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コブシの魔術師  作者: お目汚し
13/65

スキルマニア獲得

頭のなかで考えていることを文章にする難しさに直面しながら、

他の作者さんたちのレベルの高さに打ちひしがれる今日このごろ。

それでもPV1000超えました。ユニークももうすぐ300。

励みに頑張ります。

ハンスが帰ってきた。


森にはちょっと問題が有ったようだ。パンチの暴発のせいで街に来たわけだから、特に問題は無いだろうと思っていたが、実際には予想よりもゴブリンが増えていたらしい。あの森の奥に、封印のダンジョンというダンジョンがあるのだが、昔からハンスに。くれぐれも近づかないように言われていたため、見たこともなかったが、そのダンジョンからゴブリンが次々に湧き出していた。

次々にと言っても、いきなり人に襲いかかるわけでもなく、ほとんどの場合は、隣接する西の森に行ってしまう。だが、ダンジョンに入って調査を試みたところ、それほど広くない5階層程度のダンジョンだったはずが、6階層に続く階段が見つかり、その先から次々にゴブリンが吐き出されてくるため、警戒班を残して、一度報告に戻ってきたということだ。

ゴブリンが向かっていく西の森の先がどうなっているのか、気にはなるが、森の奥に踏み込んで帰って来た者は誰も居ない・・・と聞くと、試してみたいとは思わない。

オレは、チートスキルを持っているが、自分自身を特別だとは思っていない。むしろ、ミツクーニ辺りに教えてあげれば、喜々として踏み込んでいくかもしれないな。


そんなことを考えていた。

ちなみに、スキルの起動は一晩中かけて、先日終了した。その結果オレのスキルはとんでもないことになっている。

パンチだけでもチートすぎるのに。数百有ったスキルはどうしたの?というくらい、すっきりしているのだ。


というわけで、復習の意味も兼ねて、ステータスウインドウを開いてみよう。


種族:人間

名前:ルキノ

性別:男

職業:マーリン私塾塾生

称号:神童と呼ばれた子 お留守番 引きこもり 読書家 草むしりマスター お手伝いマスター いじめられっ子 


レベル5

HP:35

MP:0


力(攻撃力):19

頑丈(防御力):35

体力(抵抗力):35

精神力(魔法抵抗力):0


スキル:「スキル一式」




と、こんな感じである。

ちなみに、スキル一式の中身は。



スキル一覧


剣術 Lv2 剣技 Lv2 


体術 Lv2


掃除 炊事 洗濯




だいぶすっきりしているのだ。

一応、レベルは訓練をしたことで上がりました・・・ということで5に上げてある。

ご想像通り、これは琴ちゃんの表示操作により、このように見えるわけです。

なら、本当はどうかというと・・・

琴ちゃん推奨表示に切り替え、ステータスウインドウを開く。


種族:人間

名前:ルキノ

性別:男

年齢:11歳

職業:マーリン私塾塾生

称号:真拳神 大賢人 覇者 魔神 ドラゴンスレイヤー 大魔術師 時空の操者 大魔導師 剣神 神槍 拳神 神杖 斧神 スキルマニア 治癒神 破壊神 創世神 理を継ぐもの 簒奪者 鍛冶神 


レベル12

HP:98(×1000)

MP:0(×10000)


力(攻撃力):33(+12000)

頑丈(防御力):45(+14000)

体力(抵抗力):45(+20000)

精神力(魔法抵抗力):0(キャンセル)

素早さ(瞬発力):55(30000)


スキル:「スキル一式」


となっている。

ステータス数値の後ろにある数字、例えば攻撃力33の後の+12000というやつだが、武器を装備していない現状では、純粋に称号の効果によって付加される、ボーナスポイントだそうだ。ボーナスポイントがボーナスすぎるが、琴ちゃんいわく、現状考えられるボーナスは全て取ったということだ。

ちなみに、称号は統合されて、だいぶ減ったのだが、琴ちゃんによって再表示されているものが有る。剣神や神槍などは真拳神に統合されているはずの称号なのだが、明らかに琴ちゃんの趣味で表示されていると思われる。


さらにスキル一式の中身は


スキル一覧


武術LvMax 武技LvMax (剣・槍・拳・杖・斧・棍)


五大魔法LvMax (地・水・火・風・空)


聖魔魔術LvMax (聖・魔・光・闇)


創生魔法LvMax (無・命・時)


生活魔法


森羅万象 理を知る者 魔力認識 魔素認識 鑑定 魔術体系認識 魔法編纂 


強化系スキル一式(LvMAX)






となっている。


先日の夜、琴ちゃんに言われるまま、片っ端からスキルを起動していったのだが、随分手順にこだわると思ったら、上位スキルを先に起動してしまうと、下位のスキル取得で得られるはずの称号が取れないとかで、ものすごく面倒な手順を踏まされた。

例えば、大魔術師を獲得しようと思ったら、いきなり五代魔術をマスターにしてしまえば良いのだが、それでは、火術王や火術神などの下位の称号が取れないということで、一つづつ起動することに成った。

魔素と魔力の制御を習得するという意味においては、非常に有意義な訓練には成ったが、正直言ってだいぶ面倒だった。

面倒といえば、おかげで現存するであろうスキルは、よっぽどのユニークスキルでないかぎりは、ほぼすべて習得したと思うが、その数と意味にめまいがしている。

できないことは無いということと、やり方を知っていて実行できるということの溝がなんとも深い。その後も、琴ちゃんがキャッキャ言いながらステータスウインドウをいじっていたが、統合できるスキルは全て統合し、上位スキルに出来るものはした結果、非常に簡素なステータスに成ったわけである・・・見た目だけは・・・

意味を理解すれば、とんでもないことになる。そして、強化スキル一式の下の空白は、やはりブラックアウトしているパンチスキルが隠れている。



大魔導師を取得したことで、目的だった魔術体系認識と魔法編纂を得ることができた。

これに寄って、魔術や魔法に関して、ほぼ理解ができたのだが、同時に魔素とMPの関係も分ってしまった。

オレのMP0の意味も、魔法抵抗力の意味も今は正確に理解しているつもりだ。



人にかぎらず、この世のほとんどの物体は固有のMPを持っている。そもそも、この世の全てを構成している最小単位が魔素であると考えられているため、すべての物体が魔素で出来ているわけで、これは魔物や魔獣にも言える。

この、魔素の濃度が高まると、人間の場合レベルが上がるらしい。経験値というものが、この取得魔素のことである。だから、本当は訓練していたらレベルが上った。と言うのはありえないことなのだが、オレの場合、いろいろ規格外なことがあるので、放置されている。

話しがそれたが、一定値の魔素を取り込むと、それが個体や物体の魔素濃度を高め、レベルが上がるということになる。この時に、一定の割合で固有魔素の中に自由魔素という体内で比較的自由に干渉できる魔素が生まれる。

こいつがMPだ。で、MPという呼ばれ方をしている自由魔素に体内で干渉し、接触している場合は直接それを作用させて、外部の魔素に事象干渉を行う。


剣術や槍術などの場合は、自由魔素を通じて無機物の構成魔素自体に干渉して、そこにさらにMPを付加することで、技としての事象を発動させる。魔法剣などの場合でない限り、技系のスキルは物理依存の攻撃となる。

魔術や魔法の場合は、同じく自由魔素を通じて大気中の魔素に働きかけ、ビリヤードのような要領でその干渉波を伝え、目標物に対して事象改変を引き起こす。燃えるとか凍るとかだ。


生活魔法のスプラシュの場合は、単純に近くの魔素に水属性を付加して水を生み出したうえで、地属性の加圧呪を付加することで、水流を作り出していた。

ライトヒールも生活魔法の一種になっていたが、実はこれは回復魔法で、治癒術が使えないと使えないはずの魔法を、効果範囲と威力を固定することで、生活魔法の中に組み込んでいた。着火の魔法ファイヤ・オンや、今では伝わっていなくて誰も使っていない、発光魔法ライト・オンなども同じような理屈で、それぞれの体系の魔法が起動していなくても魔法が使えるようにアレンジしたものだった。

先代の大魔導師って、家庭的な人だったんだなと感じた。隠れた生活魔法?なのか、裁縫や料理の魔法も有ったのだが、これも失伝しているようで、使う人を見たことがない。


で、オレのMPが0であるということだが、つまるところ自由魔素が無いということなのだ。取得して蓄えた経験値的な魔素は全て固有魔素として定着する。

その代わり、身の回りにある魔素をなぜか比較的自由に操れる。魔素操作とか、魔力操作的なスキルを持っているのかと思ったが、そんなスキルは存在しないらしい。

とりあえず周りの魔素を操ることが出来る。この事実が大切で、その結果MPの消費無しで、全てのスキルや魔法が使用できる事を理解した。

あと、魔素の色を良く見ていたが、これも特異なことで、まれに生まれる魔眼の持ち主で、魔素を見ることが出来る人でも、そんなものは見えないらしい。共感覚に近いものなのかもしれない。

そのおかげか、比較的簡単に全属性の魔法を理解し使役出来るようになった。


魔法抵抗力の話も同じような感じで、魔法や魔術による干渉波に対して、オレの固有魔素は事象変更を受け付けない。

ステータスに、魔法”抵抗”と書かれているので、抵抗することだと理解していたが、実際は体内のMP、つまり自由魔素が干渉を受けることで魔法の影響を受けるということだ。

そう考えると、MPが多いほうが干渉を受けやすそうだが、実際には干渉を受けた自由魔素が、固有魔素に侵食するまで魔法の影響を受けないと考えると、MPが多い人間は魔法による干渉を受けにくいことになる。試してみる必要があるが、おそらくMP切れを起こした人間には、魔法はきかないはずだ。逆にMPが中途半端に残っていると、

いかなる魔法も即座に固有魔素を侵食することになり、影響を受けるということだ。


まとめると、世の中の物体の最小構成単位は魔素、それが大まかに分けて、物体を構成する固有魔素、物体の周りを取り巻く自由魔素、自然界に存在するその他の魔素という感じである。


小難しい話だが、そうなるとオレの体は魔法が効かない。MP0で抵抗値0とは、そういう体質だということになる。

回復魔法も効かないのは問題なのだが、以前、琴ちゃんが言っていたように、こちらの気持ち次第らしい。人として生まれたので、刃物で切りつけられれば、怪我をする。と、思っているから怪我をした。

転んで膝を打てば擦り傷が出来る、と思っているから膝をすりむく。そして、たまたま、大きな怪我をした時に、回復魔法が効かなかったために、自分に回復魔法は効かないと思ってしまった。

前にマーリン校長にファイヤ・ボールを打たれた時も、ファイヤ・ボールが火系統の魔法であることは分かっていたが、どうなるのか、結果を検証する目的だったために、燃えるかも?とは思いながらも、

確実に燃えるとは思っていなかった。もし、2発目の威力拡張版のファイア・ボールを先に見ていて、床板が火柱を上げるのを目撃していれば、オレの手は消し炭になっていたかもしれない。

今でも、小刀で指先を切ろうと思うと、普通に切れる。だが、切れない!と強く念じながら刃先を押し付けると、小刀の刃の方が曲がってしまった。ただし、かなり集中しないと、普通に切れる。

この実験のあと、実際に切り傷ができたので、治癒魔法も試してみたが、やはり、最初は効かない。そこで、傷口をよく見ると、微量では有るが傷口周辺の魔素が自由魔素に変わっていた。


オレに限らず、固有魔素の結合が切れるということは、身体に何らかの不調が現れるということのようだ。怪我の場合は、傷の周辺の固有魔素の結合が切れてしまい、自然治癒は、その結合を再結合する働きである。

ということは、本来結合が強固であるはずの身体も、傷ができた時は、その周りに、結合が切れた自由魔素という形で漂うことになる。

こんな時には大魔導師称号のもう一つのおまけ、魔法編纂。傷口の周りに漂っている自由魔素に直接干渉する形で、ヒールを試してみる。


傷は治った。ヒールの魔法のアレンジに成功した。


これで新しい魔法ができたことになる。MPを使用しないで、直接魔素に働きかけ、怪我を治療する魔法。

だが、ヒールの魔法に、変化はなかった。どうやら、すでにある魔法にアレンジを加えたくらいでは、新しい魔法とはならないようだ。


大きな魔法で試すわけにも行かないので、室内や訓練場の隅っこで出来る、初級魔法から、順番に目立たないように試していった結果。

今ある魔法全て、MP無しで使えるが、一つも新しい魔法は生まれなかった。


まだまだ、知識に経験が追いつかないが、いろいろな事ができそうだ。一つ一つ検証しながら、何が出来るのか、検討していく必要がある。

問題は、いろいろ出来るように成ってしまったが、これを一人で抱え込むことが難しいと感じていることだ。


目立つことはしたくないが、いろいろ検証するためにも、ある程度の人たちには、このことを知らせるべきだと考えている。

規格外スキルの「パンチ」については伏せたほうが良いと思うが、魔法が全く使えないとされていた人間が、いきなり最上級魔法を使ったりしたら、目立つどころではない。


マーリン先生やハンス父さんには相談するべきだろう。琴ちゃんの説明は、面倒な上に外部からは時折ぼーっとしている子供という印象しか受けないので、伏せておくことにする。


問題は、どうやっていきなり魔法が使えるように成ったことを伝えるか。どこまでのスキルや称号の話をするべきか、などだが、このことに関しては、琴ちゃんは力を得たことを示さない意味がわからないようで、相談に乗ってくれない。


まあ、目立たないほうが良いような気がしているので、そうしたいわけだが、よくよく考えてみると、地球に転生して生まれ変わるはずだったサラリーマンのオレが、何故この異世界に転生してしまったのか?しかも、中途半端な11歳という年齢。

10年間この世界で暮らしてきた記憶と経験があるため、馴染んでしまっているが、この状況もかなりおかしい気もする。そうなると、転生の話も相談したほうが良いように思うが、信じてもらえるのか?人の心の機微についての質問は、琴ちゃんはもちろん、森羅万象にも答えは無いらしい。


まずは、ハンスたちに相談してみよう。


そう決心するとマーリン校長の部屋に居るであろうハンスに、ついでにマーリン校長に説明するつもりで、自分の部屋を出た。


この先の展開が長くなりそうなので、ひょっとすると、ワープするかもしれません。

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