ガルダスの日常2
(……【ムグナルク】を使ってるからいいものの……素なら辛いのだ……)
流石に2キロの荷物を持つのは、ガルダスだけの力では難しい。因みに、以前キヨと試したところ、1.5キロまでは普通に持てたらしい。
「まぁあと少しだから頑張れ~!!」
「頑張れ~!!!」
ライとヒョウカの応援に応えるようにガルダスは足を進める。とは言え、元々がギルド近くにある森。ギルドにこの荷物を運べばいいわけで……
──ギルド──
「はいっ!!クエストクリアですっ!!!お疲れ様でした!!!」
時刻は午前10時30分。昼食の為にも、そろそろ学園に戻らないといけない時間だ。ガルダスは二人に一言告げてから、ギルドから帰ってきた。
「キヨ!!!」
「おかえり」
キヨの部屋には、既に昼食が並べられていた。今日はパスタのようだった。それを素早く咀嚼、食べ終わると、再びギルドへと向かっていった。
「おっ、帰ってきた!!」
「すまぬ、待たせた……」
荒い息を整え、ライたちと合流する。どうやら、あと一つだけ依頼が残っているらしい。そして、その依頼の場所が今日遊ぶ予定の場所とのことだ。
「じゃあ行くぞ、皆!」
──少年少女移動中──
「はい、それじゃあこれを向こうの竜にあげてきてね?」
「はぁ~い!!」
「竜にあげてきてねって……大丈夫なのかな……」
牧場ことビーストファームにて、小さい子どもたちが妙に嬉しそうに走っていくが、その姿を心配そうな目のヒョウカが見つめる。その様子に、
「大丈夫よ?ヒョウカちゃん。彼らもご飯と子どもたちを一緒に見ないわ?」
依頼主の女性がなだめる。名前はミーティア・ヒノ。そう、食堂にいる日野の妻である。 日野とはなんやかんやで知り合って結婚したらしい。
子どもたちが各々、仕事をもらって移動。残ったのはガルダス、ライ、ヒョウカの三人。
「さて、年長の君たちには……」
そこで一度言葉を切るミーティア。ゴクリ、ガルダスたちが唾を飲む。
「君たちの仕事は……」
「「「仕事は?」」」
「……正直ないのよね……」
グシャア、ガルダスたち三人がずっこけた。
「いやぁ……気づいたら力仕事なかったのよねぇ~……残ってる仕事は皆いてくれないと大変だし」
「え……いや……え?」
「まぁそんな訳で、少し休んでてね?」
ポカーンとした顔の三人を置いて、一人だけ軽やかな足取りでミーティアはその場から離れる。
「……ど、どうするのだ……?」
「……と、とりあえず、言われた通り休憩しましょうか……ね?」
「だな……」
三人は結局、言われた通りに休憩することにした。移動し、ギルドの子どもたちがいつも使う休憩所に向かう。
「しかし……竜って……なんでこんなところにいるのだ?」
「なんかこの牧場のオーナーさん……ミーティアさんの旦那さんが各地で任意捕獲してきたんだってさ」
「任意捕獲?」
「任意捕獲っていうのは、魔物に餌付けなんかをしてなつかせるのよ。で、なついた魔物を使役すること。因みに、ここの旦那さんとかの、任意捕獲を得意としてる人たちを魔物使役士っていうのよ」




