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コブシの魔術師  作者: お目汚し
12/65

大魔導師

超説明回です。

わかりにくかったらスミマセン。


マーリンは悩んでいた。


先程、ミツクーニ達が訓練中にマジックアイテムが壊れたということで、苦情を申し入れてきた。授業中の破損は、塾の責任だということであったが、そもそも、何故訓練でマジックアイテムを使うのか・・・。

しかも、かなりの攻撃力をもった魔法剣まで粉々になっていた。ということは、それを使って訓練をしたということで、何が起きたのか理解に苦しむ。


ミツクーニの実家であるミトン家は、マーリンの私塾にとって最大の出資者、いわゆるパトロンである。

が、これは先々代のミトン家の当主が治めていた領地に魔獣が出たということで、これを討伐した時に、莫大な報酬の代わりに私塾への出資を約束してもらったもので、その後も、問題なく付き合いは続いていた。

今の当主に変わってからも、先代がきっちりと説明をしてくれていたおかげで、出資は引きつづき受けられているが、ミツクーニが入塾してからはいろいろと問題が起きていた。

ミトン家自体が、今の王家に繋がる血筋で、低いながらも王位の継承権を持っている。ただし、いま王都に居る十数人の継承者が全滅した上に、王都周辺の有力貴族たちが全滅するような規模の災害なり、戦争が置きない限りは、

問題にもされない継承権であり、順位としては58番目ということである。

その、王家に血筋が繋がるという事が、ミツクーニのプライドを必要以上に高くしてしまっており、しかも、幼少期に他の貴族たちと同じく王立学校に入学したものの、その高すぎるプライドが他の貴族子弟たちと折り合いをつけられず、

王立学校を飛び出してきてしまったという経緯があり、それでも学ぶ場所は必要だということで、マーリンの私塾に入塾してきた。

ミツクーニ自体は、実は結構優秀な生徒で、高すぎるプライドが勉強の面ではプラスに働き、意外に地味な訓練もまじめにこなす。ただ、やはりプライドが邪魔をして、人前で努力していることを見せないため、周りの生徒からは反感を買っているのだ。

実際、剣術における剣技や魔法も、レベルはそれほど高くもなく、特筆する特徴はなさそうだが、習熟度や練度は非常に高い。才能でなんとかなるものではなく、努力の賜物であるはずなのだが、本人はそれを認めない。さらに、家を出るときに持ちだしたと思われる、一財産になるであろうマジックアイテムも相まって、自分は特別なんだと周りに吹聴している節が随所に見られた。


マーリンの学校に、他に貴族子弟が居ないということではない。王家の血筋まで持ったものはミツクーニのみだが、それなりの立場の人間は数人居るのだ。

いま、居残り組で最年長者のアランにしても、実はこの城塞都市を治める統治者の実子である。


この都市の名はバイオリア。ラインバック大陸における、西部ウェストバック地方の主要都市バイエルンの衛星都市という位置づけにある。


ウェストバック地方を治める貴族は、王家に連なるもので、バイエルンに住んでいるが、そこからさらに西。魔物がやってくるとされている、西の森への警戒と防衛線として作られたのが、このバイオリアの成り立ちである。

バイオリアの現在の領主は、マーリン私塾にも多大な理解を示しており、その証としての意味もあり、自分の息子、アランを入塾させていた。

アラン自身も質実剛健を持って地域を治め、場合によっては、自ら魔物の討伐に向かう父の姿を幼いころから見ており、弱いものいじめをするようなことは無い。


いま、ハンスの実地訓練という名のお手伝いに狩りだされている年長組たちは、もうすぐ卒業を控えた者たちだ。

マーリン私塾の卒業試験はそのまま、冒険者登録試験となり、バイオリアの冒険者ギルドでも優秀な冒険者を排出する塾として認知されている。


卒業試験というだけ有って、通常のギルド登録試験とは異なり、ランクD級の課題が複数与えられ、それを優秀な成績でこなさなければ、合格出来ない。


ギルドランクは、最低ランクがE級から有るが、これは薬草採取や遺失物を探すものなど、戦闘を前提としないものが多く、報酬も少ない。実質的にお小遣い稼ぎの仕事が多いのだが、日常生活に直結したクエストが多く、D級以上の冒険者も、ついでにこなすことが多い。

最低ランクのE級の登録は、犯罪歴がないことと11歳以上であること、という条件しか無く、これも申告制であるため、明らかに犯罪者と分かる者や、低年齢者でなければ、普通に加盟できる。

この手の世界のギルド証は、オーバーテクノロジーな不思議アイテムで、身分証の代わりに成ったり、他の街との連携が取れていたりするものだが、この世界に限って言えば、ただのカードである。偽造はいくらでも可能な代物で、印鑑の偽造などが出来れば、誰でもAランクなどと名乗れたりする。

名乗れるのだが、実際にこの世界にAランク以上の冒険者は数えるほどしか居ない。最上級はSSS級と呼ばれるのだが、実はSSS級は過去一人しか存在せず、現在も永久欠番である。現存している冒険者の中で、A級以上の冒険者はランカーと呼ばれ、数人しか居ない。最上級のランカー冒険者でも、現在はS級までだ。

これは、SS級以上のクエストが現在発注されないことと、B級までで、ほとんどの依頼が構成されるため、A級以上は本当に人外の力を持つか、名誉職として存在しているのみである。

そして、B級はそこそこな数が登録されており、偽ってギルドランクを言ってみたところで、B級のクエストは簡単にはクリアできない。逆に、ルーキーであろうとも、B級のクエストを解決できるなら、それはB級相応だということで、皆が納得する。

あくまで、B級以下の区分は、仕事の難易度によって区分けされているもので、生還率を高めるための区分でしか無いのだ。


マーリン私塾の卒業生たちは、卒業試験でこのギルドランクD級を手にして、世に出ていくのだが、殆どの者がすぐにC級以上に到達する。そして、C級以上のランクを持つと、ギルドで推薦状が交付され、他の様々な職業に就くことが可能になる。

内訳は、守備隊・軍隊、国立学校の教師、豪商の護衛部隊と主に荒事に対しての能力が求められる物が多いが、推薦状もなく雇ってもらえるものは極少数だ。

そして、マーリン私塾はこれらの各方面に、毎年少数では有るが実に優秀な生徒を送り出しており、そういった先や、就職した元生徒からの仕送りなどで、塾は運営されている。


運営資金の大半は、実は、こういった卒業生たちの仕送りに寄るものが最近では8割を超えており、今更ミトン家の出資に頼る必要は実は無くなっている。

だが、いただけるものはいただく方が良いということと、ミツクーニに手を焼いている現当主からの熱烈な希望で現在に至るわけだが・・・

ミツクーニは、自分の存在がこの塾に多大な献金をもたらす元になっていると勘違いしており、先の振る舞いが増長することになる。


一応、破損したマジックアイテムを一式、預りはしたが、既に修復は不可能であることがマーリンには分かっていた。

どの装備品も、一つとして完全な物はなく、リバースの呪文で巻き戻すにしても

破損した場所から移動してしまっているので、この場から無くなるだけで、修復というわけには行かない。

リバースは、あくまで空間の時間を巻き戻す術式で、物を治すものではないのだ。


そして、どうやらこれをやらかしたのは、ルキノらしい。

らしいというのは、誰も本当のことを言わないからである。

なかったことにしよう・・・ということが、子供たちの共通の考えであり、やられたミツクーニたちにしても、自分より年下の子供にやられたということは、あまり宣伝したいことでは無いらしく、ここだけは一致して否定しているのだ。

ちなみに、ミツクーニたちは13歳である

アイテムは、通常の訓練中に壊れた。と、ミツクーニたちは主張するのであった。


父親に言いつけて、資金援助を打ち切らせる・・・などと言外に脅してきていたが、先の事情の通り、多少実入りは減るものの、大して困りはしない。

だが、現当主に頭を下げられている手前、無下に放り出すわけにも行かず、途方に暮れるのであった。



現在、私塾校長にして冒険者でもある大魔術師マーリン。

かつては彼女自身、冒険者として名を挙げることを夢見る駆け出しの冒険者だった。

ハーフエルフでは有ったものの、見た目は人間としての特徴が強く出ていたマーリンは、ひと目でエルフとはわからない。

それでも、彼女の母がエルフの魔法使いであり、父は人間の狩人であるという時点で、彼女がハーフエルフだということは彼女の村では当然の事実であり、森の賢者と言われる、エルフ族から綺麗な娘を連れてきた、マーリンの父は周りから羨望のまなざしを受けていたが、異種族であったためか相性が悪かったのか、

マーリンが生まれたのは、父が初老に差し掛かった頃であった。なかなかできなかった子供が生まれ、それが珠のような女の子ということで、マーリンは溺愛された。

だが、マーリンがステータスウインドウを開けるようになった頃には、父は他界していた。

それからがマーリンにとっての地獄の日々だった。マーリンは、子供だったために、少しづつ大人になっていくが、長命であるエルフ族の母は村に来てから20年以上経つというのに、

全く見た目に変化が無い。実年齢が200歳を超えて居たが、それも相まって、最初は目に見えなかったが、少しづつ迫害が始まった。

母は、マーリンに生きる術として、自分の知りうる限りの魔法を伝えようとした。そして、マーリンは優秀だった。見た目は人間と殆ど変わらなかったが、魔法の才能はエルフに近かったらしく、

MPも飛び抜けて高く。12歳の時、ファイヤー・ランスに制御可能なMP全てを上乗せして放つ訓練をしている時に、突如、称号:覇王 を獲得した。

わけも分からず驚いて、それでも何だか珍しそうな称号を得たマーリンは、褒めて欲しくて母に伝えた。その時の母の困ったような笑顔は、200年以上経った今でも忘れられない。

マーリンが15歳になり、冒険者として村を出ようと決めたのは、迫害や差別がだんだんひどくなり、目に見えて分かるように成って10年ほど経った頃だった。。


人は、自分と違うものや感覚を持ったものを嫌う。あなたは、見た目は普通の人間とあまり変わらないから、エルフだと気づかれないかもしれない。種族を隠して生きなさい。称号の事も、信用できる人にしか教えてはいけない。


村を出ると母に告げた時に、母は弱々しく微笑みながら、そう言った。

以前は若々しく、瑞々しい美しさを保っていた母だったが、今は、村の有象無象から迫害を受ける生活に疲れ果て、慣れない酒を呑むようになり、酒がなくては居られなくなっていた。

それでも、酒乱ということはなく、マーリンに手を上げることもなかったが、昔は話してくれた、エルフの伝承もほとんど話してくれなくなった。

たまには村に帰るからと、マーリンは告げて村を出たが、一年ほどして村に戻ってみると、家は焼け跡になっていた。

泥酔して、火の始末をしなかった為、一瞬で燃え広がった火事が村の近くの森にも飛び火して、大変だったと訳知り顔の村人に言われ、母の所在を聞いたが、

燃え尽きたのか、逃げ出したのか、焼け跡からは何も見つからなかったと言われた。


家には、母がエルフの村を出るときに結納品として持ち出してきた宝物がいくつか有ったはずだが、それらも燃え尽きたということで、何も残っていなかった。

当時の状況を聞き出そうと寄った村長の家に、その結納品とそっくりな指輪をした奥さんが居たが、問いただすこともできず、ただただ、迷惑だと言われて追い出された。


それから、拠点にしていた近くの街に戻ると、一週間ほど塞ぎこんで、借りていた部屋に閉じこもった。

その後、自暴自棄に成ったように、難易度の高い依頼を立て続けに受けて、それらをこなしていく内に、ランクも上がり、ダンジョン突破を繰り返す内に、レベルも上がり、バーサクマジシャンなる二つ名を冠するように成った。


流石にBランクの依頼をこなすために、パーティを組むこともあったが、母の教えと正反対の目立つことをしていたマーリンは、特定のパーティーには入らず、助っ人として仕事をした。

仲間を省みることもなく、乱戦中でも広範囲魔法を躊躇なく使うため、段々とパーティを組もうと誘ってくる冒険者も減っていった。

一人でも、たいていのダンジョンは攻略出来る。魔物や魔獣も一人で倒せる。そういった自負もあり、パーティが組めなくなっても、パーティ向けの依頼さえ単独で受けて攻略していった。

いつしか、バーサクマジシャンは、ギルドからA級認定をされ、難易度の高い依頼に、単独で向かうようになっていった。


マーリンが少女時代を送ったのは、今から200年以上前。今のラインバック王家が、大陸の殆どを統治していなかった頃である。

人心は乱れ、数十キロの距離を置いて国が乱立し、その全てが戦争している。そんな状況だった。


どこの国にも属していない村や街は、近くの国に保護を求め、対価として年貢を治める。それでも、庇護下に入った町や村が、隣国に襲われたところで、抗議する程度で、いざ戦争ともなれば、そういった村や街から犠牲になる。

領主にしても、力を持った盗賊の頭が、大きめの街を襲い、そこを自分の領地だと宣言し、周りの村を従えてしまえば、領主となり、国主を名乗った。


血なまぐさい時代であり、まるで人が人を滅ぼすかのような時代だった。

さらに、そんな時代に、魔物が森に大量発生し、戦争で疲弊した大陸の中央部をさらに疲弊させた。

この頃から、魔物の上位個体として、魔獣が見られるように成った。殆どの魔物は1対1ならC級以上の冒険者の敵ではないが、3対以上が連携すると、B級以上のレベルを要求された。

まして、魔獣クラスとなると、1体に対してB級の冒険者が少なくとも5人でパーティーを組んで討伐が組まれるほど、しかも、5人パーティーの全員が生還する確率は5割を切っていた。

そうした魔物の集団や、魔獣が突然変異の様に、大陸の周りの森から湧き出してきた。そして、各地のダンジョンの難易度も突然上がり、ダンジョンに宝探しに出かけるというよりも、魔獣を定期的に討伐することが目的と成っていった。


だが、そんな時代はバーサクマジシャンに居場所があった。

人から恐れられ、嫌われたが、それ以上に必要とされた。利用価値があった。自分を嫌う人たちを護るために戦うということに慣れたというよりも、戦うことさえしなくなれば、自分の居場所が無くなる。そのことを恐れた。

優しかった母はもう居ない。失いたくても、失うものはもはや自分の命しか無い。自分の命に価値を見いだせない。それなら護りたくもない街の人達を、護るくらいしか戦う意味が無い。仕方なく、ただただ戦った。


魔物の大量発生から2年としない内に、森から溢れだした魔物たちにより、人類の生活スペースは、確実に狭められていった。

マーリンが出撃すると、その方面の魔物や魔獣が大量に討伐され、時には千体を越える討伐実績を叩きだした。

この頃になると、マーリンのレベルも上がりにくく成っており、それでも魔法の熟練度がマスタークラスまで上がった体系も出てきて、

ある日、大魔術師の称号を手に入れる。かつて、母も到達できなかった、五大魔法の極み。だが、目の前で砕け散る数十の魔獣たちを前に、

その称号を獲得したことに、なんの感動もなかった。ただ、母が知ったら、今度はほめてもらえたのかな?と心の片隅で思っただけだった。


魔物や魔獣の大発生、現在では大発生時代と学者は、なんひねりもなく呼んでいるが、大発生時代を経て、次の時代が訪れる。


暗黒魔道士時代の始まりである。

魔物達の中に、知性を持ったものが増え始め、次第に統治を始める。そうした者たちが、魔王を名乗り、魔王から大魔王まで、10体を越える人外の王たちが生まれた。

人間の世界から見れば突然に。魔物たちの世界から見れば、大発生から3年を経て、ついに魔物たちを従え束ねるものが現れた。

魔王たちは、より効率的に、より残虐に人間界に侵略を開始した。


人間に比べると、圧倒的な身体能力と、魔法力を秘めた魔物の軍勢は、森からほど近い村々を瞬く間に滅ぼし、その地に住み暮らす人々を食料や奴隷として、大陸の中心に向かって侵攻を開始する。

この期に及んでも、未だに人間の世界では血で血を洗う戦争が行われており、文献によれば、人間同士の戦争に魔物が加担し、一方の勢力が勝利したと同時に、勝利した勢力が魔物に滅ぼされたなどという記述も存在した。


とにかく、愚かな、人心の乱れた世の中であった。そんな時代に、さらに愚かな人間が現れる。


彼は、侵攻を続ける魔王の軍勢の前に単身立ち向かい、その全てを魔法一発で壊滅させるや、今度は振り返りざまに、人間たちの討伐軍にも牙をむく。

あるときは単身魔王軍に攻め込み、魔王の一柱を粉砕。

最終的に、魔王軍の総大将である大魔王まで撃破すると、あろうことか、大魔王を配下にして、人間たちに宣戦布告をした。


大魔導師ルネッサ。


悪の大魔導師。いままでに数人しか獲得したことのない、大魔導師というユニーク称号を手に入れ、あまつさえ、人間たちに敵対する。

この時点で、人間たちも同族で争うことの愚かさに気がつくが、既に後の祭り。

有力な戦士や冒険者はことごとく消耗しており、ルネッサに対抗できる者が居ない。


しかし、捨てる神有れば拾う神あり。この世界の創世神、転生を司る神が、その秘術を持って、数名の勇者を見つけ出す。

あるものは類まれな戦略を、またあるものは人外の膂力を、またあるものは恐ろしい呪いを、そうした力を持った勇者たちが、仲間を求めて大陸を旅して、

一組、また一組と大魔導師に挑む。


ところが、そういった勇者たちも、ルネッサの配下である魔王たちを倒す過程で、あるものは突然力を失い。またあるものは行方不明になり。最終的に、2組の勇者パーティのみが残された。

そのうちの一組のリーダーが、現在のラインバック王家の始祖アーサー・ラインバックである。強力な呪いを得意とした彼は、パーティの仲間、全員が行方不明になるも、単身ルネッサの元にたどり着き、その莫大なMPを封印することに成功する。

どれほど強大な魔法を操ろうとも、魔法が使えない大魔導師に対し、

唯一攻撃力を残した、通称、光の勇者の面々が立ち向かう。

この、光の勇者の一行の中に、かつて暗い目で世の中を見ていた、マーリンの姿があった。

どうやっているのか、MPがない状態で、複雑な術式を行使する大魔導師に対し、光の勇者たちは立ち向かうが、ルネッサを誅することと引き換えに、

ラインバックの仲間たちと同じように、マーリンのみを残して、光の中に消えてしまった。


光の勇者という通称は、実はパーティー名ではない。

最後の状況を語ったマーリンの言葉から、人々は彼らのことを光の勇者と呼ぶようになった。


うとうとしていたのか、マーリンは目を覚ます。

それほど時間は過ぎていないようだ。


あの時、光の中に消えていく彼と約束したのだ。

未来を子供たちを護ると。

そう、今の自分には護るものがある。

子供たちこそ、未来なのだと。

子供は大切ですよね。

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