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SUPPORTING ACTOR - 天落の魔術学園 1st-  作者: MIST・CAT
1st episode 理由─ワケ─
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脇役と使い魔

そして、入試当日……もとい、単なる使い魔召喚の日。



入学試験と言うのは嘘である。使い魔召喚の後にネタばらしされるのが通例であり、規則である。



そんなことも知らずに、キヨや数多くの学生はプライン学園の訓練所にいた。



召喚方法は至って簡単。一滴、血を垂らしてから魔力を召喚魔法陣に注ぐだけ。



そして、キヨの番。風の初級魔法【ウィンドカッター】で指先を切り、血を垂らす。



そして、魔力を注ぎ込む。



直後、まばゆい光が、魔法陣から溢れる。陣からキヨの使い魔が、姿を見せた。



──体中に大量の傷を作った、魔族の子どもだった──



キヨと試験官は慌てて魔族の子どもに駆け寄った。幸い、擦り傷だけで、骨折や脱臼といった怪我もなかった。



キヨは水の中級魔法【アクアヒール】を魔族の子どもに掛けると、魔族の子どもは水に包まれる。



訓練所の端で、暫く待っていると、魔族の子どもを包んでいた水が消える。治療完了の合図だ。



「ふむ……一応、様子を見ようか……それから契約しなさい」



試験官に促されたように、キヨは魔族の子どもの傷などを調べる。虐待とかではないようだった。



(……もしかしたら、森の中を走り回っていて、大量に擦り傷を作っていただけかも……けど、何だ?このボロい毛布は……)



「ん……」



「おい、大丈夫か?」



「ここは……?」



と、魔族の子どもが目を覚ました。だが、現状が分からないらしい。



とにかく説明することにした。使い魔召喚をしていること、呼び出したら魔族の子ども……つまりは当人が傷だらけで倒れていたこと。治療したこと。そして今。



「つまり……私が……えと……あなたの使い魔になるのか?」



「あぁ……名前言ってなかったな、すまん。キヨ・アルケムだ、よろしく」



「ガルダス・ザーク、こちらこそよろしく頼む!」



使い魔契約は、大抵の場合は魔力の交換になる。キヨはガルダスに魔力を流し、ガルダスはキヨに魔力を流した。そこで、ある違和感が生まれた。



(……なんだ?属性が感じられない……)



普通なら、使い魔契約時に、お互いの得意な属性が分かるらしいのだが、ガルダスの魔力からは得意な属性がわからなかった。



ガルダスの方は、キヨの属性が分かったのが嬉しいのか、はたまた使い魔になれたことが嬉しいのかはしゃいでいるが。



それは後だ、とキヨはそれよりも重要なことを聞いた。なぜ傷だらけだったのかを。が、



「さぁ?覚えているのは、森を走ってて……崖から落ちたところくらいしか……」



記憶喪失になっていた。とにかく、とキヨは動いた。



「……とりあえず契約が終わりました……」



試験官に契約したことを報告する、と共に気になることを聞く。



「あのガルダスって子の属性が分からないんですが……」



「属性が分からない?……おかしいな……普通なら分かるんだが……検査してみるか」



流石に始めての事態らしいく、急遽ガルダスの属性検査が始まった。検査には、丸い水晶を使用する。魔力量と属性が分かる。



魔力に反応して、属性の色(火なら赤など)に変わり、色の濃さによっておおよその魔力量が分かる。



結果は……



「無属性!?……変わりと言わんばかりに、魔力量があるのか……」



そう、無属性。普通なら、一属性ある。たまに二属性、極稀に三属性持ちが生まれるが。



無属性は、身体強化、部分強化、転移、念話……それ位しかない。戦闘用と言うよりは補助用だ。



……つまり……



「戦闘は期待できないな」



試験官が呟く。



──普通なら、な──



使える魔法がないなら、創ればいい。それだけだ、とキヨは内心で思っていた。



「……全く……今年は荒れそうだ……」



再び試験官は呟く。その言葉に、キヨは困惑の色を浮かべた。



「さ~て、ネタばらしするか」



いきなり性格変わった……とかはキヨとしてはどうでもいいらしい。それよりも、明かされた秘密が驚きだった。



前述の通り、実は使い魔召喚は試験じゃないとか、実は入りたい学校に入れるとか、そういった話だ。



「つまり、わざと落ちようとしたところで意味ないと……」



試験官の顔が、無慈悲にも縦に降られた。



キヨの案としては、

プライン学園受けたけど、落ちちゃった

→てな訳でアズマ学園行くからじゃ~ね~サヨナラ~

……という作戦だった。



終わった、確実に終わった。キヨが唖然としたのは、言うまでもないだろう。

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