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SUPPORTING ACTOR - 天落の魔術学園 1st-  作者: MIST・CAT
3rd episode 学年別対戦─トーナメント─
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学年別トーナメント─一年生最強決定戦2─

「【ダークバード】!!!」



シドは、闇の上級魔法【ダークバード】を発動。大量に作られた、漆黒の鳥がキヨへと迫る。それこそ、自由に動き回り、軌道を読ませない。複雑な動きをする鳥からも、シドの技術の高さが伺える。



「くそっ!【アクアゴート】!!【エアリアルホップ】!!!」



分身を作り、それを上空へと打ち上げる。自身も、【エアリアルホップ】でシドの近くへと接近する。



鴉は、分身とキヨの2個体へと迫る。が、キヨ自身には当たらない。【エアリアルホップ】での加速は、それほどまでに速い。



対して、分身である【アクアゴート】は、格好の標的として、文字通り穴だらけになった。



「おぉぉぉぉ!!!」



キヨの武器である機械剣が、シドへと肉薄する。それでもシドは慌てない。僅かに体をそらし、斬撃をかわした。



さらに、手に魔力を込めてキヨの鳩尾を狙って殴る。が、キヨは咄嗟に後ろへ下がることで事なきを得た。



「はぁ……はぁ……はぁ……」

「へぇ~……粘るねぇ~♪」



でも、とシドは再び新たな魔法を展開した。闇が渦巻き、形を露にしていく。



「【ダークナイト】……だと……」



闇の上級魔法【ダークナイト】。影で出来た鎧に身を包み、手には槍、又は剣を備えていた。それが4体だ。



「さぁ、どう対応するんだい?キヨ・アルケム?」




(上級魔法を何発撃ってきやがる……それよりも……あの【ダークナイト】をどうするか……だ……)



【ダークナイト】の斬撃や刺突をいなしながら、考える。が、キヨの体には、次第に傷が増えていく。



「賭けるしかないか……【アクアウェーブ】!!!」



黒い騎士は、それを見て後退する。【アクアウェーブ】と、少し前に放った魔法【アクアボール】により、辺りに水溜まりができる。



「……これだけ水があれば、なんとかなる……」



キヨが呟く。が、シドは未だに笑顔を崩さない。



「【アイスニードル】!!!これで……ぶち抜けぇ!!!」



水溜まりから、氷が発生した。氷は氷柱のように鋭かった。その切っ先が、闇の騎士を貫いた。騎士たちは影に帰るかのように、散り散りとなって消えた。



「……」(なんとかこれで【ダークナイト】は捌いた……だが!!!)



「うんうん、凄いよ~♪予想以上の動きだよ~」



(上級魔法を破られたってのに、この落ち着き様はなんだ?まだ切り札があるのか?)



まだまだ余力がある様子のシドに、キヨは困惑する。上級魔法を潰されて尚、勝つ自信があるのか、と。



「いや~♪楽しめたけどさ……もう終わりにしようか♪【アイスナイト】!!!」



氷の上級魔法【アイスナイト】。先程と同じタイプの魔法だ。が、【ダークナイト】よりも上位の魔法である。



「ぐ……」



先程、キヨは水溜まりを利用することで氷魔法を発動しやすくした。しかし、シドは水溜まりなどの補助もなく氷の上級魔法を発動している。このことから、キヨにはもう勝ち目はない。



「だからといって!!諦める訳にはいかん!!!」



キヨはまだ諦めていない。いや、諦めない。絶望的な状況など、いくらでも迎えてきた。そのたびにキヨは切り抜けてきたから。



(魔力は上級魔法一発と初級魔法一、二発分程度……奴もこれ以上は上級魔法は使えん筈だ……上級魔法は、そんなバンバン使えんだろうしな……)



おおよその算段……とは言い難いものだが、手は考え付いた。あとは、それを実行に移すだけだ。

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