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SUPPORTING ACTOR - 天落の魔術学園 1st-  作者: MIST・CAT
4th episode 学生の敵─テスト─
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キヨのスパルタ式?テスト対策

「嘆いていても仕方がない……マグナとルピアは基礎の理解から始めるぞ。ダルラとセニアは応用問題を解くための練習だ」



過去問を見たキヨの見立てでは、基礎問題が四割、応用問題が三割強、高等部レベルの問題は一割強、賢者レベルの問題は一割あるかないか。



賢者レベルの問題は、入試の問題と同じものしかない。キヨには対策も糞もなく、受ければいいだけのようだった。



「で、基礎がガタガタな二人はとにかくノートを黙読すること」

「ノート取ってないんだけど……」

「同じく!」

「…………」



まさかそこからか……とキヨはまたもや頭を抱えた。



「え……と……ノートを取ってない……と?」



「だから、キヨのを写させてくれ!」

「無理。俺、ノートなんか必要ないから取ってないし」



伊達に筆記試験で特待生になってねぇよ、とキヨ。



「あ、ノート取ってます」



セニアがおずおずとノートを取り出す。そのノートには、きっちり板書されたものが写されていた。貸してくれ、とキヨはノートを見る。



「数学のは……こことここ……ここもだな……計算式が違うな……国語は……大丈夫だ……国史は……写し間違えが少し……世界史も……ここだけ写し間違えがある……魔法陣・術式は……専門用語が多すぎるけど問題ないな……」



素早く手直しをして二人に渡す。マグナとルピアがカリカリと書き写していく。セニアとダルラは、その様子をポカーンとした表情で見ていた。



「ん?なんだ?何か問題があったか?」



「いえ、そうではなく……」

「あんな量のノートをぱっと見ただけで直してるのに驚いて……」



「あの程度ならどうにでもなる。やることやってればな……さて、応用問題以降に難ありの二人には、ひたすら問題を解いてもらう。応用問題ってのは基礎問題が解ければなんとかなるものが多い。要は、コツを掴めばいい」



と、過去問からいくつか問題を解かせる。因みに、図書室にあった過去問なので、ノートに問題を写させている。



「さてと……」



キヨは鞄からノートを取りだし、何かを書き込んでいく。そこには、いくつかの魔法陣と、その術式が書かれていた。



「…………」



適当な所で切り上げて、様子を伺う。どうやら応用問題組が行き詰まったようだ。後ろから問題を確認して、アドバイスを与える。



「この問題は、使う公式は合ってるが、入れるものが違うな……」



「え?」



「で、そこ基礎問題組は話してないで写せ。そして黙読してろ」



「「は~い」」



中々問題はありそうだが、キヨはきちんと面倒を見ていた。そんな日が数日続き──



「じゃ、確認テストするぞ」



「「「「え?」」」」



土曜日の朝。キヨが突然確認テストを持ち出した。四人はすっとんきょうな声を出してしまった。



「確認テストだ。確認テスト。基礎問題組、応用問題組で出題してる問題は違うから、満点を目指して挑め。制限時間は一時間な」



用紙を配りながら、キヨが説明した。そして、問答無用で開始。



──一時間後──



「はい終了。回収するぞ~……あ、少し休んでていいぞ?」



グタッと倒れ込む四人。四人の解答用紙に採点していくキヨ。そして、一時間で採点を終わらせた。



「じゃあ返却する。ついでに間違いのある問題の答えに目を通しとけ」



「しかしさぁ」



「あん?何だよ」



不意にマグナが呟いた声に反応するキヨ。



「なんでお前は勉強(こんなの)分かるんだ?」



「あぁ……分かるから分かるんだ。それだけ。てか間違えた問題を復習しろ。マグナ、お前まだ基礎がズタズタだそ?」



バッサリ切り捨てる。そしてもう質問してくるなという空気を作る。数分経ち、キヨが再び話し出す。



「さて……これで誰がどれだけ解答できるかが分かった所で、それぞれに指示を出す。


まずはマグナ。またノートを黙読。部屋で、1人でやる時には音読な。


ルピアは基礎が出来たから、応用問題の解き方の練習だ。


セニアとダルラは高等部レベルの問題に挑戦しよう。解けなくてもいいが、努力はしろよ?」



各自行動開始、とキヨが手を叩きながら言ったのをきっかけにして、四人が動く。マグナはノートの黙読。ルピアは応用問題に、セニアとダルラは高等部レベルの問題にそれぞれ取り組む。



キヨはまず、ルピアに話す。セニア、ダルラ組に話したことを繰り返す。そして、自分のノートを開いて書き込みをする。



そこには、既に完成した魔法陣と術式があった。



(6つの内の3つは完成。他3つは未完成……しかし、『この魔法』は早く作らないとな……)



完成した魔法陣と、未完成の魔法陣を見つめ、どの魔法から作るのかを決定していく。そして、重要な魔法が七割程度出来た所で、四人の様子を観察する。



「……使う公式が違うぞ……」



「え!?嘘!?」



「本当……」



ルピアの解こうとしていた問題だが、使う公式が違った。また



「公式の使い方が微妙に違う……途中までは合ってるが……いや、なんでここまではあってんだこれ……」



セニアとダルラは、公式の使い方が違うのに、何故か途中まではあっていたりした。そして試験当日。

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