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SUPPORTING ACTOR - 天落の魔術学園 1st-  作者: MIST・CAT
7th episode 学外実習─サバイバル─
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VS魔剣グラム

「……まさか、この数の貴族たちを圧倒するなんてね……いやはや、畏れ入ったよ……」


冷気と氷の欠片が充満する空間を、堂々と歩くのは、


「……フォイ・マル……お前か……」


決闘においてキヨに倒された、上級貴族。その顔は、どこか優越感を感じさせる。対してキヨは、相変わらず怒りを浮かべていた。


「なんだ、まだ拘るか?特待生に……」


「拘る、拘らないじゃない。貴様には過ぎると言っているんだよ、平民」


ここはあくまでも、学園の授業なのであり、その中での戦闘ならば、決闘による拘束は無効。つまり


「見逃してやるから、貴様の特待生の証をよこせ」


強引。傲慢。卑怯。卑劣。そう言われてもおかしくないような、子どもの我が儘な主張すら、可愛く思えるような口調。


「……なるほど……こいつらは捨てゴマといった所か?ゲスいな、おまえも。こいつらも……」


「何とでも言えばいいさ。しかし、君は一つ、勘違いしているよ。僕はこう言ったはずだよ。『見逃してやるから、貴様の特待生の証をよこせ』とね」


「……どういう意味だ?」


現段階で、既に相当鋭いキヨの目が、より鋭くなる。フォイはどうかといえば、より歪んだ笑顔をしていた。


「まさか、僕が何の準備もなく君の前に出てくるとでも?……あぁ、今頃君のお仲間はどうなっているのかな?」


「……はっ……」


その言葉から、キヨは思考を高速化させる。この、滝裏に作った洞窟は、水の影響で柔らかくなっていた。だからこそ、ダルラの土魔法で作ることができた。


ダルラよりも高度な土魔法の使い手なら、別の場所からでも洞窟に入ることができる。そう言いたいのだろう。


しかし、


「デタラメ言って、俺を動揺させようってか?」


「っ……」


「俺は、コイツらがここに来た時から、探索魔法使ってたんだよ。あいつらの近くに、お前らの仲間がいないことは把握してる」


「……隠蔽魔法を使わせたかいがある「あり得ないな」……これまたどうして?」


キヨはフォイのことなどお構い無しに、彼の話の腰すらもへし折って、口を動かす。


「隠蔽魔法は、まず発動することが不可能な魔法の一つなんだよ。中々知られてないけどな。理由は簡単。魔法の種類、規模のデカさ、属性、対象範囲に大きな制限がある。


隠蔽魔法はひとつしか存在しない。どんなに小型化した所で、魔法陣が必須になる上に、現存する、隠蔽魔法の魔法陣は土の上に書かないといけないという制約が存在する。


それに、陣の上しか効果がない。発動に必要なのは、基本属性全て、光、闇、氷、木の属性が必要だ。学生には過ぎた魔法なんだよ。大抵使われるのは違法奴隷の競売場所だったかな。


……よく調べもせずに、隠蔽魔法の名前を出したもんだな」


「なんだ……そこまで知っていたのか……だが……」


お互いに、得物を構える。片や一本の剣、片や二本の機械剣。


「この魔剣『グラム』の前に、お前を殺してやろう。『授業中の不幸な事故』として、な」


黒い直剣。元は白い剣だったこの剣は、血を、悪意を、敵意を吸って黒くなったと言われている。


「……魔剣か……これまた厄介なものを……」


「この剣さえあれば、貴様ごとき簡単に葬れるさ……そのCPが発動する前にな!!!」


ギィンッ!!!激しい金属音が、木々の間を駆け抜ける。キヨの機械剣が、勢いよく放たれた魔剣を受け止めた。


「っ……」(なんだこの力……身体強化だけの力じゃないのか!?いや、それよりも!!!)


「防いだか……はっ!!!」


フォイが叫んだ瞬間、キヨは斬られていた。


「がっ……は……!?」(なっ……んで……斬れてるんだよ……)


傷は深く、斬られた腹部かろ大量の血が流れていく。それを瞬時に氷で止血。改めてフォイを観察する。歪な笑顔が健在なだけで、特に情報は得られそうにない。

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