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コブシの魔術師  作者: お目汚し
5/65

不思議物質 魔素?とスキル

ユニークユーザーさんが100を超えました!!パチパチ。

良く、まえがきにそんな言葉を見かけましたが、なるほど、嬉しいですね。

評価いただいた方もありがとうございました。

変な表現や、誤字なども有れば、私がへこたれない程度で、ご指摘ください。


「理を知る者」さんの話によると、スキルは取得しただけでは起動はされず、一度はMPを消費しての起動が必要らしい。

現代日本に生きてきたオレにとって、このMPというものが謎物質だったりする。魂とかそういったものだとすれば、霊感が0だったオレは、MPも0であろう。

そういったところは、「理を知る者」さんに説明していただけるのだろうか?


”説明は可能です。極力マスターの現在の知識の中で理解が出来るように、説明いたしますが、難解な部分は「森羅万象」のデータを転写します”


そう、言われた。さすが、「理を知る者」さん!しかし、この呼び方非常にまどろっこしい。時折、「理を汁物」になっていたりするのも問題だ・・・

以前、読んだライトノベルでも、同じような能力のスキルが有って、名前をつけたら進化したりしていたな・・・

よし、聞いてみよう。


「あの、説明もお願いしたいんですが、「理を知る者」さんに、お名前をつけても良いのでしょうか?」


進化の期待なんかも若干しながら、恐る恐る聞いてみる。


”マスターに名づけていただけるとは、大変恐縮です。が、個体の分類区別のための名付けに、進化は期待できませんが、よろしいですか?”


え、見透かされた?!


「いや、今のままで随分助かってるから、進化はしなくても良いんだけど、呼びかけるときに、そのほうが良いかな?と思って」


言い訳じみた感じになってしまった。



”冗談です。マスターの思考の中に、若干大きめの期待が見受けられましたので、期待値を下げるために発言しました”


おお、ある意味凄く優秀だ。やはり、機械的な反応というよりも、何らかの意思を感じる気がする。


「そうすれば、安易で申し訳ないんだが、君のことは、琴ちゃんて呼んでいいかな?」


”・・・”


・・・何故無言?・・・機嫌が悪くなったのか?ちょっと焦る。「理を知る者」とまで言われる、エリートスキルにちゃん付けはまずかったか?

だって、気さくに話してくれるし、声が、その、結構萌系な声なんだもの。有能秘書っぽい萌系妹な感じ?!


「あ、その、意味はね。オレの住んでた世界で、琴っていう楽器が有ってね、琴線に触れるとか、打てば響くみたいなそんな感じ。可愛い声だからつい・・・」


”認識しました。私の名前は「琴」、ちゃんは敬称及び愛称と理解します”


あ、OKだったみたい。それに気のせいか若干戸惑い?というか照れ?がある気がする。


”一人称は私のままでよろしいですか?”


「・・・はい、それでお願いします」


一瞬の間・・・

これ以上、レアなスキルさんに無茶なお願いは禁物だろう。そう大人なオレ、若干11歳は答えた。


”承りました。マスター先ほどの質問ですが、MPと魔力についてのレクチャーを開始しますか?”


そう聞かれ、思考が嗜好とともに脱線しかかっていたオレは、現実に戻った。


「ああ、お願いしたいです・・・ん!!」


その瞬間、閃いた!!

琴ちゃんに頼めば、「森羅万象」に蓄積されている膨大な知識って、一瞬で転写出来るんじゃないの?


”可能ですが、100%以上の確率で、マスターの人格は破壊され、思考はできなくなりますが、よろしいですか?”


「よろしくないわ!!どういうことだそれ。」


”マスターのメモリーである、記憶野の要領が、「神羅万象」の蓄積するデータ容量に大幅に足りません”


ということ。じゃあ、データは有っても使いこなせないってことか??


”わかりました、先にマスターと「森羅万象」、そして私の関係を簡単にご説明いたします”


順序立てて説明できる、萌系妹秘書。有能!!

よろしく頼みます。


”マスターの理解に合わせると、パソコンの理屈がわかりやすいかと思います。マスターがCPU及び操作者・「森羅万象」がハードディスク・私がメモリーです”


一瞬にして、わかりやすい説明きた~。

なるほど、そうすると、やはり必要な情報のみ、琴ちゃんに抽出してもらって、都度、理解していくほうが良さそうだね。


自分の記憶媒体がそれほど大きくない・・・という指摘に、お前はアホだ!と若干感じてしまったが、それは気のせいであろう。


”人間の記憶容量は膨大です。ですが、「森羅万象」はこれまで生きてきたこの世界及び、平行世界での万物の記憶、知識を蓄積しており、個人の記憶容量ではとても賄えません”


琴ちゃんの冷静なフォローが入る。やはり、優秀だ。


”マスターが現在獲得しているスキルをすべて使うには、マスターの記憶分野のみで十分です。統合が行われれば、さらに効率的な運用も可能です”


むむ?琴ちゃんは、普通にオレがスキルを使えることを前提にしているようだが、やはり、そこがわからない。その説明を先に受けることが、先なのだろう・・・


「話の腰を折ってすまなかった。では、MPと魔力の関係を教えてくれ」


”承りました。説明に必要であると思われる概念で、マスターが既知で無い事象について、検証・転写します・・・終了しました。説明を開始します”


なんら自分に変化は感じられないが・・・なにかダウンロード的な事が有ったのだろうか?


”マスターの前世において、万物の最小単位は電子であると仮定します。この世界における魔力は、魔素とも呼ばれ、マスターの世界観での電子にちかい性質だと考えてください”


ん?なんだか、映像的な物が脳裏に浮かんでくる。分子から原子に移り変わり、そのまま電子の形で画像がとまる。


”この世界において、物質の最小単位はこの魔素です。そして、万物はこの魔素の集合体として存在しています”


なるほど、魔素は不思議物質というわけではないということね。


”物事は、すべてこの魔素が作用して「理」を生み出します。少しの火に水をかけると火が消える。逆に多くの火に少しの水をかけると、蒸発する。という具合です”


おお。その説明はわかりやすい。けど、それも魔素のせいなの?


”この世界における全ては、この魔素の理論で説明ができますが、感情及び衝動と言った精神に影響する事象は、より複雑な理解が必要になります。”


??どういうことだ?人間の感情も魔素が関係するのか?


”すべての出来事に因果があります。今日、ここでマスターが私と話をしているという現状も、既に決まっていたことです”


え?だって、今日初めて琴ちゃんと知り合った・・・というか獲得したのに、決まっていたことなの?


”現状から引き算的に説明をすると、因果の証明は比較的簡易にできます。

マスターは、11歳に成った今日、前世の記憶と思われる記憶を認識し、それにともなって、今まで見ることもしなかったステータスウインドウのスキル欄に興味を持ち、そこに隠されたスキルにも気が付きました。これは、前世の記憶を認識したことに端を発します”


確かに、昨日までのオレ(ルキノ)は、MP0という現実の前に、ステータスウインドウからは目を背けていたな。


”つまり、何らかの条件が開放され、マスターは今朝、前世の記憶に目覚めました。このことにより、私達が出会うことは必然と成ったのです”


ということは、この先、何をしても同じ未来が待っているということ?運命論的な?


”結果を見るとそのように仮定できますが、実際には不確定要素が伴う事象には、パラドックス的に並行世界が存在し、そのどれを選択するかによって、未来は変わることもあります”


未来は変わるってこと?


”全ては、「選択」です。マスターは、秘匿スキル「パンチ」をマスターレベルにすると言う「選択」をしました。一度は、その「選択」を破棄したにも関わらず、2度めに「選択」しました。その後、「森羅万象」と「私」を取得することも「選択」しました。ここで、分岐が今回の出会いの運命路線に確定しました”


未来は世界単位で確定していて、その世界を人が選ぶということ?凄く難しいことな気がするが、なんとなく理解している自分に驚く。


”マスターのMPが0であるということは確定ですが、それとスキルを使うマスターが居る未来は、連結していますが、まだ、確定はしていません”


つまり、選択次第でスキルは使える!!ってことね。


”事実、マスターは既に「パンチ」スキルを使用しています”


ああ、ゴブリンの時ね。どうやったかわからないけど、確かにスキルを使ってなければ説明はつかないな。


”魔力の説明に戻ります。魔力とは魔素に働きかける力のことで、多くの魔素を動かしたり、少しの魔素でも大規模に変容・変更するには、多くの魔力が必要です”


なるほど、魔力は魔素を使役する力のことと。あれ?でも魔力なんてパラメーター有ったっけ?


”現在のシステムに規定されていない隠しパラメーターが存在します。魔力はその一つです。この世界に生きる種族に置いて、魔力はあまり意味を持たないパラメーターとされ、MPによって魔法力の判定をされています。が、これは本質的には間違っています”


と、言いますと?


”MPの説明を先に致します。MPとは、人間その他万物が、その内に蓄え、使役できる魔素の量です。通常自分の支配下に置いた魔素に魔力で干渉し、スキルを発動します。外部の魔素に干渉するよりも、自らの内に蓄えた魔素のほうが使役しやすく、大きな魔法スキルなどを行使する場合、内部に蓄えた魔素、つまりMPを触媒として、自然界における中立的な魔素に対して事象改変をお越し、MP以上の魔素を使役することで、効果を発揮します”


ということである。つまり、MPとは、体内に蓄積している魔素の量で、それを使うほうが魔法やスキルが簡単に使える、ということですね。ということは?


”マスターがスキル:パンチを仕様した時には、自然界に存在する、中立的な魔素を直接使役し、スキルを起動しました”


おお、答えが出た!!やはり、パンチスキルは起動していたのだ!!


”マスターが前世の記憶を認識された時、何らかの魔素のゆらぎが発生し、そのため、魔力認識スキルが起動しました。そのため、魔力の流れを認識することが可能となり、干渉・使役が可能になりました”


ということは、魔力認識スキルは、やはり、謎な理由で起動したってことか・・・。いずれにしても、そのおかげでスキルが使える様になったのだから、良いとして、琴ちゃんでも解らないことがあるんだね。


”・・・はい。複数の思惑が干渉したり、不変であるはずの物の変化などが理由の場合は、理の外にある原理です。これらについては、マスターの考察のほうが的確な場合もあります”


へぇ。万能というわけでは無いのか。逆に安心したりするのは、ダメなのかもしれないが、可愛いから許す(声が)

というわけで、まずすることは、何になるのかな?


”何を実行したいのか?によって行動の選択が必要ですが、マスターの現在の欲求候補として、1.スキルの起動と行使を会得する 2.睡眠する の2点が考えられ、1の場合、現在獲得済みの「パンチ」スキル 半覚醒状態の「魔力認識」 その他のスキル が考えられます”


まず、睡眠はまだ取りたくないということで却下。ちなみに、ここまでが夢オチというのも却下。となると、パンチか魔力認識がそれ意外・・・地味なのが魔力認識だけど・・・


”まず、魔力認識を覚醒起動させることをオススメします”


あ、やっぱりね。地味に見えることが一番大切だと身にしみて感じるよ。で、どうすれば良いのかな?


”現在、スキル「魔力認識」は起動していますが、半覚醒状態です。原因は、基本スキル「魔素認識」が獲得されていないためです”


え?そういえば、魔力と魔素は違うんだよな。そうすると、オレが見たのは、魔素ではなくて、魔力だったってことか。


”マスターが認識したのは、魔法が起動するときの魔力の流れと、近くに居た人間やゴブリンなどの感情によって、中立魔素が受けた微量の魔素への力を魔力として感知したと推測します”


つまり、魔素はまだ見えていない・・・。まさか、また振り出しか?MPを使ってとか・・・


”現在マスターは、「見る」という認識で魔力を理解しています。マスターには中立魔素を使役する能力があると仮定されるため、周りにある魔素がマスターの体内に取り込まれ、眼球の裏側のスイッチを入れるイメージで、「魔素認識」が起動すると推測されます”


おお、レクチャーありがとうございます。イメージか。どうすれば良いのか今ひとつわかんないんだけど・・・


”マスターは魔力の流れを認識した経験があります。その流れの先には必ず魔素が存在していました。マスターの見た世界をそのままイメージして思い出してください”


おもいだす?


オレは、あの時ゴブリンに襲われ、みんなが恐怖に襲われていた時の状況を思い出していた。魔素はオレの腰の辺りを漂っていたはずだ、そこに手を突っ込んで、その流れがまとわりつくように、腕の周りを旋回していた。

その先をさらにイメージして、流れをとめないように・・・で、このイメージから、どうやって体内に魔力の流れを取り込むんだ??

疑問を浮かべた途端に、ふと、イメージは途切れてしまった。その途端、腕を中心に体にまとわりついていた渦のような感覚も無くなる。


あれ?ダメか。あの時も、ものすごい高まりを感じたのに、すぐ魔力が見えなくなったよな。

と同時に違和感を感じる。まとわりつくような?渦のような感覚??これも、魔力認識か?


なにかを掴んだ感覚。慌ててもう一度深呼吸して、イメージをふくらませる。

今度はシャツを脱ぎ捨て上半身ハダカになると、目を閉じる。腕の周りにまとわりつくような流れをイメージ・・・感じる。それが旋回しながら、体にもまとわりつく。まとわりつくと行っても、気持ちの悪いものではなく、むしろ心地よい。

ちょうど真夏に木陰の下で涼風を感じた時のような、清涼な流れが身を包む。その流れの中に、ほのかにぬくもりを感じさせる砂粒のような物を感じるようになった。この砂粒のようなものも、チクチクしたり、ザラザラする感じは無く、さらさらと、体の表面を撫ぜるように転がるように流れている。

気持ちの良い感覚に身を浸していると、急に睡魔が襲ってきた。


えー、こんな状況で眠くなるの・・・でも、ものすごく心地よい・・・でも、この砂粒?さらさらしたのなんだろう・・・


”スキル「魔素認識」を獲得、起動しました。提案した方法での起動ではなかったため、少々不本意ですが問題なく起動しています”


ちょっと不機嫌そうな琴ちゃんの声を聞きながら、

おお、この粒子が魔素か・・・と思いながら、抗えない睡魔に、ベッドに倒れ込むようにして意識を手放した・・・



今回で、スキル起動して、いろいろ実験したかったんですが・・・

琴ちゃんとの出会いに乾杯!!ということでお許しを・・・

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