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SUPPORTING ACTOR - 天落の魔術学園 1st-  作者: MIST・CAT
7th episode 学外実習─サバイバル─
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サバイバル開始

そう言いくるめると、痛みやすい食材を使った料理を作る。



──2時間後──



「「「「「「ごちそうさまでした」」」」」」

「「お粗末さま」」



食材を提供したミラとキヨ。ご飯を食べた五人に挨拶は別れた。時間も、午後を少しまわった所で、キヨは彼ら彼女らに声をかける。



「ほら、そろそろ帰って準備してこいよ……つっても、さほど持ち物もないはずだけど……」



「え~?なら、まだここにいてもいいじゃん……」



「俺は準備するものが大量にあるんだよ!!分かったらそろそろ帰って準備してこい」



えぇ~……、不満をもらすチームメンバーを強引に放り出す。そして、自身の持っていく、機械剣や投げナイフ等の武器を選び始めた。



そして翌日。既にキヨたちは森の中にいた。彼ら彼女らは、制服の上に、茶色や黒、藍色等のローブを纏うだけの簡素な格好である。



「……」



キヨを除く6名(ガルダスが初っぱなから出てきた)は、かなり楽しそうに森の中を歩いている。なぜキヨがキヨだけ様子が違うのかというと……



────



「キヨ、ちょっといいか」



「……何スか、先生……」



なんとか武器の持ち込みも認められ、さっさとこんな行事を終わらせたいと思うキヨ。現段階では時間を取られたくないらしく、かなり面倒臭そうな顔をしていた。



しかし、サカタ先生は全く気にせずキヨに耳打ちする。



「噂の域を出ない話なんだがな……一部の学生が、怪しい動きをしているらしい……気を付けろよ?」



「……了解……」



────



(とは言ったものの……人と会わなければ対した問題じゃないか?……)



周囲を警戒しつつ、キヨたちのチームは身体強化をして疾走する。疾走する七人の隣に、並走してくる水の流れ、つまり川がある。配布された地図によれば、川に沿って行けば学園の施設に着くらしい。 そこからは全員、移動を徒歩から駆け足へと変更した。



川と共に移動すること約30分。そこでようやく他のチームと遭遇した。チームは全員男のようだ。



「っ!?来たぞ!!」



敵が、武器又は魔法を構える。対して、キヨたちのチームメンバーは、走る速度を落とさない。それを確認した敵チームが、魔法を放ってきた。



「ガルダス、奴らの方に衝!!!【ウィンドエリア】!!!」

「【魔砲・衝】!!!」



しかしそれが当たるよりも速く、ガルダスの魔砲・衝がぶつかり、軌道をずらした。キヨは半径10mに設定した【ウィンドエリア】を展開、何らかの迎撃を警戒した。



「くそっ!!!」



だがセニア、ルピア、ミラの服を敵チームの数名の手がかすっただけであっさりと抜けることができた。



「よっしゃあ!!いい感じじゃないか、キヨ!!!」



「あ、あぁ……そうだな……」



マグナは、相手をあっさり抜いたことを相当喜んでいるが、一方のキヨは、やはりというべきか、浮かない顔をしていた。



(……サカタ先生の、「気を付けろ」ってのは……)



どのことだ?とキヨが思考を続ける前に、再びチームが現れた。今はそれどころではないと、キヨは先ほどと同じ行動を取る。否、取ろうとした。



「【ファイアショット】!!」


(火属性の中級、広域魔法!)

「【アクアショット】!!!」



瞬時に相手と同じ魔法を発動。魔法を押しきって再び突破していく。先ほどと同じくセニア、ルピア、ミラの服が僅かにかする。



キヨは何とも言えない違和感を感じながらも、足を止めようとはしない。しかし、三再び他のチームがキヨたちの前に現れる。



「これならどうだ!!!【サンダーウェーブ】!!!」



さながら、電気の網のように放たれた、雷の波。



「ガルダス、貫の後にあいつらの右側に衝を打て!!!」

「【魔砲・貫】!!!」



ガルダスの【魔砲・貫】が、その電気の網を一直線に引き裂き、道を作った。ガルダスとキヨがチームから僅かに飛び出し、背中を合わせた。



「「【魔砲・衝】!!!」」



2つの衝撃が、相手チームを少しだけ硬直させる。瞬間、キヨたちのチームが間を駆ける。硬直からとけたチームは、やはりキヨたちの妨害をすべく、手を伸ばした。



しかし、それは誰にもかすることはなかった。そんな彼らを、疾走しながら肩越しに見るキヨ。



「…………」



キヨは彼らから、粘つくような嫌な視線と、気持ちの悪い嫌らしい笑み、そして、歪んだ、ギラつくような瞳を見た。それは、



(……あの時の……奴らの顔だ……)



【ウィンドエリア】に、僅かな反応が現れる。それも、すぐ近くから。その正体を見つけ、ある仮説にたどり着いたキヨは、思わず奥歯を噛みしめた。



(なるほど……貴族の奴らが何かを企んでるとは聞いていたが……こういうことかよ……)

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