夢幻の世界
閑話です
ゆらゆらと漂う感覚
いや、私はただ存在しているだけに過ぎない
真摯な問いかけにのみ、答えに見える「理」を与える。
私が何代目の存在なのか・・・
太古より私と同じモノが存在していたことは、知識として有る。
だが、それらの存在が何をして、どうして代替わりをしたのか、
私は知らないし、知りたいと思わない。
私は、真摯な問いかけに対して、「理」を返すだけ。
一番最近の問いかけは、
大切な人に、何をしてあげれば良いのか・・・
真剣に、真摯に、考え問いかけてきたものに、「理」を与えた。
彼の者がどうなったか?
そんなことは知らない。
知りたくもない。
幸せになったのか、そうでなかったのか。
そんなことに興味はない。
そう、200年以上前に、世界を救いたいと真摯に願い
それに対して出した私の「理」に、
身を滅ぼしたあの方が消えてしまってから。
私はこの世界に感心は無い。
優しくもないこの世界。
滅ぶべくして滅びに向かっていたこの世界
魔素の異常変動により、通常生物よりも魔物が多く生み出され始めたこの世界、
その原因は、自分勝手な人間たちが招いたモノ
放っておけば、世界は崩壊し、迅速な滅びが世界を浄化したのに
彼は、真剣に、真摯に、救いたいと望み、私とつながり、
自らを滅してしまった。
この世界に未練は無い。
そう思っているのに、私の存在は自動的に、受動的に漂い続ける
どのくらいこうしていたのか。
長いようでもあり、一瞬でも有る時間が過ぎた時。
・・・・・・「理を知る者」を獲得しま・・・・
初めて経験するスキル化の呪縛を身に受ける。
その先には、初めて相まみえる、どこか懐かしい
私の中に、初めて使用者の名前が刻まれた。
これで、私も滅びに向かうことが出来る・・・