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SUPPORTING ACTOR - 天落の魔術学園 1st-  作者: MIST・CAT
5th episode 夏季休暇 ─スキルアップ─
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キヨ、はじめてのクエスト

「そっ……なら、あえて言わなくていいかな?」



「二人で勝手に話を進めないでくれないかしら?」



キヨとシドが勝手に話を進めていた訳だが、マリアとガルダスには展開が速すぎたらしい。特にガルダスは、もしもお笑いマンガなら、頭から煙をあげそうな、そんな雰囲気である。



「……まぁ要するに経験値稼ぎと、今後のために魔力コントロール上手くしておこうってこと」



「いや、そのあとが分からないのよ」



「え~?」



「え~?じゃない!」



しょうがないなぁ~、とでも言わんばかりにため息をつき、シドが解説する。



「キヨの経験は対人戦に偏ってる訳だ。対魔物戦になると魔物の動きについていけなくて、とたんに弱くなるんだよ。対魔物戦を経験させる、つまり経験値稼ぎだね?


魔力コントロールについてはね、正直な所、キヨのそれは学生の域を既に越えている。けど、しょせんは学生の域を越えているだけで、猛者の域には全くたどり着いていない。


魔力コントロールを極めることは、より早く魔法を習得するための近道。そして、より効率的に魔力を扱えるようになる……それは魔法の威力強化もそうだけど、魔力の増加にも、少なからず繋がる訳!」




あ~ダルかった~、とシドが解説を終えると訓練所から出ていく。次いで、キヨ、ガルダス、マリアとそれに続いていく。



「……さてと、じゃあさっそく依頼を受けようか!」



一足先に依頼を選んでいたらしいシドが一枚の紙を持っていた。そこには、ある依頼が記載されている。



────

・森ノ超獣 ランクA

近くの森に、今まで見たことのない大きな虎みたいな魔物がっ!!

これじゃあ安心して蜂蜜採取にもいけない!!!

お願いだからあの魔物をなんとかして!!!!

────



「モ○ハン?」



ガルダスが何やら呟いたが、スルー。この依頼にある虎のような魔物とは、キヨの頭の中には一体しかいない。



「森に出る虎の魔物……ウッドタイガーか?」



木属性の魔法を使う魔物。体を木で覆い、体を守っており、しかしその体の木は火で燃えることはない。



凶暴性は高く、また爪も木で出来ており、その打撃は岩を粉々にする程の破壊力である。ランクはSよりのAである。



「……ランク高くね?」



キヨがそう言うと、シドは「えっ?」と驚愕をあらわにした。



「まぁ僕も一緒に行くし、大丈夫でしょ」



と、シドは軽く流す。そして、意気揚々とギルドから出ていく。キヨはガルダスに、生徒手帳に入ってもらい、自身もギルドから出ていく。



「さてと……依頼にある森だけど徒歩で行けそうだね~?さっ、ちゃちゃっと終わらせよう?」



「はぁ、分かった分かった。なら、さっさと案内してくれ。俺、その森知らないし」



了解、とシドは身体強化をかけたのを見たキヨも、自身に身体強化を施す。キヨが身体強化を施したのを確認し、シドは一気に加速する。キヨも、シドを追って加速していく。



(はぁ~……早いなぁ~……)



生徒手帳の中から、ガルダスは感想をこぼす。そして、二人の高い精度の魔力コントロールに感心する。



そして思った。いつか、追いつくのだ、と。



──数十分後──



「はぁっ……はぁっ……」

「ん~?もうバテたの?」



依頼の中心である、森の入り口。息切れしたキヨと、まだまだ余裕の見えるシドがいた。と言うか、既に徒歩でもなく走っていたが。



「しかし……木の一本一本が大きいのぅ~……学園の木の比じゃないのだ……」



生徒手帳から既に出ていたガルダスが、森を構成している木々の大きさに驚いている。手をあて、木の感触を確かめている。



「はぁ、はぁ……よし、もう大丈夫そうだ……」



キヨの息切れがある程度おさまると、三人は森の中へと入っていく。

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