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SUPPORTING ACTOR - 天落の魔術学園 1st-  作者: MIST・CAT
5th episode 夏季休暇 ─スキルアップ─
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火炎の鎧と怪鳥2

(っ!?入り口が塞がれた!!!だが、イレギュラーなら直ぐに助けがくる……が、試験なら直ぐにはここに来ない……時間を稼ぐしかないか……)



「ガルダス、時間を稼ぐぞ!あれは俺たちじゃ勝てん!!!」

「ぬ!?」


会話する二人に、フレスベルグの炎が迫る。が、それをガルダスの【ムシルド】で反射する。反射され、より大きくなった炎は、フレスベルグに直撃した。



「ギュアアァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」



しかし、それはフレスベルグを怒らせるだけだった。キヨは舌打ちし、考える。



(弱点としては、翼!!……いや……俺たちじゃ傷すらつけられないな……なら、賭けてみるしかないか……)



そして、作戦をガルダスに伝える。



「賭けになるが、作戦だ……ガルダス、ついてこい!」



そして、部屋の角へと走る。それについていくガルダスと、追うフレスベルグ。後ろから炎の追撃が襲う。



「ガルダス、ムシルド!!!」



指はガルダスの背後。指示した方向にガルダスは盾を展開し、炎を防いだ。そして、角へと到着した。



「ここなら、背後からの強襲はない……ガルダス、奴が近づいてきたら、衝を一発。その後に貫を打ってくれ」

「了解……」



「ギュアアァァァァァァァァァァ!!!」



追い詰められたように見えるキヨたちに、フレスベルグは雄叫びをあげる。それは、強者が弱者を捕食する時にあげるものか。はたまた、二人を貶したものか。フレスベルグは、二人に向かって突撃する。



「……今!!!」

「【魔砲・衝】!!!」



今まで使われていた【魔砲】とも、【魔砲・貫】とも違う、魔力の衝撃波がガルダスの掌底から放たれた。



衝撃波により、フレスベルグの動きが鈍る。翼を用いて飛行していたために、空気がいきなり不規則に揺れたからだろう。そして、キヨも隙を作るために動く。



【アイスソード】を投げつけた後、気迫を……殺気をフレスベルグにぶつける。キヨが、生死を懸けた戦いで得た一つの力。それは、ほんの少しだが、フレスベルグを思い止まらせた。



「ガルダス、奴の下から打て!」



キヨは、その隙に指示を出した。ガルダスも、それに従って、魔法を放った。キヨも、その間に移動する。



「【魔砲・貫】!!!」



それはちょうど、フレスベルグのお腹にあたる部分へと直撃した。いかに硬いと言えど、多少なりともダメージはある。フレスベルグの嘴から、僅かに空気がもれた。そこに



「【アクアスクリュー】!!!」



キヨが水の中級魔法【アクアスクリュー】を発動させた。水の螺旋は、フレスベルグの嘴へと押し込まれていく。それはやがて、肺へと到達した。



「ギュアァァァ!?……ギュ……ギ……」



フレスベルグは、勢いよく壁にぶつかり、地に伏した。



「やっぱりそうか……いかに外が硬くても、内臓まで硬いことはない……もし中まで硬かったら、手詰まりだったな……ま、鳥が元なら中が柔らかいし、肺呼吸だろうからむせかえってるのは、妥当だけどな」



フレスベルグを見下ろし、キヨはガルダスに伝える。そう、まわり(外殻)が駄目なら中(内臓)を狙えばいい。



「これで、暫くしたら誰かくる……」

「キヨ!あの鳥が!!!」



「ギュアアァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」



フレスベルグが、突如起き上がる。狙いは、キヨ。その大きな嘴を開けて、鋭利な牙が、ギラリと姿を見せる。



「しまっ……!?ガルダス!!!」

「なっ!?キヨ!?」



キヨとガルダスの立ち位置も問題だった。フレスベルグの嘴から分かる攻撃範囲には、ガルダスもいる。ガルダスをその攻撃範囲から突き飛ばしたキヨは、今からは逃げられない、そんな距離にいる。



そして、血が飛沫となって訓練所を濡らした。

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