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SUPPORTING ACTOR - 天落の魔術学園 1st-  作者: MIST・CAT
5th episode 夏季休暇 ─スキルアップ─
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今再び、理不尽な理由の、理不尽な戦闘

じゃあね、とシドは帰っていった。キヨも、早く帰ろうと校門へと向かった。



「来たな!」

「……さっきは……よくも……」

「もう許しませんわ!!」

「キヨだからって、もう我慢できないからね!」



校門の前に、取り巻き連中が集まっていた。しかも、ルニアまで。



「一緒に買い物にいってもらうからね!みんなに酷いことしたんだから!」



既に人はいない。皆の早く休みに入って欲しいという欲求の現れだろう。キヨはキヨで、疲れている。



「はぁ~……頭痛ぇ……」



しかし、人がいないならば、キヨは好きに動ける。



「つうかよぉ~……用事あるって断っただけで酷い断り方ってんなら、いい断り方を教えてくれ……無理だろうけど」



ある意味正しい。正直、他にいい断り方があるのかは分からないが。しかし、彼ら彼女らはそれにカチンと来たらしい。



「なめてんじゃねぇ!!!」



中級魔法【ファイアランス】が、キヨへと向かって進んでくる。放ったのは、イツキだ。



「【アクアポール】」



キヨは【アクアポール】を正面からぶつけて、それを相殺した。火には水、相性が良いために、初級魔法での相殺が成立したのだ。魔力の練りに問題ありだが。



「……【ダークランス】……」

「【アクアウェーブ】!!!」

「【アースランス】!!!」

「【ホーリーハンマー】!!!」



闇と土の槍、水の波、光の大槌。それぞれ各属性の中級魔法だ。対してキヨは



「【エアリアルホップ】!!!」



後ろへと後退してから、再び【エアリアルホップ】で上空へと逃亡し、光の槌と、水の波を回避。しかし、身動きの取れないキヨに、闇と土の槍が迫る。



「【ウィンドウェーブ】!!!」



風の中級魔法【ウィンドウェーブ】を放つ。この魔法により、二つの槍が描く起動から、キヨは外れる。そして、上空からの空気の波が、地上にいる五人を、襲った。



「よっと……で?何か?」



「うっ……ぐ……」

「……あぅ……」

「はぁ……はぁ……はぁ……」



キヨは軽やかに着地。目の前にはルニアと、ティーシャ、メルが辛うじて立っていた。イツキ、ポップルは当たり所が悪かったのか気絶していた。



「まだやるのかよ……」



高々中級魔法一発もロクに防げなかったにも関わらず、未だに戦闘意欲を見せる三人に、キヨは呆れを隠せない。



「なら!!……【聖なる光よ 我が意の元に集まり、ドラゴンの形となりて従え ホーリードラゴン】!!!」



ルニアは、光の最上級魔法【ホーリードラゴン】を出してきた。いつかのフォイ戦で出てきた【サンダードラゴン】の光属性版だ。ここまでくると、流石に教師が黙っていない、もとい気付く。



「【ウィンドスクリュー】……」



キヨに噛みつかんとする、光の龍の口に、圧縮された風で作られた螺旋が入り込む。そして、口から食道、胃へと風が到達した瞬間、キヨは魔法を解除する。



圧縮から解放された風は膨張、龍の胃を破裂させた。光の龍はその形を、力を失った。光の魔力が、煌めきながら空を漂う。



「そ……んな……馬鹿な!!!」



「魔力の練りが甘いから簡単に壊される……そんなことすら……理解できないか……」



呆然と、【ホーリードラゴン】がいた空を眺める三人に、キヨは拘束魔法を使う。イツキ、ポップルも一応拘束して、職員室へと放り込む。



事情をサカタ先生とビッチ教師に聞かれたりもして、結局キヨは昼御飯を食べ損ねた。



「キヨ?遅いから来てしまったぞ?」



寮の部屋には、待たせていた筈のガルダス。事のあらましを話すと



「また奴らのせいなのか!!なんなのだ一体……ストーカーというやつなのか!!!」



わりとマジギレだった。とは言ってもだ。ガルダスの特訓はわりとルニアたちのせいで潰されてきたのだから、仕方がない。

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