ガルダスの、とある日常の一部
「【ムシルド】!……と、【魔砲】!!」
寮近くの森で、魔法の訓練をしていた。二つの魔法を扱う訓練だ。今や、これも完璧になっていた。しかし、未だに習得出来ていない魔法もある。
しかし、その魔法については高い威力、莫大な魔力とそれをコントロールしなければならない等の事情から練習すらさせてもらえていない。
「後は、魔力コントロールの訓練だな!」
一定の大きさの魔力球を作る。完成したら、その魔力球は解除、また新たな魔力球を作る。といった作業だ。
ガルダスのように大量の魔力を保有する人(ガルダスは魔族だが)の場合、大量の魔力を一度に放出するとコントロールが効かなくなり、魔力が暴走する危険があるのことは前に説明した通り。
その為、ある程度の魔力放出を繰り返して、体に感覚を植え付けることがこの訓練の目標だ。
因みに、この訓練は魔力コントロールのものとは微妙に違う。似通っているし、魔力コントロールも上達しない訳ではないので、魔力コントロールだとキヨは話したのだ。
ガルダスも何となく違うことは分かっているが、何か理由があってのこと、と何故か理解しているので問題にすらならないのだ。
暫くその訓練を行っていると、周囲に動物がやって来た。ガルダスが大量の魔力を消費することで、森の木々がその魔力を吸い、通常のものより早く、力強くなるのだ。その恩恵は当然、動物たちにもある。
木々から感じる魔力に、ガルダスの魔力が大量に混じった結果、動物たちはガルダスになつくことになったのだった。
「ん?おぉ、お前たちか!」
リスのような小動物から、熊のような大きな動物まで、様々な動物がガルダスに近づく。どれも敵意はない。じゃれついてくるのだ。
訓練が終わった後は大抵動物と遊んでいるガルダス。それは今日も変わらない。




