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SUPPORTING ACTOR - 天落の魔術学園 1st-  作者: MIST・CAT
8th episode 日常─ゴカイ─
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王国騎士団

サバイバルが終わってから、二週間と数日が経過。その間に、フォイをはじめとした大物貴族の親たちが国王から相当な額の罰金として金を搾り取られて世間に晒されたことは世間の記憶にも新しい。


班員の知らぬところで、危うい事態を未然に防いだ当の本人は、平日であるにも関わらず寝ていた。


無論、学校をサボっているわけでも、病気で寝ている、なんてことではない。これはつい2週間ほど前の土曜日から、事件は起きていたのであった。


────


「ご馳走さま」

「ご馳走さまでした、ヒノさん!」


「お粗末さま、キヨとガルダスくん」


今日は、自身の経営している牧場にある食堂で料理している日野。そこで昼食を食べていたキヨとガルダスの姿があった。


「しかし、お前と知り合ってから随分と経つよなぁ……」


「あぁ……大体4年くらいじゃないか?あの事件がきっかけで会っただろ?確か」


「あの事件?」


懐かしむキヨと日野に、ガルダスが疑問を浮かべる。いかにもな怪しい単語が出てきたのだから、無理もないが。


日野は『あの事件』のことを聞かれて顔をしかめた。かなり酷いことだったらしい。


キヨは苦笑いを浮かべて説明を始めた。


「前に、少し聞いたとは思うが、俺が日野さんの牧場で起きた問題をちょっと片付けたんだ。厳密に言えば、ルニアたちが馬鹿やらかした後処理をした、ってところだな」


「あぁ……よく確かめもせずに牧場の魔物でも攻撃したのかの……」


「流石に慣れてきたか……大正解。魔物の小屋を掃除するために魔物を少し外に出しといたら、あの馬鹿どもが魔物を攻撃したんだよ。まぁ巻き込まれてその場にいた俺が止めたから被害は少なかったと……」


「けっ……全く……とんだ被害だったぜ……」


当時は相当頭に来ていたことが、その表情から伺える。 結局、この日はここにずっといたキヨたちだった。


そんな和やかな日々が過ぎた、翌週の水曜日。それは突然起きた。


「1年S組のキヨ・アルケムくん、キヨ・アルケムくん。至急職員室へ来てください」


授業中。突如として呼び出し。職員室に向かったキヨの前にいたのは、王国軍の兵士。突然の出来事にキヨと、キヨの呼び出しに反応して職員室前でキヨを待っていたガルダスの二人は固まった。


「お前がキヨ・アルケムだな?……少し聞きたいことがあってここに来た」


「は、はぁ……ガルダス、生徒手帳で待機してろ」


「う、うむ……」


ではいくぞ、というと兵士はキヨと共に学園から立ち去る。向かう先は、王国騎士団と呼ばれる組織の取調室。


王国騎士団は、いわゆる警察と考えてもらっていい。主な活動は治安維持である。その中は更に細かく分岐して様々な課が存在する。


「で、何の用ですか?」


何か手慣れてる感じのキヨに、本職の兵士の方が戸惑う。というか、なんでコイツ手慣れてる感じすんだよ、と疑問に思うのは仕方ないだろう。


そんな取調室は、とてもシンプルな作りである。こじんまりとした小部屋に、机が一つと椅子が2つ。椅子に座れば対面するようになっている。


「あ、あぁ……君はこの辺りにある闇ギルド『レッド・リボルバー』という名前は知らないか?」


闇ギルドと聞いたキヨは、表情を変える。今までの慣れている感じが消え、真剣に考えていることが分かる。


「闇ギルド……『レッド・リボルバー』……いえ、聞いたことはないですけど……」


「そう「団長!目撃者捕まえたって本当ですか!!!」……お前ははな「おい!テメェか!!余計なことしやがった馬鹿野郎は!!!」……馬鹿野郎はテメェの方だ!!こんの……ドアホ!!!」


いきなり部屋に乱入してきた新兵と思われる男は、入ってくるなり怒鳴り散らしてきた。が、元々キヨの取り調べをしていた兵士が思いっきり殴り付けた。


因みに、この時キヨが、唾汚ねぇな、などと思っていたのは余談。

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