転校生は突然に
ガルダスは順調に魔力コントロールをものにしてきている。ある程度で魔力コントロールの修行を止めて、2つの魔法を同時使用する修行を始める。
「【ムグナルク】!!!【魔砲・衝】!!!」
このようなことを繰り返すこと1時間。ガルダスは部屋に帰っていった。そして昼食の時間。
「そろそろ皆帰ってきてんなぁ……食堂、空いてるか?」
学園の食堂に、キヨとガルダスは来ていた。しかし、中は混雑している……と言うほどは混んでおらず、二人は食堂でご飯を食べた。昼食を食べ、部屋で少し休んだキヨは立ち上がる。
「さて……少し食材買ってくるか……ガルダス、留守番頼むな?」
「了解なのだ~……食べ過ぎた……」
食べ過ぎに苦しむガルダスに留守番を頼み、キヨは食材を買いに出掛けた。買うものとしては、パン、米、野菜、肉、調味料などの各材料だ。
──(´・ω・)少年買い物中(-ω-`)──
キヨが買い物に出掛けて1時間か経過。時計が2時30分を指していた。ガルダスはようやく食べ過ぎ状態から解放されて、部屋でゴロゴロしていた。
が、ピンポーン、と部屋のチャイムが鳴る。「は~い」とガルダスが部屋の扉を開ける。そこには、いつかキヨが不良から助けた少女がいた。
とは言え、ガルダスはその時生徒手帳の中にいて、見ていないのだが。少女も少女で、子供が部屋から出てきたことに困惑している。
「私の名前はガルダス・ザーク!!キヨの使い魔だ!!」
少女は使い魔と聞いて納得した。学生にしては小さい子どもが出てきた理由がわかったようだ。
「あっ……使い魔くんか~!お留守番してるのかな?」
「うむ!で……お姉ちゃんは誰?」
ガルダスが、首をコテンッと傾げる。その動作に(可愛いなぁ~)と思いつつ、少女は答えた。
「今日から……えっと……この部屋のお隣に引っ越してきたの。挨拶しようと思ったんだけど……いないよね?」
「うん。たぶんまだ帰ってこないと思うぞ?」
との答えを聞き、少し考えると少女は
「そっか……じゃあ明日またご挨拶に来ようかな?ガルダスくん、また明日ね~!」
「うむ!!また明日頼むのだ!!!」
ガルダスは手を振りながら、部屋の扉を閉める。少女は何か予定があるらしくそのまま出掛けていった。
その出来事から更に1時間後。キヨは大荷物を持って帰ってきた。
「ただいま~」
「お帰り~!」
トテトテとベッドから出てきて、リビングへ顔を出すガルダス。キヨはガルダスに問いかける。
「なんかあったか?」
「うん。お隣さんが来たぞ?」
「お隣さん?誰だそれ……」
「知らん」
流石に「知らん」と断言されれば、呆れ顔にもなる。しかし、キヨが何かを言う前にガルダスは言葉を発した。
「明日また来るって言ってたのだが……」
「あぁ、なるほど……自己紹介はしてないのね……」
理由が分かったとは言え、なんとなくスッキリしないキヨ。まぁ明日になれば分かるか……と、その気持ちは一度置いておくことにした。
「さて……もうやることやったし、寛げるな……」
「そうだの……あ、本でも読もう……」
結局、晩御飯までは各自好きに過ごした。二人は晩御飯にカルボナーラを食べ、それから直ぐにシャワーを浴びて、翌日にそなえてなのか、9時には就寝していた。
二人が寝た頃、キヨたちの隣の部屋へと引っ越してきた少女が帰ってきた。部屋の鍵をあけ、部屋に入る。当然、戸締まりをしっかりとする。
少しは荷ほどきしてはしたのだろうが、まだまだ部屋の中には段ボールが積まれていた。寮に備え付けられているベッドや机、タンスはいつでも使える状態だが。
少女は一つの段ボールから着替えとバスタオル、小さめのタオルを取りだして、シャワーを浴び始める。
(はぁ~……疲れた……でも、明日からは名門、王立プライン学園に通うんだもん!!!頑張らないと!!!)
と、とても熱くなっていた。
一度シャワーを止める。タオルを使って石鹸を泡立て、ほどよいスタイルの体を洗っていく。
ある程度体を洗うと、少女は泡を流し落とす為にシャワーを再び浴びる。泡を流し終わると、シャワーを止めてバスタオルで水分を拭き取ってから、寝間着に着替えた。
夜は迷惑になると判断したのか、荷ほどきはせずに、ベッドへと倒れ込んだ。
しばらくして、スヤスヤと眠りについた少女が、そこにいた。




