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コブシの魔術師  作者: お目汚し
2/65

転生先はやっぱり異世界

チート能力の開放をどのくらいでしていくか悩み中です。

そんなに、長期連載はできないと思うので、何とか、エターなることだけは回避したいです。


ぱちっと目が覚めた。


僕はルキノ。今日から11歳・男・職は農夫の子、今日は僕の誕生日で大人の男として父さんから、自分専用の畑を一つもらえるんだ!!

って、おい!!


やっぱりさっきのは夢なのか??神様ってどうなった?チートなスキルは??


何故か見慣れた木造の家?小屋?の中で爽快に目覚めた自分に突っ込みまくる。


おかしい、日本に転生じゃないのか?しかも11歳って何だ??

地球のどこかなのか?


混乱の極みにおかれているなか、初めて聞くはずの聞き慣れた声がする


「おお。目が覚めたか!今日はお前の誕生日だから、一日休みだぞ」


にこやかに優しい顔で告げてくる、微妙にイケメンな男が目の前に現れた。


「父さん、おはよう」


そう、この男は、オレの父親。名前はハンス・28歳


爽やかなイケメン面と、くせっ毛な金髪、緑の目の優男だ。


そのくせ、筋肉は無駄なくついていて、細マッチョというものはこういうものだと言う体つきである。


「まあ、起きちまったんなら、顔洗って来い。そしたら朝飯にしよう」


そう言って、小屋の隅にある調理場に向かった。


オレは、この父親と、この町外れで農夫をしている。


表の井戸に水を汲みに行く。水を汲み上げて、桶に満たすと、自分の顔が写った。


おお、結構美少年・・・でも、髪の毛も目も黒い・・・そうだ、オレと父さんは血が繋がっていない・・・


父さんは、もともと冒険者だった。冒険者として最後のダンジョンの攻略の時に、オレを拾って、そのまま育ててくれた。


正確には、赤ん坊だったオレを助けるために、致命的な怪我をして、一命は取り留めたが、剣が握れなく成ったらしい。


自分で確認しながら、汲み上げた冷たい水で、顔を洗う。


「おーい、飯ができたぞー」


ハンスの声がする。


「今行くよ」


オレが応えて小屋に戻る。


「たくさん食べて、大きくなれよ」


ハンスはそう言って、オレの皿に大盛りのサラダを盛り付ける。


「また、サラダなの?たまにはお肉が食べたいよ」


オレがそう言うと、ハンスはいつもどおりの困った顔でオレに言った。


「ルキノ、野菜にもたくさん栄養があるんだ。見ろ、父さんの筋肉を」


そう言うと、力こぶを見せてくれる。


「でも、お肉も食べたほうがバランスがいいんだよ」


オレの一言にびっくりした顔をした後に、一気に破顔する


「お前も一端の事を言うように成ったな!よし、今日は一日遊んできていいからな!」


そう言うと、ガツガツとサラダを食べてしまった。



記憶が混乱している。


ハンスの教育のおかげか、オレは字も読めるが、どう見ても日本語ではない。

それどころか、オレの記憶にある、アルファベットなんかにも似ていない。

どちらかと言えば、象形文字みたいな文字だ。


サラリーマンだった頃の記憶も、絶妙に薄い。

神様の話だと、スキルと経験値とあと何か?が引き継がれていたはずだが、

よくわからない。しかも、なぜ11歳からスタートなのか?

あと、これは確実に言えることだが、ここは日本ではない!!

何とかの檻の中に200年以上も居たらしいので、何か変わっているのかも知れないが、

オレの中にある、10歳までのルキノの記憶がそれを否定している。


まず、この世界には魔法がある。普通にある。

その時点で、如何に地球が200年たっても、魔法はないと思うので、ここは

地球ですら無いと思う。

そして、魔物がいる。亜人もいる。いわゆるエルフやドワーフ、獣人といった種族も、

魔人や人間、ホビットなどが併存している。

ちなみに、魔人は別に悪人ではない。そういう種族というだけで、悪ではない。

精霊として、悪魔も居るが、これも悪ではない。


今までは、その認識に何ら疑問を持っていなかったが、今は、なんだか微妙だ。

10歳までのルキノの記憶と、アラフォーなオレの記憶が混ざって居るためか、

ものすごく不思議な感覚である。


オレは11歳に成ったらハンスから畑を一つもらって、そこから自分で開墾して

畑を広げていく!という夢を持っていた。ただ、自分の事だからわかるが、本当は

冒険者にも憧れていた。自分を育ててくれたハンスの、本当の職業。オレを助けるために

捨てなければいけなかった職業。それに憧れを持っていた。


幼いころは、ハンスのダンジョン攻略の話を聞くのが好きだった。ハンスが好きだった女の人の話も

照れながら話してくれた。オレが冒険者になりたい!と言った時も、ハンスは喜んでくれた。

厳しい職だし、簡単なものではないが、冒険は良いものだ!と応援もしてくれた。

だが、ダメだった・・・


種族によって、多少の年齢差はあるが、5歳から8歳くらいまでの間に、この世界の人間は

自分のステータスウィンドが開けるようになる。最初は、名前と年齢、職業などが見える。

そのうち、自分の体力や魔法力、そういったものが見えるようになる。

そういった数値を管理しながら、冒険をするらしい。そして、これが一番大事なのだが、

ステータスウインドの中に、スキルが現れてくる。大体2つから3つ、多い人で10個位、

実際10個も合ったら天才と言われる、それに合わせて、職業や適性をみるのだが・・・

オレのステータスには致命的な欠陥が有った。


あの夢と、アラフォーのオレの記憶が合わさった結果、なんとなく意味はわかるのだが、オレのスキルは意味不明なものだった。剣術Lv1から始まって、交渉術や会計術に至るまで、よく意味の分からないスキルまで含めると、数百に及ぶスキルを持って居た。

スキルの中には、常時働くものもあり、そういったものはたいへん役に立つのだが、魔法はもちろん、剣術や剣技に至るまで、発動系のスキルはすべて、魔力、前世的な言い方をするとMPが必要なのだ・・・が・・・

オレのMPは0なのだ・・・永遠の0


いま、農夫の子として仕事をしているオレのレベルは3。HPは25になっている。同世代の丈夫な子でもHPは30前後だから、それはいいのだが、MP0の奴は居ない。レベルが1でも有ればMPは10はある。


オレは、生活魔術も使えないのだ。


この結果、魔法はもちろん、戦闘技も使えないオレは、冒険者には成れないということになる。



実際、オレとハンスが人里離れた小屋で、農夫をしているのは、理由がある。


今から、200年以上前に、この世界には悪党が居た。

どこかで聞いた話だが、今考えればそいつと間違えて、オレは捕まっていたことになると思う。

で、そいつが黒髪黒目の魔道士で、退治されるときに、MP0の呪いを受けて、魔法が使えなくなり、そのまま討ち取られたらしい。

そう、まさにオレ!!と言うか、状況がそっくりなのである。


この世界で、黒髪黒目は多いのか?と言うと、かなり珍しい。東の方の民族にそういった種族があるらしいが、むしろMPは多いようだ。

普通は髪の色は、青や金や赤や緑だ。

アラフォーのオレの記憶はそこを全否定しているが、この世界では、青髪や緑髪は普通であり、ルキノの記憶では、黒髪黒目で随分とひどい目にあっている。


子供は時に残酷で、大人は同情という免罪符を持って、より残酷に子供を傷つけた。

思い出すだけでも腹が立つが、当時は何もできず、堪えるしか無かった。それは、今もだが・・・


それを見かねたハンスが、農夫をやると言い出し、街から出て今の小屋を建て、畑を開墾した。

昼間は畑で働き、夜は学校に通えなかったオレのために、文字や算術を教えてくれた。

何故、ハンスと自分の髪の色が違うのか?MPが無いのか?と泣きながら聞いた時には、黙って一晩中抱きしめていてくれた。ハンスと血の繋がらない親子だと聞いたのは・・・

そうだ、昨日の晩だ。思い切りためらいながら、それでも真実を伝えようと、血を吐く思いで伝えたのだろう。その時のことを思い出すと、ルキノはそれがどうしたのか?と感じていた。

自分にとっての父親はハンスであり、血のつながりは関係ない。むしろ、髪の色やMPの事で納得したくらいだった。オレの感覚でも、ハンスは親父だ。アラフォーのオレからしたら、年下も年下なのだが、やはり、オレにとっても親父だった。ちょっと不思議な感覚だ。



今日は一日休みだ!と言われたものの、特にすることもなく、ルキノの記憶を辿ってみても、一緒に遊ぶ友達も居ない・・・我ながら寂しいやつだと思いながら、街道沿いを歩く。


何をするわけではないが、唯一使える短弓とショートソードをもって、上手く行けば野うさぎくらいとれるかと街道脇の森を眺めて歩く。


「おい、クロ、何してんだよ」


甲高い、子供の声が飛んできた。名前はよく知らないが、となりの大農夫のところの子どもと取り巻き達だ、人数は5人。大抵いつも、5人でつるんでいて、ちょっかいをかけてくる。


今日は、森の反対側の川で遊んでいるローテーションだったはずなので、釣りを辞めたというのに、どこでローテが狂ったんだろう・・・


「なんだよ、無視かよ」

「クロのくせに生意気だぞ!!」


そう言うと、嫌がらせのように、風魔術で石つぶてを飛ばしてくる。

彼らに言わせると、投げたのではなく、飛んでしまうのだそうだ。


「やめてよ」

オレが言うと、さらにニヤニヤした顔で


「やめてください、だろ」

そう言うと、風を強くしてくる。


無駄に魔力を使いやがって・・・

制御しきれていない証拠に、キラキラした魔力が風にのって体から出てしまっている。


?魔力が出てしまっている??


「どうしたんだよ、クロ、魔法使ってみろよ」

囃し立てるようにガキ大将が言い、


「埃っぽいから水撒こうぜ!!」

そう言いながら、2人の子供がスプラッシュの魔法を発動する。

庭に水を撒く魔法、生活魔法の一種だ。


「やめてよ」

なんとなく、違和感を感じながら、いつもどおりの反応を返す。


「クロのくせに命令すんな!!泥だらけになれ!」


スプラッシュの水がさらに激しくほとばしり、風魔法の風が強く吹き付ける。

と、同時にキラキラした魔力が見える。


やっぱりおかしい、いつもならこんな光は見えなかった・・・

しかも、それが魔力であることに、自分は気づいている。


キラキラした魔力の流れに手をかざすと、それがまとわりつくように

腕の周りを旋回し始める。


無意識にそれを前方に放つと


「うわー、何すんだよ」


オレの方に飛んできていたはずの泥やら水やらが、倍する勢いで

ガキ大将に飛び散っていた


「テメーら、なんのつもりだよ!!」


ガキ大将は自分の前にいる子分たちに、げんこつを落としている。


「違いますよ、クロのやつがなんかやったんです」


そういうものの


「うるせえ、クロは魔法が使えないんだよ、お前らがわざとやったんだろ!」


そう言うと、子分たちに殴りかかる。


オレは、自分でもよくわからないが、そのキラキラした魔力の流れが、自分からは出ていない事を確認する。

と、同時に、自分の周りに、それよりはるかに大量の魔力が渦を巻いて存在することに気がつく。


なんじゃこれ?


昨日までは全く気が付かなかったが、世界はこんなにも魔力にあふれていたのか・・・

そう思って、その流れの中に手を伸ばしてみると、先ほどと同じように、魔力がまとわりつくように腕の周りを旋回する。


今度は注意して、それをそっと解き放つ、今度は魔力は何の影響も周りに与えず、腕から離れた。


「クロ、何してんだよ!」


ぼーっと突っ立ったままに見えたオレに、泣き始めた子分に困ったガキ大将が、絡み始めた。


「やっぱり、お前がなんかやったのか?」


意外と鋭い


「僕、魔法使えない・・・」


「だから、なにかずるいことしたんだろ!」


さすがにむちゃくちゃである。

子供の喧嘩だな・・・


どうしようかと、アラフォーの頭で悩んでいると、森の方から誰かがやってくる。

と、思ったらそのまま飛び出してきて、俺達に気がつくと、慌てて叫んだ。


「早く逃げて!!」


綺麗なお姉さんだった。

薄いピンク色の小さな唇に、スレンダーな体、髪は錦糸のような金髪、抜けるような白い肌。

尖った耳が意味するものは・・・


「エルフだ!!」


ガキ大将が興奮したように叫んだ。


「早く逃げなさい!!」


エルフのお姉さんは、そのまま走り去るのかと思ったら、立ち止まって森を睨んでいる。


なんだろう?と思って森の奥を見ると・・・


「ネズミ?」


「ゴブリンよ!!」


お姉さんの声に合わせて、6匹の緑がかった魔物が飛び出してきた。


「うわー、魔物だー」

ガキ大将たちが、逃げ出そうとするが、


「ブギッ!!」


ゴブリンの一匹が素早く動くと、ガキ大将に錆びついた片手剣で斬りつけた


「痛ッ・・ああ・・オレの手が・・・」


一瞬のうちに、ガキ大将の左手から数本の指が切断されて宙を舞う。


「ああ、殺されちゃうよ・・・パパーー」


取り巻き達も騒ぎ始めるが、回りこまれた上に、ガキ大将は顔面蒼白で泣きながら手を押さえている。

この状況では、逃げられそうも無い・・・


後は、このエルフのお姉さん次第だが・・・


「君、魔法は使える?」


いきなり、禁断の質問である・・・


「いえ、使えません」


「仕方ないわね、ちょっと疲れるかもしれないけど、君の魔力を分けてくれない?魔力切れなの・・・」

エルフのお姉さんは、そう言うと、返事も聞かないうちにオレの腕を握りしめた。


「MPドレイン」


その瞬間に、腕に掃除機を押し当てたような感覚が伝わる・・・が、それだけ・・・


「え?」


完璧にゴブリンから目をそらして、オレの顔を見る。


「君、MP切れ?」


あ、こっちの世界でもMPって使うんだ・・・

もともとMP無いのですが、どう説明すれば良いのか??


そう思っているうちに、ガキ大将たちのほうが食べやすいとでも思ったのか、


6体のうちの4体が子供たちを取り囲んでしまった。


子供たちは、もはや何もできずに体を小さくするしか無い・・・


肝心のエルフさんはMP切れとやらで、何もできなさそう。


ルキノは体が氷に成ってしまったように心が冷えきった。


と同時に、アラフォーのオレは子供を助けなければと思った。


「待てやゴラー」


そう叫ぶと同時に、目の前に居たゴブリンに弓で一撃を入れる。


ピシッと音がして、弦が切れ弓が壊れる・・・


「・・・」


イッてえなあ、ゴラァ


とでも言いそうな顔で、ゴブリンが振り向いた。


「はは・・・」


ならばこいつで!!

今度は、反対の手から、抜く手も見せずに居合の要領で、

ショートソードを抜刀するとそのまま斬りつけた・・・


ヒューン・・・・ザク


「ゴア!!」


スッポ抜けたソードがそのまま飛んでいって、子供たちを囲んでいたゴブリンの

尻に浅く刺さった・・・


「グルァガゴゴグ!!!」


すべてのゴブリンが、一斉にこちらを向いた・・・

どうやら、お尻にソードを刺したゴブリンが、リーダーだったようだ・・・


「今更遅いかも知れないけど・・・あなた、逃げなさい・・・」


エルフのお姉さんが、悲壮な顔でそういった。


「私は女だから、すぐには殺されない・・・少し嫌な思いをするかもしれないけど、すぐには大丈夫・・・だから、逃げて、大人を連れて来て。早く!!」


そう言うと、オレの前に進み出た。


子供たちは、うまいこと逃げてくれた・・・ら良かったんだが、

腰を抜かしている。動けないようだ・・・こうなったら、一か八か・・・


僕は、ここしばらく封印していた必殺技を使うことにした。


ピーーーーー!!!


おもいっきり息をためて、出せる限りの大きな音で呼子を吹いた。

必殺!!お父さんに言いつけてやる!!だ。

これで、ハンスが気がつけばすぐに来るはず、後は、時間稼ぎだ・・・


「早く逃げて!!」


相変わらずエルフのお姉さんが騒いでいるが・・・

アラフォー男は美人と子供は見捨てられないってね・・・


オレにだって作戦がないわけではない。まあ、単なる思いつきだが。

いま、この瞬間も、周りには魔力が渦巻いている・・・

こいつを上手く使えれば、きっと・・・


オレは、魔力の流れの中に、両腕を突っ込んだ。


そのまま、まとわりつく流れをさらに大きくしていく。


イメージは、巨大わたあめ・・・そういえば、やっぱ肉が食べたいな・・・

あ、ちょっと小さくなった・・・

いかん、もっと真面目に・・・集中して・・・

わたあめはダメだな・・・そう、竜巻だ・・・


すると、勢いをました魔力の流れが、オレの両腕と言わず体全体、果ては周辺一帯を魔力の渦に包み込んだ!!


おお!!凄い勢いだ!!!


「何してるの!!早く逃げなさい!!!」


「へ?」


その一言に、魔力は霧散した・・・


と同時に、何事も無かったかのように、こちらに跳躍してくるゴブリンが一体・・・

慌てて体をサイドステップしてゴブリンの突撃をかわす・・・


あんなに派手な魔力渦だったのに、何も起きないとは・・・


そう考えているうちにも、2匹、3匹とゴブリンが襲いかかってくる・・・


結局、魔力ってのは力であって、発動させないと意味が無いってことなのか?


ついに、ゴブリンリーダー以外の5匹が、まとめて飛びかかってくる・・・


エルフのお姉さんは、リーダーに足止めをされて動けない・・・


この間に、子供たちが逃げてくれれば・・・


駄目だ、まだ腰を抜かして泣いている。まあ、指切られたしな・・・


そう思って攻撃をかわしていたが、ここで疑問が発生する・・・


はて?全くゴブリンの攻撃が当たる気がしない・・・???


先程から、ゴブリンがめちゃくちゃに攻撃してきているのだが、

一向に当たる気がしない。むしろ、反撃できそうな気がするのだ。


でも、武器が無いんだよな・・・


そう、弓は叩き折った、剣は投げ捨てた(スッポ抜けた)

後、あるのは数本の矢だが・・・


あーもう、めんどくさい・・・


目の前に飛び込んできたゴブリンの、錆びたソードの柄をつかみとると、

そのまま、空いた左手でゴブリンの頭を殴りつけた。


「グシュ!」


「ん?!」


その瞬間、左拳に嫌な感触が残る・・・


足元には、拳型に頭部を陥没させて、ピクピクしているゴブリンが一体・・・


攻撃を忘れて、立ち止まるゴブリン達・・・


チャンス!!


今何が起きたかは後で考えるとして、ゴブリンから奪ったソードが今はある!!


「くらえー!!!」


「ゴガッ!!」


当然スッポ抜けたソードが、今度もゴブリンリーダーの尻に刺さる・・・


見ると、エルフのお姉さんは既に気絶していて、リーダーさんは何かをしようとしていた模様で・・・


「ガァァァァァーーー!!!!!」


とても怒ってこちらに向かってきました!!!


「キャー」


「ゴブゥ」


ドサッ・・・


音にするとそんな感じ。


キャーはオレの声、子供だから、可愛かろう。

ゴブゥは、突っ込んできたリーダーにカウンターで右ストレートを合わせたら、ボディに入った音。

ドサッは、リーダーがダウンした音


以上



「ゴガ!」

「ゴガガガ!!」

「グガ?!」


残されたゴブリンたちが慌てた様子で何か話し合い始めた・・・

このまま逃げてくれれば良いのですが・・・


「ゴゥ」


あ、そのままこちらに振り向いた・・・


あ、来るのかな?やだな・・・


その時、疾風が吹き抜ける・・・


「うちの子に、何さらすんじゃ、ゴラァー!!!」


一撃で3匹のゴブリンの胴を輪切りにして、返す刀でもう一匹を唐竹割りにする。


「安心しろ。峰打ちじゃ」


そう言って、ハンスが手にしたクワを一振りした・・・


峰打ちで一刀両断、しかもクワ・・・父ちゃん、ハンパねえ・・・


「大丈夫か?」


ハンスはオレの様子を見て、無事なのを確認すると、次に子供達を見に行く、

ガキ大将の指を見て、応急手当をして、エルフのお姉さんの様子を見に行って

あ、殴られた・・・助けようとしたのにひどいや・・・とルキノは思い、

親父、何かエロいことしようとしたな・・・と、アラフォーなオレは思った。


その後、エルフお姉さんの誤解も解け、ガキ大将の指は回復術士によって元通りになり、オレは、説教を食らうことに成った。


明日は、新しい畑を貰う約束になっていたが、ゴブリン騒動で、急に不安になったようで、家から一番近い畑をくれると言い出した・・・


農地、増やしにくいじゃん・・・


しかし、魔力をいきなり認識できるように成った。

これは、何か考察が必要な気がしますな。





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