材とお菓子の包みを、ハンスはひとまとめにして、肩に担ぐと重さも感じさせない動きで運んでいる。

お父さん力持ちだねと言ったら。


「農夫舐めんな!俺たちは大地を相手にしてるんだ」


と笑いながら言われた。いくら農夫でも、その力は特別な気がする。


街の中心地から東の方に折れた小道の先に、マーリンの家があるという。

城壁をくぐってから、買い物したこともあり、一時間くらいかかって、マーリンの家のそばまで来た。


「ここが、彼女の家だ!!」


そう言ってハンスが指し示した方向には、貴族の屋敷と言われれば信じてしまいそうな、大きな屋敷が建っていた。

だが、屋敷と言うのも少し違うのか?言うなれば、学校という方がしっくり来る。


屋敷の門は閉まっているが、ハンスは器用に片手で門を引き開ける。

少し錆び付いていそうな音を立てながら、それでも見た目は軽い感じで門が開いた。


「よし、行くぞ。何、緊張してんだ。大丈夫、いい奴らばっかりだから」


ハンスは、大きな屋敷に気圧されているオレに気がついていたみたいで、微笑みながら背中を押した。


たたらを踏んで、それでも転ばず前に歩き始めた時、違和感に気づく・・・


いい奴”ら”?


「あーハンスさんだー!!」


「先生こんにちは!!」


「転校生??」


玄関前の庭の掃除や手入れをしていたと思わしき、オレとそう変わらないであろう年齢の子供たちが数人、

ハンスに気がつくと、道具を放り出して駆け寄ってきた。7人居た。


「お。みんな元気にしてたかー?」


ハンスは当たり前のように相手をしている。

子供たちは皆嬉しそうに、ハンスに話をしていたが、一段落すると、興味を抑えきれないようで、それでも直接は聞きづらいのか、ハンスに聞いた


「この子は誰?転校生?」


「ああ、こいつはルキノ。俺の息子だ。しばらく泊まってくから、よろしくな」


そう、オレの事を紹介した。すかさず。


「こんにちは、ルキノと申します。11歳になりました。よろしくお願い致します」


と子供たちに向かって挨拶及び最敬礼をする。

子供たちは、驚いた様子だったが、次第に笑顔が広がり、口々に、自分の名前や年齢、好きなものの話などしてくれた。

ごめん、一斉に喋られても分からないや。


ハンスもちょっと驚いた顔をしていたが、笑顔になると、マーリンに会いに行くから、取り次いで欲しい旨と、荷物の中から、お菓子を取り出すと包みのまま、渡した。

子供たちは、我先にと屋敷の中に駆け戻っていき、オレより少し年上に見えるお兄さんとお姉さんが、先に立って屋敷に案内してくれた。


外から見た限りでは、この屋敷は3階建てで、うちの小屋なら敷地だけでいくつ入るのだろう?という位の広さがあると思われる。

玄関から入って、少しのところに応接間があり、そこに通されると、待つように言われた。

ハンスは、荷物を部屋の隅に下ろすと、楯を壁に立てかけると、剣帯から大剣を外し、オレにはソファーに座っているように言った。

応接間の調度品は、すべてが最高級品で、汚れた服で腰かけるのをためらわせるようなモノ、では無く。ごく質素で、機能性を重視した、応接間というよりは、

サラリーマン時代によく付き合いのあった、中小企業の社長さんの社長室のような感じだった。華美な装飾を嫌うのではなく、望んでいない。それでいて、

来客が待っている間に変に気を使う必要が無いよう、良く考えられた調度品が選ばれていると思えた。


コンコン


とドアがノックされ、先程オレたちを案内してくれたお姉さんが、お茶を持って入ってきた。


「マーリン先生も間もなく参ります。もう少々お待ち下さい」


丁寧に挨拶をして、いただきものですがと、一言添えて、先程ハンスが持ってきた焼き菓子を添えてくれた。

お茶を2つ、テーブルの上に置くと、一礼してお姉さんは出て行った。

しっかりしてるな。


「どうだ、ルキノ。お姉さん可愛かっただろ」


ニヤニヤしながら、ハンスが聞いてくる。


「べ、別にそんなつもりはないよ」


オレが感心してみていたのを、羨望と勘違いしているようだ。


「お、どんなつもりだったんだ?」


さらにニヤニヤして聞いてくる。


「しっかり挨拶出来たり、お茶の準備ができて凄いなって思ったんだ。でも、なんでこんなに子供が多いの?」


話を逸らす目的もあったが、率直な疑問をぶつける。


「あれ?話してなかったっけ?」


ハンスはニヤニヤを収めると、小首をかしげて


「父さんが街に出掛けて来て、仕事をたまにしてることは知ってるよな?」


と、聞いてくる。

知っている。農夫の仕事だけでは実入りが少ないことと、街に世話になった人がいて、その手伝いとかで、日帰りの仕事によく出かけて居た。

それが、マーリンの家だったらしい。正確には、マーリンの私塾らしいが。


「で、ここがマーリンの家であり私塾でもあるわけ。まあ、仕事としては、剣術を教えたり、ダンジョンのトラップについてレクチャーしたり、そんな感じだな」


だから、子供たちはハンスのことを先生と言っていたのか。


「森のこともあるんで、父さんはしばらく街から様子を見に行ったり、冒険者ギルドの連中と話をしたりしなくちゃならん。その間、ルキノもここにいることになるが、大丈夫か?」


と心配そうに聞いてくる。


心配されるのも仕方ない。2日前までのオレは、超がつく人見知りで、挨拶なんかはハンスに言われないと、できない子だった。だが、いまはアラフォーなオレも居る。


「みんな優しそうだし、大丈夫だよ」


と、ルキノスマイルで答える。


「正直言って、お前がこんなに成長してるって、父さん気が付かなかったぞ」


といって、あ、涙ぐんでる。


「父さん、泣かなくても・・・」


「こら、こういう時の涙は、見て見ぬふりをするのが、かっこいい大人のマナーだぞ。それに、泣いてなどいない」


と、支離滅裂な言い訳をしている。そんな、ほのぼのした会話をしていると、ノックの音が聞こえた。


「どうぞ」


ハンスが声をかけると、ドアが開いて、黒装束の塊が飛び込んできた。


「ハンスー!!」


「どあ、ちょ、待て、子供、子供が・・・」


「ハンスゥ、なんで最近来てくれないのだ?マーリン、ずっと寂しかったのだ」


なんか、いきなり目の前でイチャコラ始まった。と言うか、黒装束が一方的にハンスに詰め寄っているが・・・


「マーリン、とりあえず近いから、な、1回離れて、な、話ができないから・・・」


そう言うと、引き剥がしにかかる。


ここまでの会話で、賢明でもなんでもないオレでも気がつくが、この黒装束がマーリンだと思う。大魔術師だと思う。200年前の英雄だと思う。たぶんね・・・


結局、ハンスによって引き剥がされて、ジタバタ暴れていたが、息子オレが一緒に来ているという事を理解した瞬間。

人が変わった・・・


「見苦しいところを見せた。私がマーリンだ」


黒装束は、魔術師がよく着ているローブだった。身長はちょっと低めだが、ハンスが170cm位だから、マーリンは150cmあるかどうかくらいか。

子どもとは言わないが、11歳のオレより、少し大きいくらいだ。そして、いま、精一杯の威厳を出しているが・・・


「見苦しいところを見せた、と言ったな。察せよ」


と、結構真剣な目で言われた。こうしてみると、美少女と呼んで差し支えない・・・と言うか、美女の部類に入るだろう。髪の色はダークブラウン、瞳も同じ。ハーフエルフということで、だいぶエルフっぽいと思っていたが、見た目は人間だ。耳も尖っていない。


「この度は、息子殿も一緒ということは、何か緊急事態か?」


マーリンがハンスに聞く。


「ああ、森が少々騒がしい。10年前の事もある。少し警戒したほうがいいかと・・・」


「10年前の!!まて、ということは、この子とも関係が・・・っと、この話はまだまずいか。まずいようなら、眠らせるか、記憶を消すが・・・」


サラッと恐ろしいことを言う。


「まてまて、血がつながってないことはこの子には話した。ダンジョンで助けた事もな。だから、今は大丈夫だ」


ハンスが言った。


「なるほど、そこまで話したから連れてくる気に成ったわけだな。承知した。では、森の探索に、私も力を貸すか?」


「いや、まだ大丈夫だ、だが、実地も兼ねて、年長組を何人か借りたい」


話しが進んでいく。


難しい話は大人たちに任せて、その間に、この国の教育制度について、思い出してみる。


現代日本における、義務教育的なものは、この世界にはなく、教育機関は大きく分けて、3つ。

王立の学校。私塾。親。

以上、3つである。


教育にはお金がかかる・・・という話はどの世界でも言われることだが、この異世界も例外ではなく、

王立の学校でも金はかかる。私塾の場合は、内容によって様々だが、マーリンの私塾は、ちょっと特殊なようだ。当然親から教えてもらえば、お金はかからない。


実は、オレは6歳までは王立学校に通っていた。と言っても、2年ほどだが。

6歳の半ばくらいでステータスウインドウが開けるようになり、可視化して教師に見せた時には、学校中が大騒ぎに成った。スキルの数の多さが一人歩きをした。やがて、MP0が見えるようになり、スキルが一切使えないとわかった時、教師はオレに対する指導を放棄し、オレは退学することに成った。

もともと、何故オレが王立学校に通っていたのか?ただ、通っていたことは覚えているので、間違えでは無いと思う。


そんなことを思い出していると、大人たちの会話も一段落したようだ。


結局話し合いの後、オレは、しばらくマーリンの私塾の世話になることになった。

オレの農夫の話は、既にどこかに行ってしまっている気がするが、マーリンのところにいる内に、いろいろ勉強させてもらうことになった。

ハンスとしては、オレに人間付き合いを学んで欲しいようだが、任せておけ。現代日本人サラリーマンの処世術を馬鹿にしてはいけない・・・


入塾初日、特にすることもなく、ハンスの持ち込んだ食材やお菓子を調理室に運ぶと、食事の準備を手伝い、生活魔術を使えないことを驚かれた。が、それだけ。

二日目、剣術のコースに誘われ、一緒に木剣で練習した。動きが早いと凄く褒められ、剣術スキルの基本技、袈裟懸けに剣を振る「スラッシュ」の練習で、発動できない事を驚かれた。が、それだけ。

この後も、いろいろな場面で、オレがスキルを使えないことに驚かれたが、それまで、当然の様にセットになっていた、蔑むという感情と、いじめに繋がる様子が全く無い。

それどころか、周りの子供たちが、年長者はもちろん、年下の子まで、オレに、コツを教えようとしてくれる。自分はこうしたら上手く出来た、とか、とにかく助けようとしてくれる。

まだ、馴染みきっていないものの、この塾には、いじめという文化が存在していないかのようだった。だが、それは勘違いであるということが後々わかってくる。


入塾後、いろいろレクチャーを受けたが、いかなるスキルも起動はできず、一般的なスキルに依存しないリアルな習熟を必要とする技能については、問題なく獲得していった。

当然、スキルリストには表示されない。毎日、気になる授業を受けて、知識の獲得と生活技術の習熟に明け暮れていたが、2週間ほど経った時、マーリンに呼び出された。


「ここには慣れましたか?」


マーリンは校長先生の威厳を込めて、聞いてきた。決して威圧的ではなく、かと言って軽くもない。最も、最初の邂逅が衝撃的だったため、2週間たった今でも、ちょっと違和感を感じていますが。


「時に、ハンスに会えないのは寂しくありませんか?」


「僕は思ったより平気です。みんなに優しくしてもらえるし、いろいろ勉強できて楽しいです」


オレは素直にそう答えた。


「ならば、良かったです。ところで、何かスキルは起動できましたか?」


それを聞かれると、いろいろ困るのだが・・・そう思って黙っていると。


「気に病むことはありません。MP0の奇病で命を落とす子も居ますが、4歳を超えれば寿命まで生きられるという論文も提出されています」


おお。とりあえず、死ぬ心配は無いということか・・・もっとも、そんな気はしていなかったが。


「問題は、魔法抵抗力が0ということでしたね。私も、抵抗力0という人は、見たことがありません」


あら、大魔術師さまでも、解らないことがあるのね。そう考えると、琴ちゃんに聞けばすぐ教えてくれると思うが、最近は話してないな。

今晩あたり、話してみるか。


「ルキノは無口なのですね」


黙考していたために、無口と思われたらしい。


「いえ。いろいろ考えてしまって。抵抗力が低ければ、治癒術の系統は効きやすいはずだと、父が試してくれましたが、まったく効果もなく」


「なるほど、それは興味深い話ですね。ちょっと試してみましょう」


そう言うと、オレをそばに呼び寄せる。


「無茶をする気はありませんので、気楽にしていてください。手を出してください」


そう言うと、オレの片手を自分の片手にのせ、ブツブツと呪文をとなえる。


「ファイヤ・ボール」


その瞬間に、極小のタバコの火種くらいの炎の塊がオレの掌にぶつかって弾けた。


「・・・これは!!」


マーリンは驚くと、オレを逃がさないように握った手に力を込め、


「もう一度、よろしいですか?」


と、有無を言わせぬ形相でオレを見る。

気圧されて、頷くしか無いオレを、確認したのかしてないのか、すぐに集中し始めると。先程よりだいぶ長い時間をかけて魔法を発動させる。


「ファイヤ・ボール」


先程と同じくらいの大きさの、色だけは火というよりも光に近い純白の塊がオレの掌に当たると、やはり弾けた。

弾けた火種が、床に落ちた瞬間に


ゴゥ!!


と火柱が上がる。


「キャー、スプラッシュ・バースト!!」


2メートルほど上がった火柱に、広域に広がる水しぶきが激しくたたきつけられ、消火する。


オレは、目が点になりながらその様子を見ていた。


「これはとんでもないことだわ・・・」


マーリンはそう言いながら、日が消えて、消し炭になってしまった床板を、魔術で補修していく。


魔法って便利だな・・・と思いながら、今の火力が洒落になっていないことに、気が付かないようにしていたが、ダメだった。


「先生、今の魔法は??」


「え、ああ、リバースの魔法よ。短時間だけど、時間を戻すの」


「そちらでは無く・・・」


「スプラッシュ・バーストは」


「それでも無く、ファイヤ・ボールのことです」


「・・・・・」


かなり言いづらそうに、目をそらす。


「明らかに、威力がアレでしたよね」


「あ、アレだったかな?でも、なんとも無かったしね。ね」


「どのくらいMP込めたんですか?」


「あー。ちょっとだけかな。少しだけ多くしてみたんだけど、無事だったしね・・・」


「分かりました。父さんにこの事を話して、どのくらいの威力だったのか確かめてみたいと思います」


「まってー!!!」


マーリンは父さんに言いつけると言うと、見るも無残に狼狽し、校長の威厳もなくすがりついてきた。


「言いつけないで、ハンス、怒ると怖いの。いつも、周りのことを考えろ!!って、怒鳴るの。たまに焦げてたりするから、余計に怖いの!!」


器用に声真似をしながら、ちょっとおかしな表現も混じっていたが、懇願してくる。


「分かりました。先生が本当のことをきちんと教えてくれたら、黙っています」


そう言うと、怒らないか確認した後、言いつけないか約束させられて、やっと白状した。


「最初は普通のファイヤ・ボールを少しのMPで小さくして出したの、もし、抵抗値が0でも、HPが1減るくらい。軽いやけど位はするかもしれないけど、リバースが効くと思って」


治癒術は治癒力依存だが、リバースは空間を支配するので、戻るはずだったということだ。それでも痛いじゃないか。問題は・・・


「でね、やけども無く、無傷だったから、もしかして、魔法が弱かったかと思って・・・MP10000ほど込めてみました」


パカン!!


「痛ッ、怒らないって約束したじゃん!!」


「いまのはツッコミだと思ってください。え、僕の手にMP10000のファイヤ・ボールって、どういうことですか?ファイヤ・ボールって、基本攻撃力5ですよね?ということは、攻撃力50000てことですか??」


「アレンジしたからそんなに威力は無いよ、接触点を極小に設定したから、せいぜい4万位かな?」


「それ、もし普通に当たると、どんな感じで???」


「あ、考えてなかったけど、肘くらいまで炭になるかも はーと」


パカン!!!


「痛った!!、もう、パカパカ殴らないでよ!!」


「マーリンが悪いと思います。そんなことだから、床に穴が空いたんですよ!!」


「ゴメンナサイって、でも、貴重な経験ができたわ。あなたのステータス、見せてもらうわね」


そう言うと、いきなり眼の色を虹色に変えて、オレの方をぼんやりと見つめる。


「ほぅ、ごまかすんですか?そんなことだと、やっぱり父さんに・・・」


言いつけますよ、と言おうとした所で


「本当に抵抗力0なのね・・・」


「・・え?」


オレはステータスウインドウは開いていない。だが、マーリンには見えているのか?


「ねえ、スキル一式ってなに?こんなの見たこと無いんだけど」


見えているみたいだ。


「凄く簡単なステータスね。これじゃ、隠しステータスの検証もできないわ。称号も、ある意味レアな称号持ってるわね」


そう言うと、目の色が元に戻り、オレの顔を見る。


「なるほどね。とりあえず、今回の検証の結果、分ったことは。あなたに、魔法は効かないということね」


と、ファイヤ・ボールの話は終わったとばかりに結論を告げてくる。


「ということは?」


「ためしていないけれど、あなた自身に干渉する事象変更には、あなたは全く影響を受けない。おそらくそういうことね。だから、治癒術も効かない」


「魔法が効かない?」


「勘違いしないで、全く効かないというわけではなくて、あなた自身を変容させるような魔法は効果がないということよ、おそらく、空間魔法や、創造系は例外よ」


と、一人で納得してしまった。取り残される。


「もう少し検証しないとはっきり言えないけど、今のところ、あなたは特異体質ということで、納得してもらうしか無いわね」


と、締めくくる。


「ありがとう、さて、私の塾にも慣れてくれたみたいで嬉しいわ。あらためて、ようこそ。いろいろ共に学びましょう」


無理やり、威厳のある校長の顔に戻ると、歓迎の言葉を唐突に述べ、追い出すように退室を急かしてきた。

最後に、ハンスには黙っているように念をおされ、校長室を追い出されたのである。



ご指摘いただければ、直せるところは直してみたいです。

早く書け!!と言うのは、嬉しい言葉ですが、筆が遅いので、スミマセン。

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