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SUPPORTING ACTOR - 天落の魔術学園 1st-  作者: MIST・CAT
5th episode 夏季休暇 ─スキルアップ─
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結果が欲しくば努力が一番だと思う

キヨとガルダスが故郷から帰り、数日後。二人は寮近くの森、もはやガルダスの指定席となりつつあるそこにいた。



「じゃ、始めるか……」



「うん!!よろしくお願いします!!!」



キヨは身体強化を、ガルダスは【ムグナルク】を使う。キヨはガルダスの【ムグナルク】が発動したことを確認すると、コインを弾く。



コインはキィンッと音を響かせて、中を舞う。やがて、コインは地面へと吸い寄せられ、チャリンと音を立てて地面に落ちた。



瞬間、ガルダスはキヨへと走る。キヨも駆け出す。そして、二人の拳が衝突する。



ガルダスは反対の拳を構え、つき出す。が、キヨは軽く掴むと、ガルダスを放り投げた。



空中で回転。体勢を直したガルダスだったが、既にキヨの蹴りがガルダスへと放たれていた。それを屈んで避ける。



屈んだ状態から、足に力を込める。そして、さながらロケットのようにキヨの顎目掛けて跳んだ。



対してキヨは、わざと体勢を崩す。後ろへ倒れることで頭突きを回避。空中へと飛び出したガルダスを下から蹴り上げる。



蹴りを、腕をクロスさせて防いだガルダス。滞空時間が僅かに伸びた。キヨはガルダスが動けない間に立ち上がり、ガルダスから距離を取った。



「よし、前よりはよくなってるぞ?」



「本当か!!!キヨ!!!」



「あぁ、本当だ……よし、今日はここまでだ。後は魔力コントロールの修行だ」



そう言うと、キヨは魔力球をいくつか作り出す。そして、その魔力球の維持をしつつ、魔力球が歪にならないように注意する。



ここ数日、ガルダスの訓練内容は以前とは大きく変わっていた。と、言うのも



──学園に帰ってきた日の夜──



「キヨ!!!」



「ん?なんだ?今は飯作ってるんだが……」



帰りがけに食材を買ったキヨは、部屋のキッチンで料理していた。疲れているため、外に食べに向かってもいいのだが、あまりお金を使いたくないとのことで、キヨがご飯を作っている。



食堂は残念ながら、休みになっていたため、ただ飯は断念せざるを得なかった。さて、そんな中で、ガルダスは自身の希望を述べる。



「私を強くしてくれ!!!」



「はぁ?……あぁ、修行つけてくれってことか……明後日にはそうするつもりだったが?」



「本当か!!!」



「嘘言ってどうすんだよ……ほら、これ運んでくれ」



ご飯をよそったお皿をガルダスに渡す。キヨも、おかずをのせたお皿を運び、ご飯の準備が整う。



「いただきます」

「いただきます……キヨ、本当に修行つけてくれるのか?」



「……ご飯の時くらい、極力修行の話は忘れてくれ……」



────



なんてやり取りがあったからだ。現在では、今までの内容とは大きく変わっていた。



例えば、魔力コントロールの修行。以前は単に魔力の放出を体に染み込ませることを重視していたが、現在は完全にコントロールのためだけの修行になっている。



現在キヨが行っている修行方法だ。ガルダスも今はこの方法をとっている。が、



「ぐっ……ぬぬぬ……」



4つ展開した魔力球は、すぐに歪になり、破裂する。ガルダスの最高記録は魔力球3つまで。



因みにキヨの最高記録は、魔力球25個。とは言え、魔力量的には、キヨの総魔力量の半分近くを削るため、中々そんな数を出して行えない。参考までに言えば、帝クラスならば、35個が維持の限界である。



つまり、キヨはかなり高い精度で魔力コントロールを行っていると言える。最近は、1つずつ魔力球を作り、3つ作るまでに、いかに速く、綺麗な球体で作り出すことができるか、という方法を試している。



他にも、ガルダスの修行に加わったのは、体術。もっとも、これはオマケ。



ガルダスたっての希望ではあるが、小さい内に筋肉をつけすぎるのは良くない。いかに魔力という補助があっても、激しい動きは体を壊すことになる。



キヨはそれを防ぐために、護身術に近い戦闘方法を教えている。それも比較的短い時間だけだ。

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